2009年5月22日金曜日

筋肉少女帯『シーズン2』(2009)

シーズン2
シーズン2
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筋肉少女帯
トイズファクトリー (2009-05-20)
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 筋肉少女帯の14thアルバム。アルバムジャケットはKISS『地獄の軍団(Destroyer)』のオマージュ。再結成一発目の意気込みで燃え盛った勢いと再結成したことでの和気藹々とした緩さとを同時にぶつけていた前作『新人』と比べると本作は一定の落ち着きがあり、荒々しさ、スリリングさと引き換えに余裕と頼もしさが溢れております。「心の折れたエンジェル」「ドナドナ」の2曲を皮切りに、本城氏の楽曲がアルバム全体をリードしており、メロディックメタル色よりハード・ロック(プログレ・ハード)色が強く、じっくりと腰を据えた内容。アルバムによって賛否両論ある本城曲ですが、本作では男臭さをプンプン撒き散らして突き進んだものが多くハズレなし。中でもひねくれなしのストレートなメッセージを厚いコーラスと共に送る「世界中のラブソングが君を」は今の筋少の姿が伝わる秀逸なミドルバラードです。





 橘高曲は少なめになったとは言え、前作の「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」同様、後期筋少の流れを汲んだ狂おしいまでにドラマティックな曲「1000年の監視者」は激しさを抑えながらもキラーチューンとしての風格は十分だし、ノリの良い疾走ハード・ロック・ナンバー「ツアーファイナル」は打ち上げ大団円的なラストを演出しており、しっかり目立っております。また、内田曲は相変わらず絶妙(奇妙?)な存在感を放っており、三柴氏の瑞々しくもひんやりとしたピアノが躍り暴れ狂う「ゴッドアングル Part.2」(Part.1はいずこへ?)から漂うプログレチックな妖しさは、「夜歩く」「夜歩くプラネタリウム人間」の系列でしょう。セルフカヴァーである「踊る赤ちゃん人間」は若干テンポを落とした以外はさして変わったところは見受けられない手堅い仕上がりですが、一方「ノーマンベイツ'09」は鋭くメタリックなアレンジで『仏陀L』の頃より何倍もプログレッシヴな印象を研ぎ澄ませたリメイクになっており、単なるファンサービスで終わっていない、新たな魅力が加わった素晴らしい仕上がり。J・ガイルズ・バンドの「堕ちた天使(Centerfold)」っぽいノリの「人間嫌いの歌」は3分にも満たない曲ですが、ネガティヴなのにポジティヴな詞からオーケンののほほんスタンスがしっかり伝わってくる微笑ましい曲、思わず口ずさみたくなります。同じくオーケン作詞作曲の「プライド・オブ・アンダーグラウンド」は、伊福部崇氏と鷲崎健氏のユニット ポアロへの提供曲をセルフカヴァーしたもの、かの「ノゾミ・カナエ・タマエ」と歌メロが似ているのはやはり企画モノへの提供曲だったからでしょうか。アルバム全体の雰囲気は後期筋少のソレに近いものの、後期筋少が孕んでいた危なっかしさは今の筋少には皆無。のほほんとしつつもしっかりと地を踏みしめたバンドのエネルギーをたっぷり感じさせてくれる一枚です。




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