先月末、海外の有志たちによって、聖剣伝説2トリビュート/アレンジアルバムが発表されました。その名も『Spectrum Of Mana』
http://www.spectrumofmana.com/
http://spectrumofmana.bandcamp.com/album/spectrum-of-mana
なんと全49曲。CDにして3枚組のヴォリュームです。公式サイトにて、全曲無料でダウンロードできます。また、有料になりますが、パッケージでの販売も行っております。海外のゲーム・ミュージック アレンジコンペ「Dwelling of Duels」の常連参加者や、各地で活動されているゲーム・ミュージック・カヴァーバンドのメンバーの人達が、有名/無名を問わず多数参加されており、その顔ぶれを見るだけでも圧巻の一言。中には、アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド ATHEISTの元ベーシストまで名を連ねております。
『Spectrum Of Mana』の各DISCについて簡単にその傾向を説明いたしますと、「WAR」と題されたDISC 1は、Heavy Metal/Progressive Metal路線のハードでアグレッシヴな"動"の楽曲が中心。「PEACE」と題されたDISC 2は"静"の楽曲が中心でAcoustic/Chorus/Folk/Ambient/Post Rockなどのアレンジでしっとりと聴かせてくれます。そしてDISC 3「SPIRIT」は、力作・大作アレンジが連なっており、トリビュート参加者の総力を結集させた内容になっております。激しいものから緩やかなものまで、海外ファンの聖剣2に対する愛がこれでもかと詰め込まれた、一大トリビュート作品。原作ファンはもちろん、音楽好きにも是非ともオススメであります。以下、個人的にお気に入りのアレンジをチョイス。
ベースとドラムによる、"鋼鉄の罠"の硬質なインストゥルメンタル・アレンジ。ベースは元ATHEISTのTravis Morgan氏。ドラムは、本職ミュージシャンで、Permanent Midknightというメロディック・メタル・バンドでも活動しているAdam Henry氏。
エンディング曲"最後から二番目の真実"のDjent/Progressive Metalアレンジ。うーん、大胆。
"呪術師"のエクストリームなProgressive Metalアレンジ。禍々しさ増幅。ドラムをプレイしているKevin Lawrence氏はメトロイドのメタルカヴァーバンドMETROID METALのメンバー。Yes,Mayhemというオルタナティヴ・ロック・バンドでも活動されています。
ゲーム音楽をフォーク・ロックでアレンジする米国の新鋭バンドThe Second Storyによる、"不思議なお話を"アレンジ。味わい深い。
お洒落でまったりとしたアレンジに定評のあるゲーム音楽カヴァーバンド The OneUpsのギタリスト Tim Yarbrough氏による、"森が教えてくれたこと"アレンジ。ふと聴いていて、「このギターのトーンのまろやかさはもしや…」と思ったら やはりTim氏でありました。
聖剣伝説2のサウンドトラックには収録されていない、セーブ画面時のBGM[ http://youtu.be/1WuypCGy_bk ]のアレンジ。ゲーム音楽をProgressive Metalテイストでアレンジするバンド Armcannonのキーボーディスト Chris Dlugosz氏をフィーチャーし、短いながらもテンション高めのキーボード・プログレ・アレンジになっています。
"浄夜"のProgressive Rock/Post Rockアレンジ。アトモスフェリックな路線を強めた90年代以降のモダンProgな香りも感じさせます。悪魔城シリーズのアレンジアルバムやDwelling Of Duelsの参加でも知られるOmigadriveことGlenn Elliott氏がアレンジを、METROID METALのStemage氏がリズムギターとギターソロを、メトロイドアレンジアルバム「Harmony of a Hunter」参加者のJoshua Cortese氏がピアノを、Cory Johnson氏がベースとクリーンギターをそれぞれ担当しています。
今回の聖剣2トリビュートの目玉曲の一つ。屈指の名曲"子午線の祀り"の、三部構成・トータル12分に及ぶ大作アレンジ。7人編成のバンドに加え、30名近い演者がリレー形式でソロを回していくという圧巻の内容。アレンジはOmigadrive氏と、先ごろTHE BLACK MAGESの3rdアルバムへもゲスト参加した Prince of DarknessことTony Dickinson氏の二人。演奏者の一覧はコチラ