2018年4月30日月曜日

リリース情報・備忘録 2018年4月

















































































































































































2018年4月29日日曜日

「レディ・プレイヤー1」 小説版と映画版の音楽ネタについて

最初に言っておくと、ネタバレです。小説版・映画版双方の音楽ネタについて触れているので、読んでいない人や観ていない人はご注意。3年前に書いたこちらの記事の増補・改訂版となります。


 『ゲームウォーズ 〔Ready Player One〕』 
非公式サウンドトラック (音楽ネタ一覧)
http://camelletgo.blogspot.jp/2015/03/ready-player-one-ost.html



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音楽? 音楽は手強い相手だったよ。少しばかり時間がかかった。八〇年代は期間としては長い(まる十年だからね)。しかもハリデーは鑑識眼があるとはお世辞にも言えない人で、あらゆるジャンルを聴きまくっていた。だから、ぼくもあらゆるジャンルを聴いた。ポップス、ロック、ニューウェーブ、パンク、ヘヴィメタル、ポリス、ジャーニー、R.E.M.からザ・クラッシュまで。何だって聴いたよ。ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの全レコードを二週間かからずに聴いた。ディーヴォにはもう少し手こずらされた。

――歌詞も暗記した。ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョヴィ、デフ・レパード、ピンク・フロイドといったバンドのたわいない歌詞を山ほど記憶に刻みつけた。
(『ゲームウォーズ』上巻P127, 128)


小説『Ready Player One』(邦訳版『ゲームウォーズ』)に登場するロック/ポップ・ミュージックの元ネタは、著者のアーネスト・クラインが2011年に自身のブログですべて明かしています。「ファミリータイズ」「スクールハウスロック」や「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」など、本編に登場する番組や映画のテーマも含めて網羅されているほか、ご丁寧にも3曲の「ボーナス・トラック」まで記載されています。パット・ベネターを入れているのは、作中でアルテミスの本拠地とされている惑星の名前が「ベネター」だからでしょう(下巻P11参照)。


「The “Official” Ready Player One Soundtrack Mix Tape」
(2011.09.21)
http://www.ernestcline.com/blog/2011/09/21/the-official-ready-player-one-soundtrack/

01 - Oingo Boingo - Dead Man’s Party
02 - Billy Idol - Dancin’ With Myself
03 - Family Ties - Opening Theme
04 - Schoolhouse Rock - Verb
05 - Duran Duran - Wild Boys
06 - John Williams - Star Wars Soundtrack - The Throne Room End Title
07 - Midnight Oil - Beds Are Burning
08 - Howard Jones - Like To Get To Know You Well
09 - Basil Poledouris - Conan The Barbarian - Anvil Of Crom
10 - Ladyhawke Soundtrack - Main Title
11 - Richard Strauss - Also Sprach Zarathustra
12 - The Beepers - Video Fever
13 - Men Without Hats - The Safety Dance
14 - New Order - Blue Monday 88 Remix
15 - Duran Duran - Union Of The Snake
16 - Billy Idol - Rebel Yell
17 - Cyndi Lauper - Time After Time
18 - LA Style - James Brown Is Dead
19 - Blondie - Atomic
20 - Wham! - Wake Me Up Before You Go-Go
21 - The Plimsouls - A Million Miles Away
22 - Change - John Waite
23 - Peter Gabriel - In Your Eyes
24 - They Might Be Giants -Don’t Let’s Start
25 - Def Leppard - Pour Some Sugar On Me
26 - Bryan Adams - Kids Wanna Rock
27 - Buckner & Garcia - Pacman Fever
28 - Rush - The Temples of Syrinx
29 - AC/DC - Dirty Deeds Done Cheap
30 - Schoolhouse Rock - Three is a Magic Number
31 - Rush - Subdivisions
32 - Monty Python and the Holy Grail - End Music

Bonus Tracks:
Pat Benatar - Invincible
DEVO - Girl U Want
Van Halen - Dance the Night Away

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小説『Ready Player One』
(2011)


オインゴ・ボインゴ『デッド・マンズ・パーティ』という古い歌のイントロだ。
(上巻P8)
Oingo Boingo - Dead Man's Party(1985)
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ティム・バートン監督作品などでお馴染みの映画音楽家であるダニー・エルフマンがかつて率いていたオインゴ・ボインゴは、スカとニューウェイヴのエッセンスを取り込んだロック/ポップスサウンドを得意としたバンド。「Dead Man's Party」は1985年のアルバム『Dead Man's Party』のタイトルチューンです。

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ハリデーも踊っている。現実の世界では見せたことのない姿だ。たがのはずれたような笑みを顔に張りつけ、猛スピードで回転し、音楽に合わせて腕と頭を振り回しながら、八〇年代を象徴するダンスの動きを完璧にこなしていく。ただし、ハリデーにダンスのパートナーはいない。文字どおり、一人でくるくる空回りしているだけだ。
(上巻P8)
Billy Idol - Dancing with Myself(1980~1982)


原文を見ないとわからないネタです。「He is, as the saying goes, dancing with himself」という一節があります。「Dancing with Myself」は、ビリー・アイドルが在籍したパンク・バンドのGENERATION Xが活動末期の1980年にリリースした楽曲。ビリーと同じくフロントマンだったトニー・ジェームズの共作曲。その後、1981年にバンドは解散、ビリーはアメリカに渡ってソロデビューするのですが、その際に再度この曲をカヴァーしてシングルとしてリリースします。同曲は1981年リリースのEP『Don't Stop』、1982年リリースの1stソロアルバム『Billy Idol』にも収録。

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(ちょうどいまはデュランデュランの『ザ・ワイルド・ボーイズ』を大音量で流している) 
(上巻P76)
Duran Duran - The Wild Boys(1984)


ニューウェイヴ/ニューロマンティックを代表するバンド デュラン・デュランが1984年にリリースした大ヒットシングル。同年にリリースされたライヴアルバム『Arena』に、唯一のスタジオトラックとして収録されています。

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「『レディホーク』は八〇年代の傑作の一つだ」
「あんな低級映画が傑作だって? じゃあ、何なんだよ、あの剣は? アルミ箔で作ったのか? それにあのサントラ。駄作もいいところだろう。シンセの音以外に何か聞こえるか、え? アラン・パーソンズ・プロジェクトだ? 超のつく駄作だよ!」

(上巻P83)

Andrew Powell - 『Ladyhawk Original Soundtrack』(1985) 


小説版では、エイチに「レディホーク」をこき下ろされてウェイドがキレるくだりがあります。同作のサウンドトラックを手がけたのは、ケイト・ブッシュのアルバム『嵐が丘』のプロデュースや、アラン・パーソンズ・プロジェクトでオーケストレーションを担当していたアンドリュー・パウエル。

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寝る間も惜しんで(バーン・ミッドナイト・オイル)勉強に励んだ。そうだ、知ってたかい? オーストラリアにミッドナイト・オイルというバンドがいたんだよ。一九八七年に『ベッズ・アー・バーニング』というヒットを飛ばしている。
(上巻P128)
Midnight Oil - Beds are Burning(1987)


ミッドナイト・オイルは1976年に結成されたオーストラリア・シドニーのロック/ポップス・バンド。2002年の解散までに11枚のアルバムを発表。その後も2005年、2009年、2016年とたびたび再結成しており、2017年には大規模なツアーを行っていました。リード・ヴォーカルのピーター・ギャレットは、現在は政治家としても活動中。「Beds are Burning」は世界的なヒットも記録したバンドの代表曲で、アルバム『Diesel and Dust』に収録されています。 http://www.midnightoil.com/

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この曲なら知っている。ジョン・ウィリアムズ作曲の『スター・ウォーズ』のオリジナルサントラ最後の曲
(上巻P168)
John Willams - The Throne Room and End Title(1977)

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八〇年代の詩人ハワード・ジョーンズなら、“もっと彼女を知りたいから”とでも言うだろうな。
 (上巻P183)

Howard Jones - Like to Get to Know You Well(1984)


上のセリフは、イギリスのニューウェイヴ/エレポップ シンガーであるハワード・ジョーンズの1984年のヒット曲のもじりです。同年にリリースされたリミックス・アルバム『The 12 Album』にインターナショナル・ミックス版が収録され、2ndアルバム『Dream into Action』(1985)のCD盤にボーナストラックとして収録。90年代以降はエレポップから離れた音楽性になるものの、現在までコンピレーションやライヴアルバムを含めてコンスタントなリリースを続けており、2008年、2010年、2012年、2017年に来日公演も行っています。

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ベイジル・ポールドゥリス作曲の『コナン・ザ・グレート』のサントラだ。
(上巻P213) 

Basil Poledouris - Conan The Barbarian - Anvil of Crom


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次に聞こえてきたのは、低く不気味な機械音と、映画のオープニングに使われたリヒャルト・シュトラウス作曲『ツァラトゥストラはかく語りき』だった。
(上巻P216)
Richard Strauss - Also Sprach Zarathustra


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ザ・ビーパーズの『ビデオ・フィーヴァー』が流れてきた。
(上巻P218)
The Beepers - Video Fever(1983)

ジョン・バダム監督による1983年発表のSFサスペンス映画『WarGames(ウォー・ゲーム)』の劇中曲。シンセサイザー奏者のブライアン・バンクス、アンソニー・マリネリ、映画のスコアを手がけたアーサー・B・ルービンスタインを中心にして結成されたビーパーズという企画バンドによる妙な味のあるテクノ・ポップ チューン。ちなみに、同年に発表されたバダム監督の「ブルー・サンダー」のサウンドトラックに収録されているメインテーマのアレンジ・ヴァージョン(本編未使用)も、ビーパーズ名義でクレジットされています。

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件名は、〈ウィ・キャン・ダンス・イフ・ウィ・ウォント・トゥ〉。メン・アット・ワークの曲のタイトルだ。
(上巻P360)
Men Without Hats - Safety Dance(1982)


原文を見てみると「The subject line read“We Can Dance If We Want To”」で終わっており、「メン・アット・ワークの曲のタイトルだ」にあたる文は見当たりませんでした。また、Men At Workにそういうタイトルの曲はありません。これはMen Without Hatsのデビューアルバム『Rhythm of Youth』(1982)に収録された「Safety Dance」の冒頭の歌詞です。80年代に活動したオーストラリアのロック・バンドMen At Workと、同じく80年代に活動したカナダのニューウェイヴ/シンセポップ・バンド Men Without Hatsとで混同された可能性があります。

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ニュー・オーダーの『ブルー・マンデー』。ただし『スター・ウォーズ』のドロイドの音声サンプルがふんだんに使われた八八年リミックスバージョンだ。
(上巻P367)

New Order - Blue Monday 88 Remix(1988)


マンチェスターのロック・バンド ニュー・オーダーの代表曲「Blue Monday」は、1988年にクインシー・ジョーンズがスーパーバイザーを務めたリミックス・ヴァージョンがシングルリリースされます。アルバムでは、1994年に出たベスト盤『(The Best of)New Order』に収録。

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「『ユニオン・オブ・ザ・スネーク』」習慣から無意識にそうつぶやく。「デュラン・デュラン。一九八三年発表」
(上巻P367)

Duran Duran - Union of The Snake(1983)


デュラン・デュランの9thシングルであり、3rdアルバム『Seven and the Ragged Tiger』の収録曲。セクシャルな隠喩に満ちたダンス・ポップ・チューンで、フィーチャーされたアンディ・ハミルトンによるサックスも印象的な1曲。

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ビリー・アイドルの『反逆のアイドル』のダンス・リミックスだ。
(上巻P369)

Billy Idol - Rebel Yell(1983)


ビリー・アイドルの2ndアルバム『反逆のアイドル(Rebel Yell)』のタイトルトラック。スティーヴ・スティーヴンスのギターソロも効いたハードなニューウェイヴ・チューン。

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今度はスローな曲をかけた。シンディ・ローパー『タイム・アフター・タイム』。
(上巻P371)

Cyndi Lauper - Time After Time(1983)


シンディ・ローパーの1983年のデビューアルバム『She's So Unusual』に収録され、翌年シングルカットされヒットした楽曲。数多くのアーティストにカヴァーされ、とくにマイルス・デイヴィスによるカヴァーは有名。

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L.A.スタイルの『ジェームズ・ブラウン・イズ・デッド』。クラブににぎやかな拍手が広がった。
(上巻P376)

L.A.Style - James Brown is Dead(1991)


オランダのエレクトロ・デュオ L・A・スタイルのクラブヒット。1991年にシングルでリリースされ、1993年にアルバム『L.A. Style』に収録。この曲が発表された当時は、もちろんジェームズ・ブラウンは存命中。「○○ is Dead」というタイトルの走りとなった楽曲で、○○ is not Deadや○○ is Still Aliveといった亜種が続々と出ています。

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ブロンディー『銀河のアトミック』。
(上巻P379)

Blondie - Atomic(1979)


デボラ・ハリー率いるアメリカのニューウェイヴ・パンク・バンド ブロンディの4thアルバム『Eat to the Beat(恋のハートビート)』(1979)に収録。翌年にシングルカットもされ、そこでは7インチミックスヴァージョンが収録されています。

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ワム!の『ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ』を最大音量で再生するようコンピューターを設定した。
(上巻P380) 

Wham! - Wake Me Up Before You Go-Go(1984)


ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるイギリスのデュオ ワム!の1984年のヒット曲。シングルは英米チャート一位に輝き、同曲が収録された同年のアルバム『Make It Big』も、各国でチャート1位を総なめにしました。

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ぼくは曲名、アーティスト名、収録アルバム、リリース年を早口で言った。「『ア・ミリオン・マイルズ・アウェイ』、ザ・プリムソウルズ、『エヴリホエア・アット・ワンス』、一九八三年」
(上巻P395) 

The Plimsouls - A Million Miles Away(1983)


アメリカのパワー・ポップ・バンド ザ・ナーヴスのメンバーであったピーター・ケイスを中心として1978年に結成された ザ・プリムソウルズの1982年発表のシングル。1983年発表の2ndアルバム『Everywhere at Once』に収録。この年に解散もしていますが、その後、断続的に再結成を繰り返しています。

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イントロを聞いただけで、ジョン・ウェイトの『チェンジ』だとわかった。『ビジョン・クエスト』サントラ。ゲフィン・レコード。一九八五年。
(上巻P395-396) 

Change - John Waite(1982)


JOURNEYのジョナサン・ケインが在籍していたことでも知られるThe BabysやBAD ENGLISHのヴォーカリストであったジョン・ウェイトの1982年のソロデビューシングル。同年のアルバム『Ignition』収録。AOR/メロディック・ハード・ロックの名曲であります。「ビジョン・クエスト/青春の賭け」は、ハロルド・ベッカー監督による、1985年公開の青春映画。サントラにはJOURNEYの「Only the Young」や、FOREIGNERの「Hot Blooded」などとともに収録されています。

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ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの『ドント・レッツ・スタート』の一行だ。
(上巻P398) 

They Might Be Giants - Don't Let's Start(1986)


1986年のデビューアルバム『They Might Be Giants』に収録され、翌年にマキシシングルでもリリースされた1曲。TMBGは本編のキャラクター(ひいては著者の)のとくにお気に入りのバンドのようで、度々その名が出てきます。

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ピーター・ガブリエルの『イン・ユア・アイズ』を流していた。
(下巻P11) 

Peter Gabriel - In Your Eyes(1986)


世界的な大ヒットを記録した、ピーター・ゲイブリエルの1986年の楽曲。同年リリースの5thアルバム『So』に収録され、同作からのシングルカットされた5曲のうちの1曲であり、ワールド・ミュージックのテイストも強い名曲。ゲストヴォーカルで参加したユッスー・ンドゥールや、ドラムスのマヌ・カチェの名前を知らしめました。

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大音量で鳴っている音楽がトンネルの奥から漏れ聞こえてきた。デフ・レパード、『シュガー・オン・ミー』。収録アルバムは『ヒステリア』(エピック・レコード、一九八七年)
(下巻P37) 

Def Leppard - Pour Some Sugar on Me(1987)


イギリスのヘヴィ・メタル・バンド デフ・レパードの1987年リリースの4thアルバム『Hysteria』に収録。翌年に同アルバムからの3rdシングルとしてもリリース。前作『 Pyromania(炎のターゲット)』とともに世界中でビッグセールスを記録した、バンド絶頂期の楽曲です。

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カーペットを張った壁にかけられたスピーカーからブライアン・アダムスの曲が流れていた。どこへ行ってもみんなロックしたいんだと歌っている。
(下巻P43)

Bryan Adams - Kids Wanna Rock(1984)


カナダを代表するロック・シンガー ブライアン・アダムスの出世作となった1984年リリースの4thアルバム『Reckless』に収録。

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ゲームルームのスピーカーから『パックマン・フィーバー』が流れ始めた。
(下巻P48) 

Buckner & Garcia - Pacman Fever(1981)


ジェリー・バックナーとゲイリー・ガルシアによるアメリカのデュオ・ユニットの大ヒット曲。「俺はパックマンにお熱なんだ」とひたすら歌ったキャッチーな1曲。ちなみにこの曲が収録されている彼らの1982年のデビューアルバム『Pac-Man Fever』は、全曲が「ドンキーコング」や「フロッガー」といった当時稼動していたアーケードゲームのタイトルにちなんだものになっており、一種のコンセプトアルバムともいえる内容。近年はディズニー映画「シュガーラッシュ」のサウンドトラックに書き下ろしの楽曲を提供しています。

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ラッシュ初期のSFをテーマにしたコンセプトアルバム『西暦二一一二年』。
(下巻P115-116) 

Rush - 『2112』(1976)


「ラッシュの『サブディヴィジョンズ』のミュージックビデオにもちらっと出てくる」
(下巻P294) 

Rush - Subdivisions(1982)


ラッシュは、カナダを代表するロック・トリオ。アレックス・ライフソン、ゲディ・リー、ニール・パートの不動のトリオの名を知らしめた一大プログレッシヴ・ロック・アルバム『2112(西暦2112年)』。都市の中心にそびえる寺院「シリンクス」により、人民の生活がコンピュータ管理された社会で育った主人公が旧文明の遺物(ギター)に触れ、社会を脱するまでを描いております。 「The Temples of Syrinx」は、組曲2112の第二パートにあたる部分。小説版では『2112』はあるシーンの大ネタのひとつとして出てきます。それは読んでのお楽しみ。「Subdivisions」は、1982年にリリースされたバンドの9thアルバム『Signals』の収録曲。

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いつも『スクールハウス・ロック!』の歌詞がぼくの頭のなかをぐるぐるし始める。〈走る、行く、取る、渡す。動詞! 動作の主はきみ!〉
(上巻P137)

「『スリー・イズ・ア・マジック・ナンバー』ボブ・ドロー作詞作曲」アルテミスが頭のなかの百科事典から読み上げる。「一九七三年発表」
(下巻P208) 

Bob Dorough - Verb: That's What's Happenin'(1973)
Bob Dorough - Three is a Magic Number(1973)



「スクールハウス・ロック」は、1973年から1985年にかけてアメリカで放送された、音楽とともに算数や歴史などを学習するというコンセプトの子供向け教育番組。「Verb: That's What's Happenin'」「Three is a Magic Number」は、ともに劇中曲です。作曲者のボブ・ドローは、マイルス・デイヴィスやブロッサム・ディアリーなどのアルバム(ジョン・ゾーンのNaked Cityのアルバムにスペシャル・ゲストとして参加していたりもします)への参加や、ソフト・ロック・グループ Spanky and Our Gangなどのプロデュースなども手がけたジャズ・ピアニスト/シンガー。 http://www.schoolhouserock.tv/Verb.html

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AC/DC『悪事と地獄』がロボットの内と外のスピーカーから大音量で流れ始めた。
(下巻P250)

AC/DC - Dirty Deeds Done Cheap(1976)


アンガス・ヤング擁するオーストラリアのハード・ロック・バンド AD/DCの1976年リリースのシングル。アトランティックと契約を結び、世界に乗り出し始めた時期の楽曲であり、同年の3rdアルバム『Dirty Deeds Done Dirt Cheap』のタイトルトラック&オープニングトラックでもあります。

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「パイソンの『ホーリー・グレイル』だよ!」
(下巻P306)

Monty Python and the Holy Grail - End Music


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映画『Ready Player One』
(2018)


http://wwws.warnerbros.co.jp/readyplayerone/

原作小説があまりにも情報量過多なので、映画版との相違点を挙げれば大小を問わず相当な数にのぼりますが、見事な映像化だったといえます。原作者のオタク性の良いところと悪いところを凝縮した原作を刈り込んで、万人にウケる2時間20分の娯楽作にみっちり仕上げてくるのはさすがスピルバーグだなと。小説と映画とで楽曲はほとんどかぶっておらず、双方に共通する楽曲はニューオーダーの「Blue Monday」とジェネレーションX/ビリー・アイドルの「Dancing with Myself」ですが、前曲は映画ではリミックスではなく12インチヴァージョンが使用されています。 また、劇中では流れませんでしたが、バグルスの「ラジオスターの悲劇」が名前だけ登場しました。音楽ネタとして大きな改変の部類に入るのは、RUSHの扱いでありましょう。小説では彼らのアルバム『2112』がある場面での重要なファクターとなっていましたが、映画ではトレイラー映像で「Tom Sawyer」が使われ、本編であるキャラが『2112』のTシャツを着ていて、あるシーンでRUSHのポスターが貼ってあります。最後に関しては、初見で発見するのはかなり難しいです。探してみてください。






レディ・プレイヤー1(ソング・アルバム)
サントラ ブライアン・グエン
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『READY PLAYER ONE Songs from the Motion Picture』

01. I Wanna Be Your Lover - Prince
1979年リリース。2ndアルバム『Prince』(1979)収録。

02. Everybody Wants To Rule The World - Tears For Fears
1985年リリース。2ndアルバム『Songs from the Big Chair(シャウト)』(1985)収録。

03. Just My Imagination (Running Away With Me) (Album Version) - The Temptations
1971年リリース。14thアルバム『Sky's the Limit』(1971)収録。

04. Stand On It - Bruce Springsteen
1985年リリース。シングル「Glory Days」B面。

05. One Way Or Another - Blondie
3rdアルバム『Parallel Lines(恋の平行線)』(1978)収録。1979年にシングルカット。

06. Can't Hide Love - Earth, Wind & Fire
ライヴアルバム『Gratitude(灼熱の狂宴)』(1975)収録。Creative Sourceの「You Can't Hide Love」(1973)のカヴァー。1976年にシングルカット。

07. Blue Monday (12" Version) - New Order
1982年リリース。

08. Stayin' Alive (From "Saturday Night Fever" Soundtrack) - Bee Gees
1977年リリース。『Saturday Night Fever: The Original Movie Sound Track』(1977)収録。

09. We're Not Gonna Take It - Twisted Sister
1984年リリース。3rdアルバム『Stay Hungry』(1984)収録。

10. You Make My Dreams Come True - Hall & Oates
9thアルバム『Voices(モダン・ヴォイス)』(1980)収録。1981年にシングルカット。

11. Pure Imagination - Bryan Nguyen feat. Merethe Soltvedt
トレイラー映像(Come With Me)で使用。映画「夢のチョコレート工場」(1971)でジーン・ワイルダーが歌った劇中曲のカヴァー。



「トレイラーに使用されたがCD未収録のロック/ポップス曲」

【コミコン版予告】
Tom Sawyer - Rush

【Official Trailer 1】
World in My Eyes - Depeche Mode
Jump - Van Halen

【Dreamer Trailer】
Take on Me - A-Ha(オーケストラアレンジ)


「劇中に登場したがCD未収録のロック/ポップス曲」

Jump - Van Halen
Walk This Way - RUN-DMC
Pump Up the Jam - Technotronic
Hungry Like the Wolf - Duran Duran
Dancing with Myself - Generation X
Sweet Dreams (Are Made of This) - Eurythmics
I Hate Myself for Loving You - Joan Jett and the Blackhearts
I Heard It Through the Grapevine - Marvin Gaye
Faith - George Michael

2018年4月24日火曜日

吟(BUSTED ROSE)『ポプテピピック ALL TIME BEST』(2018)

ポプテピピック vol.1(Blu-ray)
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http://hoshiiro.jp/

 当初は2017年10月放送予定だったものの、キングレコードの勘違いにより2018年1月から3月にかけて放送されたアニメ版ポプテピピック。いうなればクリエイターの魔窟。お金と手間をかけまくった観るグラインドコア。多重にヒネって繰り出されるネタを瞬時に把握する高度な脳処理能力が要求される誠によくできたクソアニメであり、なんだかんだで楽しんでみておりました。毎週のようにAC部の新作が拝めるとは。そしてシリーズ構成・シリーズディレクターのスペースネコカンパニーの青木純氏があの「将棋アワー」の作者だったとは。


ポプテピピック ALL TIME BEST
V.A
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 本作の主題歌・劇中曲・劇伴を一身に手がけた 氏は、フリーの作編曲家としての活動のほか、劇伴歴ではこれまで「この美術部には問題がある!」「アホガール」「ツインエンジェルBREAK」を手がけてこられた人。その来歴はユニークであり、そしていまだに謎の多い人です。BUSTED ROSEの公式サイトにかつて掲載されていたバイオグラフィには、幼少のころにピアノやヴァイオリンを学び、その後R&Bやヒップホップのフィールドでトラックメイカーとして活動したのち、ヘヴィ・ロック系バンドを結成。一時期は音楽を辞めて渡米されていたのだそうな。ちなみに、吟氏のsoundcloudアカウントにはオリジナル曲がいくつも上がっているほか、2014年にサンレコ誌で企画されたTHE HIATUSの「Thirst」の公式リミックスコンテストに応募された際の音源も聴くことができます。

http://bustedrose.com/


 ポプテピピックの音楽は、最初は50曲制作の予定だったところ、気が付いたら100曲以上制作するハメになっていたとのこと。主題歌や劇中曲もふくめ、これだけ多種多様なオーダーという名のムチャぶりを短期間でやり遂げられた吟氏に頭が下がります。制作はまさに自分との戦いだったそうで「クソさ加減を引き立たせるために、逆に真剣というか。やれることは全部やりたいと思って取り組みました」《TV Bros.》2018年2月10日号インタビューより)。DISC 1にはスコア、DISC 2には劇中曲のフルサイズ&複数ヴァージョン、DISC 3には劇中曲のインストゥルメンタル版、別ヴァージョンをそれぞれ収録。アース・ウインド&ファイアー「Let's Groove」のパロディであり、英語風の辛辣な日本語詞を歌う「LET'S POP TOGETHER」は改めて高い完成度だし、「Twinkling star」「POPPY PAPPY DAY」「貴方に伝えたいコト」はフルサイズで聴くとより素晴らしい(前2曲はどちらもいい感じのギターソロが盛り込まれている)。「POPPY PAPPY DAY」のSTEPPENWOLF「Born to be Wild」感あふれるRoute66 Mixや、8bitアレンジも技アリです。ゴスペルソング「Hail Holy Queen」風の仕立てだが歌詞がめちゃくちゃ挑発的な「心の大樹」、可愛らしい児童音楽からいきなりシャウトを叩きつけるヘヴィロックに豹変する「おねんねコンちゃん」はもう……びょうきじゃん?





 DISC 1には78曲のスコアが収録されておりますが、改めて傍若無人のパロディまみれです。とりとめなく書き出してみると。「1.キングレコードの勘違い」は、2017年8月にポプ子とピピ美の着ぐるみが宣伝カーに乗って都内各所を回っていたときの3か月テレビ放送延期を伝えるアナウンス音声。「3.あんた、名は。」はRADWIMPS「前前前世」のイントロのパロディ。「4.広場」はクロノトリガーのBGM「ガルディア王国千年祭」のパロディ、途中の合いの手が赤ちゃんの声になっているという、ちょっとしたヒネりがあります。「8.冒険の幕開け (Part1)」ポケットモンスター赤・緑のBGM風(「オーキド研究所」?)、「9.冒険の幕開け (Part2)」はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの劇中曲であるREDBONE「Come And Get Your Love」のパロディ。「11.ザ・エンド」はスーパーマリオワールドの「地上BGM」のパロディ。スティールパンの音色までバッチリ。ティボ・トレスカ氏がアニメーションを担当されたパート「JAPON MiGNON」のスコアである「12.Made in Paris(Part1)」「13.Made in Paris(Part1)」は、もしかすると「メイドインアビス」にもタイトルをひっかけているのかもしれません。メイドインアビス第12話のエンドカードにおいて秋アニメの覇権をとるためにポプ子とピピ美に連れていかれたナナチは2018年3月25日に帰ってきましたが、こんなところに残滓が……。


「15.江戸川ブリッジの死闘」の曲名はファイナルファンタジーVの「ビッグブリッヂの死闘」のタイトルパロディ。楽曲展開の前半はヴァルキリープロファイルのBGM「未確認神闘シンドローム」風で、後半はサガフロンティアのBGM「Battle #4」風。植松伸夫・桜庭統・伊藤賢治の多重パロディという、ある意味贅沢な1曲になっています。「20.ピピPのテーマ」は使用されたパートが「プロフェッショナル 仕事の流儀」のパロディなので、kokua「Progress」のパロディ。「22.レゲエファン」はロックマンXのBGM「Demo」が元ネタと思われます。ちなみにここ、シーンの絵面はロックマンXの終盤のVAVA戦後なのですが、「あしたのジョー」と「パンチアウト!!」の二重パロディ(丹下段平似の黒人トレーナーと矢吹ジョー似の緑パンツ&グローブのボクサー)をやっていて、なおかつレゲエとレゲー(レトロゲーム)のダブルミーニングという情報過多っぷり。ついでにいうとジャパニーズレゲエファンはライヴでタオルを回すのが定番となっております。「27.不敗神話」は頭文字Dのパロディゆえユーロビート調。「33.Adventure (Part1)」「34.Adventure (Part2)」はスペランカーのミス時のジングルとゴースト出現時のジングルのパロディ。「37.無題」はミッキーマウスの短編映画「蒸気船ウィリー」のパロディ。「40.ポプテピクッキング」NHK「きょうの料理」のテーマのパロディ。元曲はマリンバですが、こっちはスティールパンです。「41.ステージセレクト」は、くまのプーさんのホームランダービー!のメインBGMのパロディ。「42.激闘」はわずか8秒のスコアですが、ロマンシング・サガ ミンストレルソングのBGM「ナイトハルトのテーマ」のイントロ部のパロディじゃないでしょうか。イッテゾン・ちえこのテーマである「43.一手損」は、元ネタであるブルゾンちえみのコントに使用されているオースティン・マホーン「Dirty Work」のパロディです。

「47.Baby」は布袋寅泰「Thrill」のパロディ。ベビベビベビベビベビベビ。「48.激突」はSFC版マリオカートのBGM「マリオサーキット」のパロディ。「49.サクリファイス (Part1)」ポケットモンスター赤・緑「戦い(VS.野生ポケモン)」のパロディ。「50.サクリファイス (Part2)」は聖剣伝説3のBGM「Three of Darkside」のパロディ。「51.サクリファイス (Part3)」まであるのですが、おそらくこれは聖剣伝説3のラスボス戦BGM「Sacrifice」がパート3まであることにも絡めたネタになっていると思われます。「53.最強の二人」は火曜サスペンス劇場のアイキャッチ風。数回しつこく繰り返してくる。「54.ポプ死す」仁義なき戦いのメインテーマの印象的なトランペットのハイトーンのパロディ。「56.奇跡とダンスを」はVAN HALEN「Jump」のパロディ。「60.銀座ホステス探偵」は再び火曜サスペンス劇場のアイキャッチ風。「64.ポプテ~ん」は、ぷよぷよ通のBGM「すばやくてゴワイ」のパロディ。第11話の特殊OP「67.エイサイハラマスコイ踊り」はOP主題歌「POP TEAM EPIC」の間奏パート。シャイニングのパロディパートで流れた「69.エスニング」の曲調は、映画のエンディングで流れたアル・ボウリー&レイ・ノーブル楽団のジャズナンバー「Midnight, the Stars and You」風。「70.全て良し」は「POP TEAM EPIC」のトイミュージックアレンジ。「71.Pop Team Epicimson」「72.TOMOGASHIMA」「73.赤い扉」「74.Pop Team Epicimsonを手に入れた」はいずれもデスクリムゾンのBGMのかなり忠実なパロディ。なお友ヶ島はデスクリムゾンのロケ地としても有名。78曲中4曲がデスクリムゾンのパロディということになりますが、これは割合的にみて快挙ではないでしょうか!? 第12話のスペリオルドラゴンパロディパートに使用された「77.合身」はそのままOVAのSDガンダム外伝のBGM「大決戦」のパロディ。なおオリジナルのサントラは長らくプレミア化しており入手困難です。「78.次回予告」「66.次回予告 (オルゴールMIX)」は「Twinkling star」のアレンジ。

 かようにしてパロディまみれのスコアですが、吟氏の「純粋なオリジナル曲」の存在感にも注目したいところ。第1話でポプ子が家から飛び出すシーンで流れた「2.出会い」(部分的に「POP TEAM EPIC」のアレンジ)、第3話で流れた壮大なクワイアコーラス入りのシリアスな「21.クローンポプちん量産計画」、第6話で流れたEDMチューン「44.億千万京兆のテーマ」は氏のお気に入りの曲だそうです(《アニメージュ》2018年4月号インタビューより)。また、やたらとヘヴィな「19.朝(夜)」放送開始前の予告PVでも使用されていた曲。この激烈なシャウトは X Made Alcoholic Santaclaus(XMAS)のKEI氏によるもの。ギターのレコーディングメンバーにクレジットされている浦千晃氏(ex. Dogma)、偉町大介氏(ReVision of Sence)もラウド・ロック・バンドの出身であり、非常にテンションの高いヘヴィ・デジロックに仕上がっている「26.Anything Goes」などで存分に腕が振るわれています。藤田淳之介氏の情感たっぷりなサックスが吹き込まれた「62.鈍器一発」も忘れ難い1曲です。


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『ポプテピピック ALL TIME BEST』
[KICA-2526~8|King Records|2018.03.28]


【DISC1】

1. キングレコードの勘違い
2. 出会い
3. あんた、名は。
4. 広場
5. サバンナ
6. 炸裂弾
7. 好いとーよ
8. 冒険の幕開け(Part.1)
9. 冒険の幕開け(Part.2)
10. 委員会
11. ザ・エンド
12. Made In Paris(Part.1)
13. Made In Paris(Part.2)
14. 異次元遊戯ヴァンヴー
15. 江戸川ブリッジの死闘
16. 批判は何も生まれない
17. クソみくじ
18. ご飯の時間
19. 朝(夜)
20. ピピPのテーマ
21. クローンポプちん量産計画
22. レゲエファン
23. 初見殺し
24. お便り
25. SWGP2018
26. Anything Goes
27. 不敗神話
28. サーキットの狂犬
29. 魔王
30. 壁ドン
31. 緊迫
32. 歓喜
33. Adventure(Part.1)
34. Adventure(Part.2)
35. Enemy Is Dead
36. メリーさん
37. 無題
38. イモ☆ヨバ
39. Children Of Destiny
40. ポプテピクッキング
41. ステージセレクト
42. 激闘
43. 一手損
44. 億千万京兆のテーマ
45. PP1000
46. ココニイルヨ
47. Baby
48. 激突
49. サクリファイス(Part.1)
50. サクリファイス(Part.2)
51. サクリファイス(Part.3)
52. 綱走刑務所
53. 最強の二人
54. ポプ死す
55. Heaven Or Hell
56. 奇跡とダンスを
57. Breakin’ Out
58. Central Park
59. 彼女達が教えてくれたこと
60. 銀座ホステス探偵
61. 真実はたぶん一つ
62. 鈍器一発
63. 1964
64. ポプテ~ん
65. Fever Time
66. 次回予告(オルゴールMIX)
67. エイサイハラマスコイ踊り
68. 呪館
69. エスニング
70. 全て良し
71. Pop Team Epicrimson
72. TOMOGASHIMA
73. 赤い扉
74. Pop Team Epicrimsonを手に入れた
75. 竹書房爆破のテーマ
76. KING OF KINGRECORDS
77. 合身
78. 次回予告


【DISC2】

1. Twinkling star
(歌:ドロップスターズ…星降そそぐ、月野しずく、夕陽ころな[CV:小倉唯、水瀬いのり、上坂すみれ])

2. POPPY PAPPY DAY(女性ver.1)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

3. POPPY PAPPY DAY(男性ver.1)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

4. 恋して ポプテピピック(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

5. 恋して ポプテピピック(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

6. オリコうんナンバーワン(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

7. オリコうんナンバーワン(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

8. 売れたいモンキーズ(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

9. 売れたいモンキーズ(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

10. LET’S POP TOGETHER(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

11. LET’S POP TOGETHER(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

12. POPPY PAPPY DAY(Route66 Mix 女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:牧野由衣]&ピピ美[CV:渡部優衣])

13. POPPY PAPPY DAY(Route66 Mix 男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:赤羽根健治]&ピピ美[CV:武内駿輔])

14. POPPY PAPPY DAY(8Bit Mix)

15. POPPY PAPPY DAY(女性ver.2)
(歌:ポプ子[CV:五十嵐裕美]&ピピ美[CV:松嵜麗])

16. POPPY PAPPY DAY(男性ver.2)
(歌:ポプ子[CV:増田俊樹]&ピピ美[CV:羽多野渉])

17. 人生(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:五十嵐裕美]&ピピ美[CV:松嵜麗])

18. 人生(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:増田俊樹]&ピピ美[CV:羽多野渉])

19. 貴方に伝えたいコト
(歌:星降そそぐ[CV:小倉唯])

20. 心の大樹(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:五十嵐裕美]&ピピ美[CV:松嵜麗])

21. 心の大樹(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:増田俊樹]&ピピ美[CV:羽多野渉])

22. おねんねコンちゃん(女性ver.)
(歌:ポプ子[CV:五十嵐裕美]&ピピ美[CV:松嵜麗])

23. おねんねコンちゃん(男性ver.)
(歌:ポプ子[CV:増田俊樹]&ピピ美[CV:羽多野渉])

24. POPPY PAPPY DAY(蒼井翔太ver.)
(歌:蒼井翔太[CV:蒼井翔太])


【DISC3】

1. Twinkling star(instrumental)
2. POPPY PAPPY DAY(instrumental 女性ver.)
3. POPPY PAPPY DAY(instrumental 男性ver.)
4. 恋して ポプテピピック(instrumental 女性ver.)
5. 恋して ポプテピピック(instrumental 男性ver.)
6. オリコうんナンバーワン(instrumental)
7. 売れたいモンキーズ(instrumental)
8. LET’S POP TOGETHER(instrumental)
9. POPPY PAPPY DAY(Route66 Mix instrumental 女性ver.)
10. POPPY PAPPY DAY(Route66 Mix instrumental 男性ver.)
11. 人生(instrumental)
12. 貴方に伝えたいコト(instrumental)
13. 心の大樹(instrumental)
14. おねんねコンちゃん(instrumental)
15. POPPY PAPPY DAY(instrumental 蒼井翔太ver.)

【BONUS TRACK】
16. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-1)
17. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-2)
18. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-3)
19. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-4)
20. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-5)
21. POPPY PAPPY DAY(TV SIZE 女性ver.2-6)
(歌:ポプ子[CV:五十嵐裕美]&ピピ美[CV:松嵜麗])

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「Twinkling star」
「POPPY PAPPY DAY」
「オリコうんナンバーワン」
「売れたいモンキーズ」
「人生」
「貴方に伝えたいコト」
作詞・作編曲:吟(BUSTED ROSE)


「恋して ポプテピピック」
「LET’S POP TOGETHER」
「おねんねコンちゃん」
作詞:当真一茂(UchuPeople)/作編曲:吟(BUSTED ROSE)


「心の大樹」
作詞:大川ぶくぶ/作編曲:吟(BUSTED ROSE)

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Sound Produced & Directed by 吟(BUSTED ROSE)

菅谷詩織(piano, keyboards)
浦千晃(guitar)
偉町大介(guitar)
大房隼(bass)
Agasa K(bass)
海老原諒(drums)
神田リョウ(drums)
ミト充(drums)
小寺里菜Strings(strings)
高木美里(flute, piccolo)
阿部加奈子(clarinet)
織田祐亮(trumpet, trombone)
藤田淳之介(saxophone)
柴香山(尺八)
佐咲かすみ、KEI(XMAS)、綛田乃唯(chorus)
上田真澄(whistle)

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2018年4月21日土曜日

Yamantaka // Sonic Titan『Dirt』(2018)



“ PSYCHEDELIC NOH(能) WAVE OPERA FROM THE BEAST ASIAN DIASPORE ” を標榜し、サイケ、フォーク、ポップ、メタル、シューゲイザー、プログレ、ノイズ、仏教思想、漫画・アニメ、中国戯曲、歌舞伎などを織り込んだ音楽性を展開する、カナダ・モントリオールの「ヤマンタカ // ソニック・タイタン」(YT//ST)。中国とアメリカの血を引くアラスカBと、日本とスコットランドの血を引くルビー・カトー・アトウッドの二人を中心として2007年に結成された「Lesbian Fight Club」がやがてYT//STに発展し、2011年にアルバム『YT//ST』でデビュー。2013年には媽祖(道教における航海の守護神)をテーマにしたコンセプトアルバム『UZU』をリリース。一方で、2012年にはKlei Entertainment開発のニンジャアクションゲーム「Mark of the Ninja」エンディングテーマを提供し、2016年にはトロントのDrinkbox Studios開発による異色RPG「セヴァード(Severed)」サウンドトラックを、フィリピン系カナダ人女性からなるカリンタン(民俗打楽器)アンサンブル PANTAYOと競作しています。YT//STはバンドというよりも一種のアート・クリエイティヴ集団という面が強く、メンバーは流動的です。2015年にはギタリストのジョン・アンチェタ(2011年加入)と、オリジナルメンバーでありヴォーカルのアトウッドが脱退するものの、新たにギタリストのヒロキ・タナカ、スラッジ・パンク・バンド HSYのベーシストであるブランドン・リム、そしてPANTAYOのメンバー ジョアンナ・デロス・レイエスをヴォーカルに迎えて現行ラインナップとなりました。





 スタジオアルバム第三作となる『Dirt』のレコーディングは2015年から2016年にかけて行われており、PANTAYOのキャット・エスタシオ、カトリーナ・エスタシオがカリンタンの演奏で参加していることからも、時期的には「Severed」のサントラ制作と重なっていたものと思われます。アルバムコンセプトは「ホデノショニ連邦と仏教徒をテーマとした1987年制作の未発表アニメーションの架空サウンドトラック」。一万年後の未来、架空の地「Pureland」が大洪水に見舞われ、生き残った人々は軌道上に浮かぶバブルドームでの生活を余儀なくされていた。やがて、腐敗していない土壌を探し求めて傭兵団が結成され、崩壊後の世界へと降りたっていく――というポスト・アポカリプティックなストーリー。




 前作『UZU』はスケジュール面など様々な制約があったとのこと。それだけに本作にかけられた意欲もひとしおだったのでしょう。過去二作をさらに凌駕するヘヴィなテーマとサウンドで迫ります。轟音アンサンブルとコーラスによるイントロダクション「Karonhiake」に始まり、カリンタンの厳かな音色と浮遊感あふれるヴォーカルが紡ぎ出す夢見心地のムードを、やがて力強いバンドサウンドがゆっくりと突き破ってゆく「Someplace」。ギンギンに歪ませたベース&ギターのヘヴィメタリックなリフが高らかなヴォーカルとテンションを高め合う「Dark Waters」「Yandere」ではグネグネとしたうねりを伴ったプログレッシヴ・ハードロックサウンドと、ふいに顔を出す爽やかなメロディラインがヤンデレ的な二面性を表現しているともいえます。ズルズルとしたドゥーミーなサウンドと浄化をもたらすかのようなヴォーカル/コーラスによる「The Decay」もある意味で二面性をうかがわせる仕上がり。「Beast」は「Severed」サントラの作風にも通じるオリエンタルな空気を濃密にまとったミクスチャーサウンド。プログレ的キーボードソロが、悲鳴のようなシャウトが、ホーンセクションが混然となっています。強迫的なドゥーム/スラッジメタルとなってこれでもかと容赦なく攻め立てる「Hungry Ghost」「Dirt」でその緊張感は最高潮に達します。破滅的な様相は「Tawine」「Out of Time」のラスト二曲においても拭い去ることができず、本作のストーリーが悲劇的結末を迎えるであろうことを予感させます。最後まで不穏さと緊張感が途切れることなく、そして予定調和で終わらないトータルアルバムとして存分に気が吐かれています。




https://www.yamantakasonictitan.com/
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https://www.youtube.com/channel/UCmPD2I1ZPTLT-B0E5XEGclg


Dirt
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Yamantaka // Sonic Titan
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「First Play: Yamantaka // Sonic Titan, Dirt」
(from CBC Music|2018.03.15)

「Yamantaka // Sonic Titan Brace for Impact on 'Dirt'」
(from exclaim!|2018.03.23)

「Yamantaka // Sonic Titan are tired of the "maelstrom of confusion” that follows them」
(from Newtronto|2018.03.23)


YAMANTAKA // SONIC TITAN & PANTAYO『Severed OST』(2016)