2017年11月24日金曜日

Opposite Day『I Calculate Great』(2017)

 グレッグ・ヤンシー(bass, vocal)とサム・アーノルド(guitar, vocal)の二人を中心として2001年にテキサス・オースティンで結成された、「動物のための教育的アートロック」を標榜するミクスチャー・プログレ・バンド オポジット・デイ。マドンナを筆頭に、PRIMUSやFAITH NO MORE、スティーリー・ダン、エイドリアン・ブリューなどを音楽提供元として挙げ、バイオグラフィには「動物、歴史、安全性、マドンナの80'sヒット、宇宙怪物たちは、フリーキーなリフとジャズのハーモニーとポップなフックと高速でシコるようなインストと合理的で熱心的な感情とシリアスなヘヴィネスとともにケンカしていたが、次第に彼らは戦っていたことも忘れ恋に落ちて家族となり子を授かり、OPPOSITE DAYと名付けられた」とあり、相当に人を喰っております。しかしながら、プログレ&ポップ&メタル&エキゾチカ&ファンク&ヒップホップ&Sci-Fiのエッセンスが入り混じった「ジグソーパズル・アートポップ」サウンドは一筋縄ではなく、ジャンルのタガを外しながらもフックまみれで、とことん人懐っこいサウンドが最大の武器であります。




 2016年にドラマーが交代しているものの、デビュー時から一貫してトリオスタイルを崩さず、自主制作でこれまでに10枚以上のアルバムやEPを発表。ここ数年のリリースでは、ビルマ、モンゴル、中央アジアのエッセンスを採り入れた「Mandukhai」(2010)、Sleepytime Gorilla Museumのダン・ラスバンをコ・プロデューサー/ミキサーに迎えた「Space Taste Race Part 1」(2013)の二枚のEP。敬愛するマドンナのグレイテストヒッツ『The Immaculate Collection(ウルトラ・マドンナ)』(1990)を全く同じ曲順で全曲カヴァーしたフリーダウンロードアルバム『Unlike a Virgin』(2012)。「トロン」「月世界旅行」へのトリビュートを含んだ『Reindeer Flotilla』(2012)、『Space Taste Race Part 2』(2015)があり、様々なネタを仕込んでいます。また、サム・アーノルドは並行してソロプロジェクト(Sam Arnold and the Secret Keepers)も展開しており、まさに汲めども尽きぬクリエイティビティ。




 即興ライヴレコーディング作『14 mics, 0 plans, volume 1』に続いて、2017年二枚目のリリースとなる『I Calculate Great』は、プログレメタルとファンクの影響を要とした一作。ファンキーなベース、端正なドラムのビート、ねじくれたリフが三位一体でキャッチーなハーモニーを成す「Radar Face」「Panda Formula」、音の厚いDEVOとでもいいたくなるようなパンキッシュでヘヴィなリフで押す「Rules are Rude」。プログレッシヴ・メタル、マスロックの様式にのっとった中盤の「Making Tornadoes」「Do Over Utopia」「All of Our Mission」は、いずれもこのバンドのリフワークの良さを知らしめる仕上がり。デヴィッド・ボウイの「Life on Mars?」のカヴァーは、とびっきりヘヴィでポップな仕上がり。そしてラストナンバーはまさかのラヴェルのボレロ。こちらはマス・ポップ調なアレンジが施されており、つくづく自分たちの曲に昇華するのがうまいなと感じさせる好カヴァーです。




http://oppositeday.com/
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