2007年7月9日月曜日

COALTAR OF THE DEEPERS『Yukari Telepath』(2007)

YUKARI TELEPATHYUKARI TELEPATH
(2007/07/04)
コールター・オブ・ザ・ディーパーズ

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 オーケン率いる特撮でも重要な役割を担っているNARASAKI率いるシューゲイザーメタルポップスエレクトロミクスチャーバンド コールター・オブ・ザ・ディーパーズの5年ぶりとなる5thフルアルバム。アルバムを重ねるごとに闇鍋式に新要素をポンポン投入しておきながら、ゲテモノにならないところへ必ず落ち着くというバランス感覚の冴えはやはりこのバンドならではの強烈な個性。前々作『No Thank You』はヘヴィネスの渦で痛快に巻き上げ、前作『Newave』はエレクトロの緩やかな波にたゆたう作品だったのですが、本作はエレクトロとヘヴィネスのバランスが取れていることから、過去二作のちょうど中間に位置しているのではないかと思います。さらに楽曲にはニューウェイヴ的なシーケンスがフィーチュアされ、展開にクッキリとした筋を通されているためか、有り余るほどの物量となんでもアリの多彩さで勝負を仕掛けてことごとく優勢に持っていくバンドのスタンスとの噛み合せもすこぶる良好。「Ribbon No Kishi」「Deepless」と繋がるエンディングへの程よい流れもいいですが、中盤における流線型に煌くデジロックナンバー「Aquarian Age」(ちなみにこの曲は03年に発表されたOVA「アクエリアンエイジ Saga II」のエンディング曲のリメイクです)、「Automation Structures」の近未来的なスピード感を持った展開には胸がときめかざるを得ませんでした。曲調がめまぐるしく移り変わるので聴き通すと幾度となくアップダウンを味わうことになりますが、トータルバランスは絶品。