2017年3月26日日曜日

「待ってる者」こと「Homunculus Loxodontus」の、ロシア語圏でのインターネットミーム化の流れについて



 ロシア語圏で流行っているこの「待ってる者」。そのえもいわれぬ造型にいつの間にかメロメロになってしまい、いろいろと調べていたらいくつもの興味深いトピックがあったので、以下にメモしておきます。


▼制作者であるマルグリート・ヴァン・ブレーヴォート(margriet van breevoort)さんの公式サイト、facebookアカウント。
http://margrietvanbreevoort.nl/index.html
https://nl-nl.facebook.com/margrietvanbreevoort/

「Homunculus Loxodontus」の写真

▼「Homunculus Loxodontus」についての、ライデン大学病院公式サイト内の記事。
【Sculptures in Leiden exhibition is intriguing and endearing】
(from Universiteit Leiden|2016.05.24 )

▼ウクライナ版BBCの記事(マルグリートさんへのインタビュー)。
【Авторка Ждуна: він змінив моє життя】
(from BBC ukrainian|2017.02.06)

▼「待ってる者」のブームの経緯を紹介している英語記事。簡潔にまとまっています。
【Dutch hospital’s monster sculpture a surprise hit in Russia】
(from NLTIMES|2017.02.06)

ウクライナ版ウィキペディアの記事(Ждун/Почекун)


「待ってる者」と呼ばれるものは、オランダの立体造形アーティスト、マルグリート・ヴァン・ブレーヴォート(margriet van breevoort)さんが、ライデン大学病院からの補助金を受けて2016年に制作し同病院に設置したものであり、正式名称は「Homunculus Loxodontus」(ホムンクルスの象)。「病院の雰囲気」をとらえたものをつくりたいと思ったマルグリートさんは、病院という場所において「希望」は大切なものだと思い、「待機」と「希望」の意味をこめてこの「Homunculus Loxodontus」を制作したそうです。「待て、しかして希望せよ」といったところでしょうか。マルグリートさんは1990年生まれ。彼女の公式サイトでは、自身の制作におけるコンセプトについて「私の作品は、現実と幻想のはざま、美と不快の境界にあります。さらに相反する要素を加えることで、私は魅力と嫌悪の遊戯を創造しています」という一文もあります。
http://margrietvanbreevoort.nl/statement.html


▼2016年5月にYouTubeに投稿された、マルグリートさんへのミニインタビュー映像。制作途中の「Homunculus Loxodontus」の姿も収められています。




 その後、ライデン大学病院に勤めるロシア人職員が、像の写真をinstgramに投稿したところ、ロシア方面で拡散し、たちまちインターネットミームとして流行。それが今年の2月のことです。ロシア語圏で「待ってる者」のミームとなっている「Zdhun」は、"I'm Waiting"を意味するロシアの言葉「Zdhu」を崩したもの。ロシア語圏からマルグリートさん充てに数多くの反響がきたので、最初はいったい何事なのかとめちゃくちゃ驚いたそうです。その後、ウクライナの市議会から、「待ってる者」の彫刻を市の中心部に置きたいというコンタクトもあったみたいです。

Zhdun / Snorp|know your meme

 その一方で、ロシアで第三者が「Zdhun」で商標登録しようとする不届きな動きもあったそう。マルグリートさんはオランダ在住なので、facebookのロシア人ユーザーからの助言ももらいながら、現在もこの問題に取り組んでおられるようです。マルグリートさんはfacebookアカウントとは別にvk. com(ロシア語圏のSNS)のアカウントも登録されており、そちらでも「Homunculus Loxodontus」の制作過程の写真をアップされています。
https://vk.com/id411968835



 オランダで制作された物がロシア語圏で瞬く間にミームになって……というあまりにも予想外の流れゆえに、一連のHomunculus Loxodontusグッズはマルグリートさんに許可をとっていない可能性が高そうです。Amazonやebayなどでよく見かけるこの写真のぬいぐるみの製作元も、よくわからないんですよね。流行の勢いで非公式品がポンポンと出来ちゃっているというのが現状であり、マルグリートさんご本人はブームを好意的にとっていらっしゃるとはいうものの、なんらかの形で還元されてほしいですよね。


【追記】

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