2018年12月2日日曜日

WARKINGS『Reborn』(2018)

Reborn
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Warkings
Napalm (2018-11-16)
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 HAMMERFALL、ALESTORM、GLORYHAMMER、POWERWOLFなどを擁し、脂ののったリリースで気を吐いているオーストリアのヘヴィ・メタル・レーベル NAPALM RECORDSが新たに仕掛ける新鋭メタルバンド WARKINGSが11月16日付でデビューフルアルバム『Reborn』をリリースしました。主神オーディンの導きによって編成された、ローマ護民官(ウォー・チャント=ヴォーカル担当)、スパルタ兵(ウォー・ドラム=ドラムス担当)、十字軍兵(スティールウイング=ギター担当)、ヴァイキング(バトルアックス=ベース担当)の4人からなる混成軍であり、8月下旬に公式アカウントでアーティスト写真のシルエットが、次いで各メンバーの30秒ほどのショートフィルム(いずれも戦いに敗れ死を迎えたことをほのめかすもの)が順次公開されていました。そしてそれはアルバムタイトルの『Reborn』につながります。





 ヴィジュアルの時点で圧倒的な「強さ」をアピールしていますが、サウンドもHELLOWEEN、GAMMA RAY、MANOWARなどの影響を感じさせる、ドが3つつく正統派メロディック/エピック・パワーメタル。「俺はグラディエーター」と高らかに歌い上げる「Gradiator」のサビのメロディラインがモロにマイティ・モーフィン・パワーレンジャーの主題歌「GO GO Power Rangers」のそれなのだけれども、先史時代生まれのドイツのジュラシック・パワーメタル・バンド VICTORIUSといい、てらいなくパワーレンジャーを引用するメタルバンドが今年2つ観測されたのはちょっとしたシンクロニシティだなと。





 いきなり出てきたバンドとは思えないほどにサウンドも演奏も堂に入っているのは、やはりヴァルハラ還りの歴戦の勇士というキャリアが成せるものなのか……。それもそのはずで、タネを明かすと護民官の正体はNAPALM RECORDSからアルバムをリリースしているSERENITYのゲオルグ・ノイハウザーです。SERENITYと同様のヴォーカルパフォーマンスであること、「Gradiator」のMVの最後でSERENITYの「Lionheart」「United」のプロモーションが挟んであることがヒントになっています。残る3人のウォリアーの正体は不明ですが、同じくNAPALM RECORDSがらみのバンドのメンバーである可能性は高いのではないかと。また、「Sparta」にフィーチャリング参加している〈Queen of the Damned〉なるヴォーカリストの正体はRAGE OF LIGHTのメリッサ・ボニーです。「強くてニューゲーム」状態が約束されたコンセプトバンドとして今後どのように展開していくのか、NAPALM RECORDSの手腕の見せどころでしょう。




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