2017年8月30日水曜日

ボイアルド『恋するオルランド』(1494) 私的要約(縮約)版




 マッテオ・マリア・ボイアルドによる中世騎士物語であり、“シャルルマーニュ伝説”の二次創作といえる『恋するオルランド』(1494)の精読と要約を気が向いたときにやっていました。ツッコミどころもたっぷりあるのだけど、よくできた群像劇であり、オルランドの最強脳筋ウォリアーぶりも物語の一種のスパイスとなっていて面白く読めます。また、第一巻でリナルドが「嫌悪の泉」の水を飲んだことでアンジェリカを拒絶し、アンジェリカが「愛の泉」の水を飲んだことでリナルドに焦がれるという図式が、第二巻の終盤で真逆になる(そしてそのまま『狂えるオルランド』に持ち越される)という趣向は、まことにエンタメだなと思うんですよ。


【参考】

①「Internet Archive」

イタリアの詩人フランチェスコ・ベルニ(1497 or 1498 - 1535)による改稿版を、イギリスの詩人・翻訳者・議員のウィリアム・スチュワート・ローズ(1775 - 1843)が1823年に英訳(抄訳?)したテキストがInternet Archiveにあります。完全にストーリーを知るとなると原語版にあたるしかないのだけども、イタリア語は読めないので……。


②「馬虎書房」
http://ayutori.web.fc2.com/index.html
http://ayutori.web.fc2.com/orland/orland.0.html

 ヤナギゆとりさんのサイトに①の日本語訳がすべて載っております。第一章を19パート、第二章を17パート、第三章を6パートに分けてストーリーを訳されており、わかりやすく、また大変な労作です。ほかにもアルフレッド・テニスンの翻訳や、ジョフリー・オブ・モンマスの『マーリンの生涯』、14世紀に書かれた騎士物語で、ガウェインの息子を主人公にした『リベアウス・デスコヌス』の全訳などもあり、ぜひともサイトを訪れてみてください。


③トマス・ブルフィンチ『シャルルマーニュ伝説』(市場泰男訳)

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 ダイジェストでの紹介(ブルフィンチによる脚色もけっこう入っている)。『恋するオルランド』についての章は第一章~第五章まで(しかし第五章は第二巻の前半部分のストーリーをかなりはしょっている)。



【書誌情報】

すべて市場泰男氏の訳によるものです。

社会思想社 ・現代教養文庫(1994年)
文元社・教養ワイドコレクション(2004年)
講談社学術文庫(2007年)


■シャルルマーニュ伝説 中世の騎士ロマンス
(上記のオンデマンド版/版元はインタープレイ)


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《電子版》
二種類ありますが、どちらも内容は同じ。

現代教養文庫ライブラリ

■シャルルマーニュ伝説(上・下)kindle版【インタープレイ】






■シャルルマーニュ伝説 Kindle版【グーテンベルク21】

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★そのほか、チャールズ・スタンリー・ロスによる英訳(要約)版(2004年/Parlor Press)があるようです。いずれ入手したいものです。

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【『恋するオルランド』雑なキャラクター紹介】

シャルルマーニュ: えらい人。
オルランド(ローラン): 最強の脳筋。
リナルド(ルノー・ド・モントーバン): シャルルマーニュの妹の子。オルランドのいとこ。苦労人。
マラジージ: シャルルマーニュに仕える魔法使い。
アストルフォ: おっちょこちょいの美男子。本作では途中退場する。
ブランディマル(フロリマール): 苦労人。オルランドの親友となる存在。
ガノ(ガン/ガヌロン): シャルルマーニュに対し邪心を抱く。イスカリオテのユダ的存在。
アンジェリカ: 契丹(古代中国)の姫。ヒロイン。
ブラダマンテ: シャルルマーニュの妹の子。リナルドの妹。
ルッジェーロ: トロイアのヘクトールの血統を受け継ぐ騎士。『狂えるオルランド』における主役。
マルフィーザ: ルッジェーロの双子の妹。
モルガーナ: 魔女。男を誘惑する。
アルシーナ: モルガーナの姉妹。男を誘惑する。
グラダッソ: セリカン(古代中国)の王。名剣や名馬をほしがる。ほしがり王。
アグリカン: タタールの王。アンジェリカをめぐってオルランドとやり合い、死ぬ。
アルガリア: すぐ死ぬ。
フェッラウ: 荒くれKNIGHT。つよい。
マルシリウス: スペイン王。


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『恋するオルランド』



【第一巻】


 グラダッソはオルランドの所有する剣、ドゥリンダナ(デュランダル)と、リナルドの所有する馬、バイアルド(バヤール)を欲しがっており、一万五千の騎兵とともに遠征を開始した。一方、シャルルマーニュは馬上槍試合を開催して各地から強者を募り、王や上級貴族、騎士たちが続々と集う。巨男のグランドニオ、サラセン人のフェッラウ、バルガンテ王、などなど……。

 騎士アルガリアと美女アンジェリカの姉弟は、人々に「マーリンの階段」での試合をもちかける。リナルドの近縁の魔法使いマラジージは、姉弟たちの秘めた思惑を感じ取り、アンジェリカの計画を挫こうとするが、彼女の身に着けていた指輪が魔法を無効化してしまい、アルガリアにぶちのめされた。その後、契丹のガラフロン王によって地下牢に投獄される。

 一方、パリではオルランドが「マーリンの階段」での挑戦権を主張。挑戦者たちはくじ引きで順番を決め、第一番目の権利はアストルフォが、第二番目の権利はフェッラウが、第三番目の権利はグランドニオが得る。オルランドは第三十数番目となり、大いに憤慨する。壮麗だが自信過剰のアストルフォはアルガリアと対峙するが、あえなく一発で落馬。続いてフェッラウが挑戦するも、やはり一発で落馬。だがフェッラウはしつこく試合の継続を主張したので、彼の粗暴さと醜さに心底うんざりしたアンジェリカは、弟に時間稼ぎをたのみ、森へと姿を消した。フェッラウ、リナルド、オルランドは、それぞれに消えた彼女を追いかける。


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 トーナメントの準備をすすめるシャルルマーニュ。アストルフォは入場時に落馬し、足を挫く。巨人グランドニオはその剛腕で次々と相手を打ち破り、シャルルマーニュは苦い顔をする。アストルフォはシャルルマーニュにグランドニオと対戦する旨を伝えると、武装して競技場へと赴く。アストルフォは自らの持つ槍の力で奇跡的にグランドニオを落馬させることに成功する。試合場に遅れてやってきたガノが、トーナメントをやめる旨を提案するが、アストルフォはそれを拒否。ガノをはじめ、次々と落馬させる。それによって周囲の顰蹙を買ったアストルフォはシャルルマーニュの命令により投獄されてしまう。

 アンジェリカを追うフェッラウ、リナルド、オルランドの三人のうち、アーデンの森に最初にたどり着いたのはリナルドであった。彼は美しい泉を発見すると、その水を飲む。だが、ここは昔、賢者マーリンがイゾルテへの悲恋に苦しむトリスタンのためにつくった泉であり、リナルドは泉の魔力によって、乙女への愛が消え去ってしまった。ふたたび歩を進めると、目の前にまた泉が広がっていた。水はもう飲みたいとは思わないが、泉の縁で一眠りすることにした。しばらくすると、泉にアンジェリカが訪れる。彼女は喉の渇きを潤すため、泉の水を飲む。この泉は、さきほどの泉とは真逆の性質をもっていた。縁で眠っていたリナルドを目にしたアンジェリカに、彼への愛が芽生える。やがてリナルドは目覚めるが、彼女に対しては嫌悪の情しか持たない。

 しばらくのち、フェッラウが森にたどり着く、木陰で眠るアルガリアを発見した彼は、一泡ふかせようと、彼の馬を放す。やがて目覚めたアルガリアにフェッラウは決闘を仕掛ける。フェッラウはアルガリアの鎧の隙間から心臓を貫いた。命脈尽きたアルガリアはフェッラウに、自分の鎧を川に投げ込むよう頼み込む。フェッラウはその願いを聞き入れる。

 そうしてオルランドが森に到着し、眠るアンジェリカを発見する。そのとき、フェッラウも同じ場所にたどり着く。たちまち決闘が始まるが、アンジェリカはその間にこの場を去る。決闘は白熱するが、フロルデスピナ(Flordespina)の近親者であるという一人の乙女が馬を駆って登場し、中断される。彼女はフェッラウに、スペインがセリカン王グラダッソの侵略を受けており、バレンシアが荒廃し、アラゴンが破壊され、バルセロナが包囲された状態にあるということで、即時帰還するよう求めた。フェッラウはオルランドとの決闘を休戦し、フロルデスピナとともに一路スペインへ向かった。


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 シャルルマーニュはオルランドを呼び戻すことに決めた。さらに、スペインを侵略しようとするグラダッソと対峙するため、リナルド以下、兵士を引き連れて出陣する。スペインはすでに壊滅状態にあった。だが長期戦の末、同盟軍がグラダッソ軍を打ち破る。グラダッソはリナルドに狙いをさだめ襲いかかり、一騎打ちが始まる。

 一方、アンジェリカはインドに帰還。マラジージを地下牢から解放する。リナルドへの恋情が芽生えた彼女は、マラジージに、リナルドを自分のもとへ連れていけば自由の身にさせてやると持ちかける。マラジージはやがてリナルドのもとにたどり着くが、説得がうまくいかず、魔法でなんとかしようとする。悪魔をグラダッソに化けさせ、リナルドを船へおびきださせる。策は成功し、リナルドは船で遠方へ運ばれる。


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 オルランドはタニスにたどり着き、そこで出会った老人から一冊の本をもらいうける。そこには「スフィンクスを探せ」との指示があった。スフィンクスのもとを訪れたオルランドは、アンジェリカはカタイのアルブラッカにいることを告げられるが、同時に、かつてオイディプスが解いたものと同じ謎(「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足となるものは何か?」)をかけられる……が、オルランドは謎解きを早々に諦め、剣を振り回してスフィンクスを斬り殺す。

 やがて彼はとある川にたどり着いた。その先には橋と巨人がおり、「ここは『死の橋』だ」と彼に告げる。まもなくオルランドは巨人を殺し、川に投げ落とす。だが、死のまぎわに巨人が投げた鉄網にオルランドは絡め取られて身動きがとれなくなってしまう。そこに、サイクロプスに脅かされている修道士が通りかかるも、サイクロプスもその場に現れ、修道士は逃げ出す。サイクロプスは近くに転がっていたドゥリンダナでオルランドに斬りつけるが、彼にはキズ一つつかず、代わりに鉄網がばらばらになった。激戦のすえ、サイクロプスを倒したオルランド。

 さらに旅をすすめると、彼はアンジェリカが派遣した使者に出会い、タタールの皇帝アグリカンがアンジェリカの父の統治するアルブラッカを囲んでいると知る。かの地へ馬を進めるオルランドだが、そこに黄金の杯を持つ乙女があらわれ、彼に酒の入った杯を勧めた。中身を空にしたオルランドはたちまちのうちに陶酔してしまい、乙女に導かれるまま、とある宮殿へと足を踏み入れていく。


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 一方グラダッソはリナルドを探すが、見つからず怒りに震えていた。だが、やがてパリへ向けて進軍を開始する。それを迎え撃つシャルルマーニュだが、敗北。パリは占領されてしまう。グラダッソはシャルルマーニュに、バイアルドとドゥリンダナをよこすよう伝える。ドゥリンダナは遠方にいるオルランドが所持していてすぐには渡せないが、バイアルドはリナルドの弟が管理しており、こちらを取り寄せようとシャルルマーニュは手配をすすめる。だが、それにアストルフォが異議を唱えた。彼はグラダッソに、パリで決闘しない限り馬は渡さないという旨を使者を通して伝える。アストルフォ対グラダッソの試合は、魔法の槍の力によりふたたびアストルフォが勝利を収める。グラダッソはセリカンに帰還し、アストルフォはオルランドたちを捜索するため出発する。


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 船で運ばれ、「喜びの庭(Joyous Garden)」なる場所にたどり着いたリナルドは、一人の乙女に宮殿を案内される。贅を尽くしたその宮殿の主がアンジェリカであることを知った彼は憤慨し、再び船に飛び乗って別の陸地へたどり着き、一人の老人と出会う。彼の娘が何者かに連れ去られたと聞いたリナルドは捜索に出るが、途中で落とし穴に落ち、巨人の捕虜となってしまう。城に連行されたリナルドは、そこで老婆から、この城の伝説と、人肉を求める怪物の話を聞く。その後、その怪物の前に連れ出されたリナルドは、そこで絶望的な戦いを強いられる。

 一方、マラジージから、リナルドが城に連行されたという報告を聞いたアンジェリカは、マラジージからいくつかの「道具」を渡されたあと、空を飛んでリナルドの救出に向かう。突如現れたアンジェリカに驚くリナルドだが、彼は彼女の助けの手を拒否。アンジェリカは怪物めがけ「道具」を投げつけると、怪物は身動きがとれなくなった。リナルドは怪物の首に飛び上がり、これを絞め殺す。アンジェリカが置いていったやすりを使って脱したリナルドは、船に乗らず、海岸を歩き続ける。


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 アストルフォはバイアルドにまたがり、オルランドとリナルドの捜索に向かい、チェルケスにたどり着く。そこでサクリパンテ率いる大軍の弥栄に遭遇。サクリパンテはアストルフォをリクルートしようとするが失敗。アストルフォは旅に戻るが、サクリパンテは彼を追いかける。旅路の途中、アストルフォは異邦の騎士ブランディマルとその恋人に出会い、彼女をめぐって決闘となる。敗北を喫したブランディマルは自害しようとするが止められ、アストルフォに忠誠を誓う。そこにサクリパンテが訪れ、二人に決闘を申し込む。アストルフォはサクリパンテをあっさり倒し、彼の馬をブランディマルに贈与させた。

 その後しばらくして、忘却の河に近づいており、引き返すか進路を変えるようにと乙女が進言するが、二人はそのまま進む。すると、そこに魔法の杯を持った乙女が現れる。アストルフォが杯を受けることを拒否すると、乙女は杯を地面に投げつけ、橋が炎につつまれ、通行不能となる。やむなく別の橋をわたって魔法の庭にたどり着いた一行は、そこで記憶を失った騎士たちの襲撃を受ける。アストルフォはオルランドがいることに気づいたが、ひとまずこの場から逃げることにした。

 一方、ブランディマルは降伏して杯の水を飲み記憶を失う。アストルフォはアンジェリカの元に到着し、まもなく独断専行でアグリカンの野営地へ向かうのだが、捕虜となってしまう。やがてサクリパンテの援軍が到着し、アグリカンとサクリパンテの一騎打ちが始まる。サクリパンテは重傷を負う。


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 リナルドが海岸沿いを歩き続けていると、すすり泣くブランディマルの恋人に出会う。旅路を共にする二人。そのうち、ブランディマルの恋人は、リナルドにバビロンのイロルドとプラシルドの逸話を語る。その後、リナルドは森の中のある洞窟で巨人とグリフォンが一匹の馬を守っているのを目の当たりにする。その馬はアルガリアのもつ魔法の駿馬ラビカンであった。リナルドは死闘を繰り広げ、すべて打ち倒し、ラビカンを得る。洞窟を出てしばらく旅を続け、休憩していると、ライオンを連れたケンタウルスが襲い掛かり、ブランディマルの恋人(フロリドリ)を連れ去ったあげく川に投げ込む。リナルドはケンタウルスを打ち倒すが、ブランディマルの恋人の行方が知れなくなる。


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 アルブラッカに取り残されたアグリカンは、部下によって救い出される。アンジェリカは援軍を求めて魔法の指輪を装備したのち出立する。チェルケス近郊のオルガーニャで、彼女は一人の老人の罠にはまり、ドラゴンティナの庭園の牢に入れられるが、そこでブランディマルの恋人フロリドリと出会う。彼女からリナルドのこと、妖精の魔力によってオルランドなどの騎士たちがこの地に閉じ込められていることを聞かされたアンジェリカは、指輪の魔力で牢を脱出し、騎士たちの呪いを解く。そして彼らたちに対し、自国の救援を要請する。

 一方アルブラッカではトゥルッファルディーノ(Truffaldino)の叛逆が起き、サクリパンテらを捕虜にし、アグリカンのもとに使者を送った。アンジェリカとオルランドたち一行はトゥルッファルディーノの申し出を受け入れ、要塞の中へと入る。その後、オルランドは兵糧を確保するため騎馬で敵軍に突撃、アグリカン側と五分の状況へと持ち込んだところで、ガラフロンと女騎士マルフィーザ率いる軍が登場する。アグリカンはオルランドに決闘の中断を申し出、オルランドはそれを受諾する。その後、形成は逆転し、ガラフロンの軍は窮地に陥る。


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 北を目指すリナルドは、泉で泣いている見知らぬ騎士に出会う。自らの死によって起きることを恐れているという彼は、自らの過去をリナルドに語り始めた――そう、彼こそがイロルドであった。護送されているプラシルドを救うべく、二人は救出作戦を決行し、イロルドはプラシルドに、リナルドはフロリドリに再会する。一行は一路、ドラゴンティナの庭園を目指すが、その途中でアグリカン軍の脱走兵に遭遇し、オルランドの武勇を聞く。

 リナルドたちは木陰で休む女騎士マルフィーザと出会う。一触即発ムードが漂う中、マルフィーザはそこに突如あらわれた使者から、ガラフロン軍が崩壊しかけている旨を伝え聞く。リナルドたちと一戦交えたのちに援護に向かうことにしたマルフィーザはリナルドと接戦を繰り広げる。

 一方、アンジェリカの命を受けたオルランドはガラフロンに加勢。アグリカンと長期戦を繰り広げたのち、彼に致命傷を負わせる。亡きアグリカンの馬を調べると、それがバイアルドであることに気がついた。そして一方、ガラフロンはアストルフォたちを解放する。アストルフォはすぐさまガラフロンとともに戦場へと舞い戻る。その途中で交戦中のリナルドとマルフィーザに出会う。乱戦のさなか、ブランディマルとフロリドリは再会する。


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 だが再会もむなしく、フロリドリは彼女をつけねらう隠者の魔術により連れ去られる。後を追うブランディマルはそこで巨人の列とラクダに乗っている一人の乙女を発見し、彼女がフロリドリに違いないと思いこんだブランディマルは巨人たちに打ちかかるも、自らの馬を失い瀕死の状態となる。だが、救援にかけつけたオルランドとともになんとかうち倒す。

 マルフィーザとリナルドはガラフロンをアルブラッカの砦まで追いまわし、決着のつかない戦いを続けていた。そのうち、ガラフロンに交渉のテーブルにつくよう求める。一方、乙女の介抱を受けたブランディマルだが、その乙女はフロリドリではなかった。彼は自らの運命を嘆く。乙女は自らの冒険について語り始めるが、ブランディマルは呆然としているのみ。オルランドと乙女は捜索の協力を申し出る。一方フロリドリは隠者によって洞窟に運び込まれる。だがそこに住むライオンに、隠者はたちまち八つ裂きにされてしまう。逃げ出したフロリドリだが、その先で今度は野蛮人に捕まってしまう。ところ変わって、乙女は物語の続きをオルランドに話す。そのうち、ブランディマルとはぐれてしまう。


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 ブランディマルは木に縛り付けられているフロリドリを発見するが、野蛮人の攻撃を受ける。野蛮人を殺し、フロリドリを解放すると、オルランドを探しに戻る。一方、リナルドはグリフォンとアクィラントを相手に戦っており、そのうちマルフィーザがリナルドの支援に駆け付けた。乱戦が続く。

 オルランドがブランディマルを探しているうちに、森の中から本と角笛を携えた一人の乙女と出会う。乙女はオルランドに勇気があるかどうかたずね、ある提案をする。オルランドが彼女の角笛を吹くと、二頭の雄牛が襲い掛かってきた。長き取っ組み合いの末にこれを捕獲すると、再び角笛を吹いた。今度は火竜が姿をあらわした。炎を浴びて装備を溶かされてしまうものの、ついに竜の首を刎ねることに成功する。神話のイアソンよろしく竜の歯をむしりとり、地面に植えると、歩兵や騎兵たちが生えてきた。防具のない状態でこの一群をなんとか皆殺しにする(スフィンクスのとき同様、今度もオルランドは脳筋プレイをかましているのだが、このあたりのくだりはつまるところギリシア神話の「アルゴー船の遠征」の再現ともいえる)。そして三度目の角笛を吹くと、白い猟犬があらわれた。そして、本と角笛の乙女より、近くの湖に住むファタ・モルガーナの存在を伝えられる。「黄金のリンゴの乙女」とともにオルランドは出立する。


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 オルランドはとある橋にたどり着き、そこで出会った騎士に乙女を引き渡す。一方アルブラッカではまだ戦いが続いていた。休戦期間中にアストルフォは包囲軍の側に寝返る。そのうち、オルランドがアルブラッカに到着し、アンジェリカの守備軍に迎えいられる。リナルドとオルランドは対峙し、激しい戦いを繰り広げる。その後、アンジェリカはオルランドにとある庭園を破壊せよと危険な冒険をすすめる。また、リナルドに乙女とバイアルドを送りつけたが、彼は無関心であった。

 冒険に出立したオルランドはオルガーニャへの道を進む途中で一人の騎士ウルダーノと、松の木に吊り下げられて泣いている乙女オリジッラを見つける。ウルダーノはオリジッラの犯した罪について長い話を語り始める――だが、オリジッラのほうは、この騎士が嘘をついていると主張する。オルランドはオリジッラの言葉を信じ、騎士を突き落とし、彼女を連れて立ち去る。
(このあと、愛馬ブリリアドロを彼女に盗まれる)


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【第二巻】



 アフリカ王アグラマンはフランス侵攻の作戦を練る。側近のソブリノは、作戦のためにはまずルッジェーロを引き入れることが第一だと王に提案し、王はルッジェーロの捜索を命じる。一方、アルブラッカはまだ戦火のなかにあった。リナルドはオルランドを探すため、アストルフォ、イロルド、プラシルドとともに出立する。途中で、一人の泣いている乙女に出会う。悪漢によって姉妹が連れ去られたことを聞くと、彼らは救出に向かう。

 ブランディマル、グリフォンとアクィラントの兄弟はオルランドを追う。兄弟はとある城で歓待を受けるが、拘束され、処刑場へとやられることになる。一方、アルブラッカではマルフィーザが猛威をふるっていた。さらに一方、アグラマンの使者はルッジェーロの捜索がはかばかしくないことを王に告げる。また、オルランドは馬を盗まれたために徒歩で移動していたところ、馬を盗んだオリジッラが武装集団に護衛されて移動しているところを目にする。さらにグリフォンとアクィラントが捕虜となっているのを見たオルランドは護衛を蹴散らし、彼らを自由にした。グリフォンとオリジッラはいい感じの関係になっていたが、オルランドはグリフォンを追い払い、オリジッラを自分のもとにとどめようとする。


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 オルランドはオリジッラを口説き続けていると、さらにもう一人の乙女があらわれる。彼女はオルランドに危機が迫っていること、オルガーニャの庭園に近づいていることを伝える。本を渡され、翌朝まで眠ることにしたオルランドだが、オリジッラはこの隙にドゥリンダナで殺そうとする。だがブリリアドロが突如駆け出し、オリジッラを剣ごとどこかへと運んだ。目を覚ますと馬と剣をがなくなっていることに気づいたオルランドだが、そのまま冒険を続ける。オルガーニャの庭園の城壁内に入ると閉じ込められてしまう。その先の泉で女主人ファレリーナを見て取ったオルランドは彼女にここから脱出する方法を尋ねるが、すげなく断わられたため彼女を木に縛り付けた。


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 オルランドは出立する前に渡された本のことを思い出し、本を開くと、庭園の南にも出入り口があることを知った。その途中の湖で彼はセイレーンに遭遇し、魔力の歌を聞かされるはめになるが、やられたふりをしてセイレーンを斬首。彼女の血液を全身に塗りたくり、南側の出入り口を守る雄牛の角から守る術とした。順当に雄牛も殺したが、その影響で門が消え去ってしまい、閉じ込められてしまう。再び本を開き、西側にも門があることを知ったオルランドは、方向を変える。途中の大きな木でハーピーが糞を引っ掛けようとしてきたところ、これを斬り殺す。西門には金の鱗をもつロバがおり、オルランドはこれも斬首する。するとまた門が消えてしまった。またも本を開く羽目になったが、今度は北にも出入り口があると知り、そちらへと向かう。途中で半人半獣のフォーンが隠れており、オルランドは一撃で葬った。北門には巨人がおり、斬りつけるとその傷口からさらにもう一体の巨人が生まれ出た。二体一で苦戦を強いられるオルランドだが、なんとか動きを封じる。再び本を開き、この庭園を破壊するには、妖精が創り上げた運命を内包する木の枝を引き裂くことであると知ったオルランドは、さきほどのファレリーナのもとに戻り、目的の木を見つけ、その根元の枝を取り除いた。たちまちのうちに庭園は消滅した。ファレリーナはオルランドに慈悲を乞い、オルランドもそれを約束し、囚人の解放を誓わせた。


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 アルブラッカではサクリパンテ対マルフィーザの一騎打ちが続いていた。アンジェリカは城壁からそれを観戦していたが、スキをつかれて大泥棒ブルネロに指輪を盗まれてしまう。ブルネロは一時休戦中のサクリパンテからも盗みを働き、彼の馬を引いて行く。マルフィーザがその様子を見て取ったが、自らの剣も彼に盗まれていたことに気づく。ブルネロはまんまと逃げおおせた。アンジェリカは絶望していると、さらに悪いことにトルコ軍が接近してきていることを告げられる。サクリパンテはグラダッソに救援要請をおこなう。一方、ロドモンテは勝手にフランスに向けて出立。ガノはマルシリウスをフランスに迎え入れるという裏切りをはたらく。


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 オルランドとファレリーナは多くの囚人が捕えられている橋に向かう。その途中で、魔女モルガーナの仕掛けた罠に近づいていることをファレリーナより知らされる。モルガーナにはアリダノという用心棒がおり、壊れない鎧と、相手の六倍のパワーがみなぎる魔法によって強化されている。積み上げられたアリダノの戦利品のなかにリナルドの武具があるのを見て取ったオルランドは、アリダノに挑みかかり、ともに湖の底へと沈む。底でも戦いが再開され、オルランドは、ファレリーナが鍛えた剣であるバリサルダでアリダノを倒す。周囲を見渡すと、水晶の壁に門がついていることに気づいたオルランドは、先へと進み、石が輝く場所にたどり着く、そこで像の襲撃にあい、散々な目をみるが、紆余曲折を経てリナルドやブランディマルが収監されているモルガーナの地下牢へと続く道を行く。

 モルガーナの眠る平原にやってきたオルランドは、やっとの思いでモルガーナを捕えることに成功する。牢獄の鍵を渡すように求めると、モノドンテの息子ジリアンテ以外は解放してもよいと言う。その条件をのんだオルランドは、鍵を使いジリアンテ以外を解放した。地上に出た一行は武具を装備し、それぞれの場所へと散っていった。オルランドとブランディマルはアルブラッカに戻り、リナルドとイロルド、プラシルドは騎士ドゥドンとともに西へと進んだ。


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 リナルドたちが旅を続けていると、近くの城から角笛が鳴るのを耳にした。道案内の乙女より、このダモギール島がモノドンテ王の領土であることと、王に従う魔法使いバリサルドの存在を告げられる。やがてバリサルドに相対する一行だが、魔術のもとに囚われの身となってしまう。牢獄の中に投げ込まれたが、そこにはアストルフォもいた。

 一方、アルブラッカを目指すオルランドとブランディマルは、道中でブルネロと、彼を追いかけるマルフィーザの姿を目にする。気がつくと、バリサルダと角笛が盗まれていることに気がついた。追いかけるうち、前方で乙女が口論しているのをみる。馬に乗ったほうの乙女がオリジッラであることに気がついたオルランドは彼女とともにバリサルドのもとへ向かう船に乗り込む。結局、オルランドもバリサルドに敗北を喫してしまうが、ブランディマルが打ち倒した。

 オルランドとブランディマルは捕虜船の船長を尋問すると、モノドンテ王の二人の息子がそれぞれバルディノとモルガーナに誘拐されていることを告げ、モルガーナがモノドンテ王に、オルランドと引き換えに息子を解放すると申し出ていることを明らかにした。オルランド一行はモノドンテ王の島へと向かう。オリジッラは、囚われの身となっているグリフォンを救い出すため、モノドンテにオルランドのことを密告。解放されたグリフォン、アクィラントの兄弟とともにどこかへと出立する。

 捕虜の身となったオルランドとブランディマル。ブランディマルは自分がオルランドであると嘘の説明をし、モノドンテのもとへと連行される。ブランディマルは王に巧妙な提案をし、王はそれを受けれ、オルランドは解放される。が、しばらくのちにアストルフォが迂闊な行動をしてしまったことで秘密が露見してしまい、ブランディマルは再び投獄される羽目になる。


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 以前アリダノが守護していた泉のもとを訪れたオルランドは、そこで動かない一匹の竜と、すすり泣く乙女を見る。彼女はモルガーナであり、竜の正体はジリアンテであった(モルガーナは彼を竜に変化させようとして失敗していた)。泉の底へと沈んでいく二人を目の当たりにして間もなく、フロリドリがオルランドの前にあらわれる。彼女の話によると、モノドンテ王の誘拐されたもう一人の息子がブランディマルであることがわかった。オルランドは泉の底へと降り、人間の姿に戻っていたジリアンテをモルガーナの手から取り戻し、モノドンテ王のもとへと帰還した。一行は解放され、リナルド、イロルド、プラシルド、アストルフォはフランスへと帰還するため出立し、オルランドとブランディマルはアルブラッカへと帰還する(なお「黄金のリンゴの乙女」はモノドンテ王の娘であった)。


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 リナルドたちはモルガーナの姉妹アルシーナの王国へと足を踏み入れる。アルシーナはアストルフォに一目ぼれし、近くの島へと招待する。その島は巨大な鯨であり、アストルフォはどこかへと連れ去られてしまう。
(その後の彼については『狂えるオルランド』で語られる)

 アストルフォの救出を諦めて西へと向かった一行は、ハンガリーのブダへと到着する。ハンガリー王はリナルドを指揮官に任命し、一行はアルプスを越えプロヴァンスへと到着する。そこではロドモン率いる異教徒の軍とキリスト教徒の軍が戦闘中であった。リナルドはロドモンに一騎打ちを挑むが、そのあいだにドゥトンらは捕虜にされてしまい、アフリカへと送られていた。ロドモンはリナルドにニセの情報を流し、アーデンの森へと向かわせる。そして、ロドモンはフランスに戻っていたフェッラウと出会うが、話に花を咲かせているうちに決闘になってしまう。


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 森を進むリナルドは、そこで裸で踊る男女の集団をみる。すると男が枝で殴りつけ、負傷させる。愛に逆らったがゆえの罰であると集団の中の一人は言い、傷を治すには愛の泉の水を飲むしかないと告げる。そのうち、かつてアンジェリカの好意をはねのけた泉の水を飲み、体力を回復させた彼は、自らの行いを悔い、アンジェリカのもとへと向かおうとする。

 一方、ブルネロをずっと追いかけ続けていたマルフィーザは疲労困憊で倒れる。ブルネロはアフリカへと渡り、アグラマンに面会する。アンジェリカとオルランドから盗み取った指輪と角笛を疲労すると、アグラマンはブルネロを王へと迎え入れた。ブルネロ一行はルッジェーロ捜索へと向かい、彼をおびきだすために馬上槍試合を開催する。企みは成功し、ルッジェーロが姿をあらわすと、ブルネロは彼をもてなし、サクリパンテの愛馬であったフロンティラッテ(フロンティノ)と、オルランドの愛剣バリサルダを与えるが、やがて裏切りを察したルッジェーロはその窮地を脱し、フランス侵攻作戦に参加する決意をする。


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 インドに向かうオルランドたちは、騎士が守っている橋と、地面を見つめ続ける淑女をみつける。やがて一人の巡礼者が騎士に挑む。泣いている乙女はオルランド一行のもとにやってくると、この地がナルキッソスとシルヴァネッラの悲恋の呪いにかかっていることを告げる。川岸にたどり着いた者たちは永遠に川の流れを見つめてしまうという呪いであり、騎士は淑女カリドラの命で橋を守り続けていたのである。騎士への助太刀を頼まれたオルランドはこれを受け入れ、交戦中の騎士と巡礼者の間に割り込むと、巡礼者の正体はサクリパンテであった。騎士はカリドラに使えるイソリエロであり、重傷の身であったがそのままこの地にとどまった。オルランドはアルブラッカへ、サクリパンテはグラダッソのもとへと向かう。


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 アルブラッカにたどり着いたオルランドはアンジェリカにこれまでの経緯を説明する。アンジェリカはこの地を脱し、フランスまでの案内をオルランドに頼み込む。オルランドはこれを申し受け、逃亡の旅が始まるが、途中でブランディマルとはぐれてしまう。オルランドと二人の乙女はやがて人喰い民族であるレストリゴン人に食糧を分けてもらうよう近づくが、オルランドは殴られて失神。二人の乙女は散り散りに逃げ出してしまう。目を覚ましたオルランドはドゥリンダナで人喰いの民を屠ると、すぐにアンジェリカを発見した。

 一方フロリドリは、偶然にブランディマルと合流する。ブランディマルとフロリドリは元の場所へ戻ろうとする途中で剣のみを携えた一人の騎士の挑戦を受ける。騎士はマルフィーザであり、彼女はフロリドリを人質にとり、ブランディマルの武具と馬を要求した。要求を受け入れたブランディマルはフロリドリの馬に乗り旅を続けることにしたが、盗賊の集団と出くわす。逃げながらもこれを撃退すると、途中で武具をまとった遺体を発見し、鎧を剥ぎ取った。その遺体はアグリカンであった。


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 オルランドはダマスカス王ノーランディノと出会い、彼に同行してキプロスへと赴き、かの地で開催された馬上槍試合に参加する。そこにはグリフォンとアクィラントの兄弟が相手陣営側で参加していた。彼らはオルランドが参加しているのではないかという疑念を主であるギリシア人のゴスタンゾ(実は彼はコンスタンティノープルの皇帝ヴァタロンの息子である)に告げると、彼は一計を案じオルランドたちを口車で船に乗せフランスへと向かわせた。

 オルランド一行はプロヴァンスに上陸したのち、かつてリナルドが愛の水を飲んだアーデンの森に到着。そこでアンジェリカは嫌悪の泉の水を飲んでしまう。その後、ロドモンを追っていたリナルドと遭遇する。アンジェリカにわびようとするリナルドを嫌悪するアンジェリカ、やがてオルランドとリナルドは争い始め、アンジェリカは森の中を逃げ出し、シャルルマーニュの野営地にたどり着くと、シャルルマーニュに事情を話す。シャルルマーニュは二人の騎士のいさかいを仲介し、アンジェリカをバイエルン公に引き渡した。


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 アグラマンはブルネロを処刑しようとするが、ルッジェーロはブルネロを助け、アグラマンに事情を説明した。ルッジェーロは騎士に叙せられ、ビゼルトに送り込まれた。そこにロドモンの軍が帰還する。ロドモンはフェッラウと一騎打ちをしていたが、スペイン王マルシリウスの使者が訪れたことで勝負を中断し、モントーバン包囲作戦へと向かう。その途中でマラジージの妨害に遭うがこれを退け、やがてスペインの野営地に到着した。


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 ブランディマルとフロリドリはヨーロッパでとある宮殿にたどり着くと、バルコニーで乙女が他の道へ行くよう身振りをしているのを横目にする。その後、門前で蛇をあやつる巨人の攻撃を受けるがこれを退け、その先に待っていた墓守の騎士とも勝利し、奥へと進んでいくが、最終的に迷ってしまう。脱出方法を探っているうちに先ほどのバルコニーの乙女があらわれ、墓室を開いた先にある者とキスをしなければここからは出られないとブランディマルに伝える。墓室からは竜が姿をあらわし、ブランディマルは意を決して口づけすると、竜は美しい妖精ドリステッラへと姿を変えた。彼女はある物語を語る。


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 ドリステッラの父はドリストンといい、長女は王の息子セオドアと婚約をしていたが何者かに誘拐される。ドリステッラは一人の青年と恋仲になるが、ウスベックなる悪漢(ブランディマルが先ほど宮殿で倒した騎士)と結婚させられてしまう。スキをみてセオドアを情を交わしていたが、それが露見し、ウスベックに魔法をかけられ、姿を変えられてしまう――ここまで話したところで、ドリステッラの物語は、盗賊の襲撃により中断された。

 ほどなくしてブランディマルはその首領を生け捕りにするが、彼はかつてドリストンの長女を誘拐した張本人であった。ブランディマルはドリストンの城に彼を連行すると、かの地はセオドアによって包囲されていた。だがそこで、これまで旅を続けてきたフロリドリこそがドリストンの長女であることが明らかとなる。ドリストンとセオドアは和解し、セオドアはドリステッラと結婚し、ブランディマルとフロリドリも結婚を果たした。しかしオルランドの捜索を続けるため、ブランディマルとフロリドリはフランス行きの船に乗る。途中で嵐に遭い、べつの海岸に流れ着く。身分を偽り、首都ビゼルタにたどり着いたブランディマルたちは、ルッジェーロとともにフランス侵攻に加わる。


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 オルランドはブランディマルとロドモンの一騎打ちや、ほかの乱戦を見物していたが、やがてアグラマンの軍が接近していることを察知する。シャルルマーニュはリナルドにフェッラウとの一騎打ちを中断するよう命じたところでオルランドが敵軍のなかにいることに気づいた。

 一方オルランドは戦線から引っ込み、近くの森で待機していた。そこに、水を飲みにきたフェッラウと遭遇する。オルランドは戦況をうかがうとシャルルマーニュの加勢に向かった。やはてルッジェーロに向かい始めたオルランドだが、ルッジェーロのそばにいたアトランテの一計によりアーデンの森に迷い込む。泉の水を飲もうとすると、底に水晶の宮殿があるのをみてとり、武装したのちそこに飛び込んだ。


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【第三巻】


 タタール王マンドリカルドは独裁的にふるまっていたが、父アグリカンがオルランドの手に掛かったことを知ると、身分を隠して王国を出立した。鎧を身に着け、馬に乗った矢先、目の前に炎が広がり、全身を焼かれてしまった彼は、近くの泉に飛び込んだ。そこで美女に抱きとめられ、この泉にはグラダッソやグリフォン、アクィランテらが閉じこめられていると伝える。さらに、丘の向こうの城に剣以外のヘクトールの武具があり、手に入れる勇気があるならば案内をしようと申し出る。マンドリカルドは彼女と共に出立する。


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 マンドリカルドは第一の試練としてグラダッソと戦うことになり、これに勝利する。その後、宿泊のために訪れた先で巨人を撃退する。魔法の城の中に入ったマンドリカルドにさらなる試練が襲い掛かるがこれを退け、かつてヘクトールが所有していたもののもとへとたどり着く。そこで、城の主人から「ドゥリンダナ以外の剣は決して身につけない」という誓いを立てさせられる。オルランドの持つドゥリンダナを手にしたときこそがヘクトールの武具が完全に揃うときなのだ。やがて、囚われていたグラダッソ、サクリパンテ、グリフォン、アクィランテら騎士たちが解放される。マンドリカルドはグラダッソとともに旅路を進む。


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 グリフォンとアクィランテは、二人の乙女に助けを求められる。不死身の能力をもつオッリロと戦ってほしいという願いを聞き入れた二人は、オッリロのもとへと向かうが、そこで長期戦にもつれこむ。

 マンドリカルドとグラダッソは、鎖につながれた乙女ルキアナをみてとる。彼女はこの場所で海魔の生贄にされようとしていた。苦戦の末、巨大な怪物オルクを巨大な裂け目に落とす。ルキアナの父の船に乗り込んだ一行だが、オルクの再襲撃に遭い、辛くも窮地を脱すると、フランスとスペインのはざまの海岸に流れ着いた。周囲を探索していると、戦火のさなかにあることがわかり、アグラマンとシャルルマーニュが戦っていた。


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 乱戦が続くなか、リナルドはバイアルドを取り戻そうとしていた。ルッジェーロは自らの愛馬であるフロンティノを見つけ出した。やがて彼はブラダマンテとロドモンが戦っているところを目撃する。二人の間に割ってはいるルッジェーロにロドモンは非礼をはたらいたので、一騎打ちとなったが、ルッジェーロの勝利に終わる。ロドモンは立ち去り、ブラダマンテとルッジェーロは互いに身分を明かすが、兵の襲撃により散り散りとなってしまう。


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 ブラダマンテを探すルッジェーロはマンドリカルドとグラダッソと出会う。マンドリカルドとグラダッソはやがて諍いをはじめ、ルッジェーロはそれをなだめていたが、そこにブランディマルとフロリドリが通りかかる。ブランディマルの説得でマンドリカルドたちは休戦する。マンドリカルドはその後ブランディマルたちと別れ、アグラマンの野営地にたどり着く。


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 泉に潜ったオルランドは、そこにとどまることを決意していたが、ブランディマルたちによって救い出された。オルランドは、ブランディマルとフロリドリとともにパリへ向かう。ルッジェーロとグラダッソは別の方向へと向かった。ルッジェーロとはぐれたブラダマンテは、傷を癒し、一人で旅を続けていた。森で一眠りしているときに、フロルデスピナとニアミスする。


『恋するオルランド』 ―未完―

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