Score to a New Beginning (2009/05/19) Fairyland 商品詳細を見る |
フランスのシンフォニック・メタル・バンド、フェアリーランドの3rdアルバム。前作リリース後、キーボーディストのフィリップ・ジョルダナ以外のメンバーが全員脱退し、バンド形態から一転してフィリップ主導のソロ・プロジェクト形態へと相成り、HeavenlyやSerenity、Pathosrayのメンバー等、外部から総勢16名のミュージシャンを招集して制作されたのが三部作の完結編にあたる本作。初期のバンドは終始疾走しまくりのクサメタルサウンドでしたが、ここにきてもはやどこを切っても完全なるシンフォニック・エピック・メタルへとグレードアップ。メンバーが殆ど脱退してもなんのそのな奮起ぶりで、ストリングスやクワイア・コーラスの重厚なバッキングとキーボードソロを軸にドラマティックに煽りまくる内容は、ヒロイック極まりないジャケット・イラストに全く引けをとってないです…その一方で、全体的に枠にはまっててなかなか踏み込めなくなってるというか、小奇麗にまとまっちゃってる気もします。一発目のキラーチューン「Across The Endless Sea Part II」でさえもどこか一歩引いているような印象がするのは前作以上にアルバム構成や楽曲構築にこだわったからなのか、バンドからゲスト召集型のソロ・プロジェクト形態になったからなのか、意欲的なのになんだかジレンマめいたものを感じて少々もどかしい部分もありました。その辺は今後の活動で解消されていくことに期待したいところ。と、アレコレ言ったものの、終盤の9分に及ぶタイトル曲は3~4曲分のアイデアをガッツリ放り込んだであろう練り込みに次ぐ練り込みで非常に濃密な9分間を構築しており、素晴らしいの一言。身も蓋もないことをぶっちゃけしまうとこの1曲でアルバムの眼目は凝縮されてると言い切りたいです。何はともあれラストのこの曲でドカンとキメてくれたのはデカかった。
●FAIRYLAND:Wikipedia