サークル・イン・ザ・フォレスト(紙ジャケット仕様) (2013/09/04) アストゥーリアス 商品詳細を見る |
大山曜氏率いる多重録音プログレッシヴ・ロック・ユニット アストゥーリアスが1988年に発表した記念すべきデビュー・アルバム。後にアコースティック・アストゥーリアスでもリメイクされる1曲目の"Ryu-Hyo"が始まった瞬間から、大山氏が込めた情感がメロディの瑞々しさと力強さとともにたっぷりと広がります。メリハリの効いた"Clairvoyance"は、実験の成果を試したかったとのことで作られた楽曲だそうで、ピリッと刺激的なギターサウンドが映えるスタイリッシュな趣の曲です。シンフォニックな下地に暖かみ溢れるアコースティック・ギターが乗る"Angel Tree"は、大山氏が作曲に関わられた、アーテック&スタジオぬえ制作による1988年発表のRPG作品『ディガンの魔石』(PC-88/PC-98他)"Abilia Hair"のリメイク・ヴァージョンであり、シンプルながらも切々と染み入るメロディがたまらない小品です。"Tightrope"はしなやかなピアノとスリリングなギターがバランスをとりつつも、勢い良く突き進むアップテンポの楽曲。そして本作のハイライトである20分以上に及ぶ大曲"Circle In The Forest"は、大山氏が敬愛してやまないマイク・オールドフィールドからの影響を強く押し出した渾身の力作。大山氏が楽曲を手がけた1987年発表のファミコンRPG『ミネルバトン・サーガ』(こちらも制作はアーテック)のタイトルテーマで幕開けする冒頭、神秘的な雰囲気から突然イキのいいギターのフレーズが飛び出し、上野洋子譲のコーラスも絡めて牧歌的に進んでゆく序盤。ビートを強調した煌びやかかつ躍動的な中盤。再び『ディガンの魔石』の楽曲から"Cordarn" "Euress"のフレーズをフィーチャーし、一転して切々とした展開を聴かせる終盤。最後はパーカッシヴなリズム、徐々に熱を帯びて鳴り響くギターサウンドがグイグイと押し出され、コーラスのリプライズで雄大に幕を閉じていきます。
●Asturias Official Web Site
●Asturias Offical Web Site -「Circle In The Forest」試聴/曲解説
●ミネルバトン・サーガ ラゴンの復活:Wikipedia
●大山曜:Wikipedia