2010年7月23日金曜日

kamomekamome『LUGER SEAGULL』(2007)

ルガーシーガル
ルガーシーガル
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kamomekamome
SPACE SHOWER MUSIC (2007-11-07)
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 上から読んでもルガーシーガル、下から読んでもルガーシーガル。プログレッシヴ・ハードコアバンド kamomekamomeの2ndアルバム。前作はトータル70分近いヴォリュームで、カオティックに紡がれるジャム的なアンサンブルを10分以上に渡って展開する長尺曲はじめ、バッキングにストリングスやブレイクビーツを取り入れた楽曲など、ハードコアのフォーマットに留まらない、方向性の模索も兼ねた非常に意欲的、野心的な構成でしたが、本作はそこからギュッとシェイプアップ。40分に満たないランニングタイム&平均3~4分の楽曲によるスッキリコンパクトな仕上がりになっています。醒めた空気を孕み込んだ肉々しい向達郎氏のヴォーカル(&詞)と、ザックリメタリックにささくれ、複雑に絡みついては離れていくリフ、アタマのテッペンに向かって重々しく捻れ込むかのような重心の低さ、全てが非常に自分好みの要素で、しっかりと叩き出されるビートと、さりげなく隙間に絡まってゆく変拍子リフが合わさってのつっかかったサウンドが目の前に淡く色褪せてゆくかのような荒涼とした情景を見せてくれ、凄く胸の内に残る。表面上はキャッチーかつストレートなのに裏地は緻密&複雑。安定的なのに刺激的という印象がラストまで付いて離れない。研ぎ澄まされた歌ものとしてもただならぬ魅力を感じさせる「事切れ手鞠唄」。フックのあるアグレッシヴな展開と共に獰猛な邪気を吐き出す「メデューサ」「化け直し」。スパっと研ぎ澄まされた突進力が抜群な「スキンシップ編」、ヴォーカルと詞の生々しさが異様に際立つ「ゲルバトル」など、奇襲戦法のように突発的に表れる趣向も面白く、バンドの並々ならぬタフネスと共に聴き応えのあるアルバム。


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