2018年9月29日土曜日

ミステリマガジン2018年11月号に、「ルパン・コミカライズの世界」を寄稿いたしました



 9月25日発売のミステリマガジン2018年11月号に、「ルパン・コミカライズの世界」を寄稿いたしました。2000年以降に発表された漫画版アルセーヌ・ルパン作品のガイドです。JET『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 八点鐘』、森田崇『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』、さいとうちほ『VSルパン』、岩崎陽子『ルパン・エチュード』の4作品を中心にとり上げています。


【ミステリマガジン2018年11月号目次】
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VSルパン 1 (フラワーコミックスアルファ)
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ルパン・エチュード(1)(プリンセス・コミックス)
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 原典のアルセーヌ・ルパン シリーズで個人的に好きな作品を3つ挙げるなら『棺桶島』『八点鐘』『バーネット探偵社』ですね。『棺桶島』は孤島の伝説や「神の石」など物々しい雰囲気満載の伝奇チックな長編で最高。『八点鐘』はミステリ短編集としてもロマンスとしても珠玉。『バーネット探偵社』はルパンが探偵としてふるまう軽妙洒脱な短編集でイカします。番外だと『綱渡りのドロテ』を挙げたいです。ルパンは一切登場しないのだけれども、「カリオストロ4つの謎」のうちの一つが明らかになるのが同作。内容の痛快さやエンタ―テインメント性は抜群だし、エンディングも爽やかな冒険活劇です。





 また、同号には音楽コラムの第3回「音楽界の“ファントマ”」も掲載されております。今回は、異才 マイク・パットンの悪巧みプロジェクトの一つ「Fantômas/ファントマス」について書いています。同バンド名の由来は怪人ファントマ。アルセーヌ・ルパンが「アルセーヌ・ルパンの逮捕」で初登場したのは1905年、ファントマの小説第一作が刊行されたのは1911年なので、ほぼ同時代のキャラクターともいえます。ただ、ファントマは義賊ではなく荒唐無稽な極悪人です。ちなみに、1909年には怪盗ジゴマやオペラ座の怪人の小説連載も開始しているので、当時のフランスはいわば怪人・アンチヒーローのデパート状態ですね。また去年、ファントマ原作小説第一巻の「完訳版」が風濤社から刊行されたので要チェックですよ。
http://futohsha.co.jp/books/fnovels/nfantomas.html


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《ルパン・コミカライズの世界 補足》















《過去記事》
ミステリマガジン2018年9月号に、ミステリ&音楽コラム第2回「Ghost and Osiris」を寄稿いたしました

ミステリマガジン2018年7月号《おしりたんてい&バーフバリ特集》に「バーフバリ音楽ガイド」を寄稿しました&同号よりコラム新連載を始めます

エイドリアン・マッキンティ『コールド・コールド・グラウンド』のレビューを早川書房公式noteに寄稿いたしました

ミステリマガジン2018年1月号「特集:ミステリが読みたい!」に、2017年周辺ジャンル総括記事を寄稿しました

ミステリマガジン2017年11月号「幻想と怪奇 ノベル×コミック×ムービー」にコラムを三本 寄稿いたしました

ミステリマガジン2017年9月号「シャーロック・ホームズ & コリン・デクスター」特集にディスクガイドを寄稿いたしました

ミステリマガジン2017年7月号特集「このミステリ・コミックが大好き」のコミックガイドに参加&コラムを寄稿いたしました

ミステリマガジン2017年5月号【北欧ミステリ特集】に「北欧ミステリDISC SIDE A&B」を寄稿いたしました