2018年12月14日金曜日

渡辺邦孝『デスクリムゾン サウンドトラックス』(2018)

祝「デスクリムゾン」20周年――せっかくだから、俺はデスクリムゾンのサウンドを改めて振り返るぜ

22年目のデスクリムゾン、オリジナルコンポーザーによるサウンドトラック・セルフカヴァー





 ダニー、グレッグ、生きてるか!? 先の2つのエントリでデスクリムゾンの20周年や22周年、コンポーザーの渡辺邦孝氏について書いてきましたが、その後、今年5月半ばに当ブログのコメント欄で渡辺氏ご本人から「世間の反応をリサーチしつつ年内にリリースを予定している」としてデスクリムゾンの新サウンドトラックの構想を教えていただき、9月20日にCD発売情報が解禁、ついに2018年11月14日、ソフト発売から22年の歳月を経て『Death Crimson Soundtracks』がリリースされました。旧盤の『デスクリムゾン ヒストリー』の再販ではなく、当時の音源データを最新環境のもとで全曲再録&新規書き下ろし曲を追加した、全面リニューアルの新生盤です。CD/デジタル同時リリース。CDパッケージは紙ジャケット仕様です。いま、われわれは21世紀のデスクリムゾンを目の当たりにする……。こっちだぁ、越前……


Death Crimson Soundtracks
Death Crimson Soundtracks
posted with amazlet at 18.12.13
渡辺邦孝
アンコール音楽工房 (2018-11-14)
売り上げランキング: 793

《Amazon MP3》
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JHZDZBB
《iTunes》
https://itunes.apple.com/jp/album/death-crimson-soundtracks/1439393756


「デスクリムゾン」発売から22年を経て新録サウンドトラック発売――そのワケは? せっかくだから俺は作曲家の渡辺邦孝氏にインタビューするぜ!
(4gamer net|2018.12.05)


 先ごろ4gamerで公開された渡辺氏へのインタビュー記事は、とにかくトピックが満載でした。デスクリムゾンのサウンドの制作期間は2か月だったこと。オーダーはエコールの真鍋社長から直接受けたこと。最終的に制作したMIDIファイルを買い取ってもらい、制作から身を引いたこと。2008年9月に行われたエコールのツアーイベント「デスクルーズ」(※)のお誘いを真鍋社長から受けたこと、サントラリリースのアイデアを言ってくれたこと。ヤマハで作っていた教本にデスクリムゾンをもとにした楽曲を入れたこと(!?)などなど。なにより、「ストリングスがパーカッションの音色で鳴っていたり、スネアがパーン!と鳴るところがリムショットだった」楽曲が、『Death Crimson Soundtracks』ですべて本来想定されていたサウンドになったというのは一番のポイントです。

「デスクルーズ2008in友ヶ島」レポート
(from エコールソフトウェア|2008.09)

 初代デスクリムゾンとデスクリムゾンOXのカップリングサウンドトラック『デスクリムゾン・ヒストリー』(2001年)の初代デスクリムゾンBGMのトラックリスト(なおトラック1、2、4~10、12~15は「デスクリムゾンOX」のBGMにあたります)と、今回の『Death Crimson Soundtrack』のトラックリストを以下に併記します。


『デスクリムゾン・ヒストリー』『Death Crimson Soundtrack』

03. ファースト・ボス
11. 赤の扉
16. メインテーマ
17. 傭兵
18. デスマスク
19. サロニカ
20. リムブルク
21. コネラート
22. イズキット
23. アッシム
24. ムーラ
25. シャナファーラ
26. 宇宙船
27. デスビスノス
28. エンディング


01. ファースト・ボス
02. デスマスク
03. ムーラ
04. アッシム
05. 傭兵
06. メインテーマ
07. バトル・ブリッジ
08. イズキット
09. 赤の扉
10. 秘宝博物館
11. サロニカ
12. リムブルグ
13. 宇宙船
14. デスの覚醒
15. コネラート
16. シャナファーラ
17. デスビスノス
18. エンディング
19. 再起動
20. クリムゾン・デスの宮殿



 収録順が変わり、数曲の新曲が追加され、そして本来想定されていたサウンドとなったことでトータルで印象がガラリと変わりました。「ファースト・ボス」や「ムーラ」はエマーソン、レイク&パーマーからの影響を色濃く投影した楽曲で、「ムーラ」は「タルカス」のオマージュが全開です。「デスマスク」「アッシム」はそれぞれディシプリン期キングクリムゾン、「傭兵」は「太陽と戦慄パート2」のオマージュを感じさせる楽曲ですが、「傭兵」の成立の経緯は非常に興味深いものがあります。過去に渡辺氏はキングクリムゾン在籍時のビル・ブルーフォードと来日時に共演(渡辺氏とナニワ・エキスプレスの中村建治氏のキーボードデュオに、ブルーフォードがシモンズのドラムで合わせるというもの)しており、そのときに演奏された渡辺氏のオリジナル曲を流用してできたのだそうです。また、デスクリムゾンを象徴する「メインテーマ」はキングクリムゾンとジミヘンのエッセンスが混じり合った一曲。





 アップテンポな「バトル・ブリッジ」は、6月にYouTubeで先行公開もされていた新曲。アルバム構成的にもブリッジの役割を担っています。「イズキット」は、アコーディオニストでもある渡辺氏のソロアルバムの路線、ヨーロッパの雰囲気を感じさせるお洒落な一曲であり、同様の趣は新曲「秘宝博物館」が継いでいます。〈せっかくだからのテーマ〉として語り継がれるまでになった「赤の扉」の持つ哀愁のテーマ性は、「エンディング」ともども改めて注目したいところ。無機質さと荘厳さを併せ持った新曲「デスの覚醒」は、「デスビスノス」のプレ・テーマとしてみても興味深い一曲です。ラストを飾る2曲の新曲のうち、「再起動」は、本盤を象徴するヘヴィ・プログレな新生メインテーマ。そして「クリムゾン・デスの宮殿」はデスクリムゾン初のヴォーカル曲であり、キングクリムゾン「エピタフ」にとことんオマージュを捧げた一曲。〈終わりはない プログレこそ我が運命〉というフレーズに、渡辺氏の矜持が集約されています。そして実はこのあと、21曲目に約45秒の「隠しトラック」があり、混沌とともにアルバムの幕が閉じられます。




 渡辺氏を擁するハードロックバンド「山水館」のライヴが11月11日には神戸、12月8日に東京でそれぞれ行われましたが、来たる12月15日は大阪のディスクピアで渡辺氏のソロ・インストアライヴが行われます。関西圏の人、この機を逃してはなりませんよ。

『渡辺邦孝「Death Crimson Soundtracks」発売記念ライブ~せっかくだから俺はこのCDにサインするぜ!』













《『Death Crimson Soundtrack』への軌跡》
(セルフカヴァー/ライヴ演奏)

Kunitech Music210 Death Crimson Main Theme(Original Song)
(2014年10月22日)

Kunitech Music211 Death Crimson Moula(Original song)
(2014年10月26日)

Kunitech Music212 Death Crimson Death Mask(Original Song)
(2014年10月29日)

Kunitech Music213 Death Crimson First Boss(Original Song)
(2014年11月12日)

Kunitech Music222 Death Crimson Red Door(Original Song)
(2015年1月21日)

■Kunitech Music317 One-Man Show Part1 '15 9/27
(2015年9月27日)

8曲目で「デス・クリムゾン ファースト・ボス」
9曲目で「デス・クリムゾンのテーマ」を演奏。

Kunitech Music632 Death Crimson Assim(Original Song)
(2018年2月4日)

Kunitech Music633 Death Crimson Izukitto(Original Song)
(2018年2月7日)

Kunitech Music637 Death Crimson Limburg(Original Song)
(2018年2月14日)

Kunitech Music639 Death Crimson Spaceship (Original Song)
(2018年2月18日)

Kunitech Music641 Death Crimson Salonica (Original Song)
(2018年2月21日)

Kunitech Music643 Death Crimson Konerato (Original Song)
(2018年2月25日)

Kunitech Music645 Death Crimson First Boss (Original Song)
(2018年2月28日)

Kunitech Music649 Death Crimson Moula (Original Song)
(2018年3月4日)

Kunitech Music651 Death Crimson Main Theme (Original Song)
(2018年3月7日)

Kunitech Music652 Death Crimson Death Mask (Original Song)
(2018年3月11日)

Kunitech Music654 Death Crimson Red Door (Original Song)
(2018年3月14日)

Kunitech Music673 Death Crimson 4Boss (Original Song)
(2018年5月2日)

Kunitech Music681 Death Crimson First Boss(Original Song) (Live)
(2018年5月3日)

Kunitech Music682 Death Crimson Theme(Original Song) (Live)
(2018年5月3日)

Kunitech Music685 Death Crimson Shanafara (Original Song)
(2018年5月5日)

Kunitech Music706 Death Crimson Bridge (Original Song)
(2018年6月3日)

Kunitech Music776 Death Crimson Reboot(Original Song)
(2018年9月20日)

Kunitech Music784 Death Crimson Red Door(Original Song)
(2018年10月12日)

Kunitech Music785 Death Crimson Red Door(Accordion Ver.)
(2018年10月24日)

Kunitech Music790 Death Crimson Theme(Original Song)
(2018年10月21日)

Kunitech Music791 Death Crimson Shannafarrah(Original Song)
(2018年10月23日)

Kunitech Music792 Death Crimson Salonika(Original Song)
(2018年10月23日)

Kunitech Music793 Death Crimson Salonika(Original Song) Accordion Ver.
(2018年10月24日)

kunitech Music794 Death Crimson Main Theme(Original Song)
(2018年11月1日)

kunitech Music795 Death Crimson Main Theme(Original Song)(Accordion Ver.)
(2018年11月4日)

Kunitech Music796 Death Crimson Release!
(2018年11月13日)

Kunitech Music805 Death Crimson Main Theme(Original Song)
(2018年12月1日)

Kunitech Music807 Death Crimson First Boss(Original Song)
(2018年12月6日)

Kunitech Music808 Death Crimson Mercenary(Original Song)
(2018年12月10日)

Kunitech Music809 Death Crimson First Boss(Original Song)
(2018年12月11日)


■Death Crimson Main Theme【Rock Organ】



ラブライブ!サンシャイン!!の「Waku-Waku-Week!」や、アイドルマスター ミリオンライブ!の「満腹至極フルコォス」「シャクネツのパレード」などの作編曲者であるラムシーニ氏は渡辺邦孝氏の芸大での教え子の一人。氏も、デスクリムゾンのカヴァー動画を2015年8月にアップされていました。