2011年3月2日水曜日

Jinetes Negros『Omniem』(2007)



 ANIMAのキーボーディスト オクタヴィオ・スタムポラを中心としたアルゼンチンの5人組プログレッシヴ・ロック・バンド ジネテス・ネグロスの3rdアルバム。クラシカルなオーケストレイションや混声コーラスのハーモニー、フルートやヴァイオリンなどのアコースティック楽器を生かしたミドルテンポのメロディアスな楽曲が多く、ゆったりとした流れのアルバムの構成ながらも、しっかりアイデアを盛り込んで最後まで厚みを持たせたつくりは思わず愛着すら沸いてしまうほど好感が持てます。個々の楽曲は大作志向というわけでもないのですが、アルバムのスケール感は大きいですし、幅の広さも感じさせます。「La Gesta Del Poder」「El Canto Del Noctambulo」などのしっとりと哀愁を帯びたバラード曲にはスペイン語ヴォーカルの熱をたっぷり孕んだ濃密さが映えるので、AORとしての魅力も見出せそうかも。どこか懐かしさを覚える勇壮なイントロで幕開けする「Epico」や、メロディアスなハード・ロック「Dieciseis Lirios De Eternidad」「La Bestia」、イントロから一転してハードなアンサンブルがクワイアコーラスと一体になって超ハイテンションに疾走する「Pagaras Por Mi」など、壮大/ハードな側面もしっかり備えております。ブラジルのSAGRADO CORACAO DA TERRAやイタリアのNEW TROLLSあたりにも通ずるシンフォニックさ、植松伸夫・桜庭統あたりのシンフォニック・プログレ寄りなゲームミュージックっぽさも感じられたりするので、そういった手合いにもオススメではないかと。Mellow Recordsの新鋭バンドカタログの中でもかなりイイ線を行ってるバンドのひとつだと個人的に思います。アルゼンチンあなどり難し。


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