MOTORSYCHO、SHINING、Elephant9、Jono El Grande、Krokofant、Grand Generalなど、プログレッシヴ/アヴァン・ジャズの層が厚いノルウェーからまたも骨太なジャズ・ロック勢が登場。それが、アメリカで目撃されたという未確認生命体の名を冠するこのMOTHMANです。ドラマーのマルティン・ウルヴィンと彼の学友を中心として2009年にスンド・フォーク大学で結成されたバンドは、スタヴァンゲルでライヴパフォーマンスを磨き、アイスランドのジャズギタリスト ヒルマー・イェンソンのゲストサポートを得て、同地の国際的ジャズフェスティバルであるMaijazzでデビューを飾ります。その後、メンバーはスタヴァンゲルとオスロに散るのですが、オスロを拠点に活動を展開。2012年春にはノルウェーツアー、2013年夏にはヨーロッパツアーを成功させており、気鋭のバンドのひとつに躍り出ました。そんな彼らのデビューアルバムが本作。ジャズ、プログレッシヴ・ロック、コンテンポラリー・ミュージックをミックスさせたサウンドは、ラフというよりはストイックな印象。インプロヴィゼーションともども全体的にカッチリと詰め込まれており、ヘヴィメタリックな加速度を伴って段階的にギアを上げていくようなスタイル。堅実に、着々と増やされてゆく音数が、内に秘めた熱さを静かに物語っています。