2016年11月20日日曜日

アドレナリン沸騰型ブリティッシュヘヴィジャズ― WorldService Project『For King & Country』(2016)

For King & Country
For King & Country
posted with amazlet at 16.11.20
Worldservice Project
Rarenoise Records (2016-04-29)
売り上げランキング: 856,277



 ジャンルを三つ四つ軽々と飛び越えてしまうアーティストやバンドは昨今珍しくないですが、鍵盤奏者/コンポーザーのデイヴ・モアクロフトを中心とし、テナーサックス、トロンボーン奏者を擁するイギリスの五人組ジャズ・ロック・バンド ワールドサービス・プロジェクト (WSP)もそのなかの一つといえます。00年代末期に結成され、2010年に4曲入りEPと、フルアルバム『Relentless』でデビュー。コンテンポラリー・ジャズにとどまらず、へヴィネスとグルーヴも存分に追求した作風は、2013年にリリースされた2ndアルバム『Fire In A Pet Shop』からさらに顕著になり、その攻めのミクスチャーサウンドは、ストラヴィンスキー、チャールズ・ミンガス、フランク・ザッパ、ハリソン・バートウィッスル、WEATHER REPORT、LOOSE TUBES(ジャンゴ・ベイツ)、MESHUGGAHなどが引き合いに出され、「Punk Jazz」「Post-Prog Funk」と評されることが多くなりました。また、世界各国で武者修行のごとく精力的なライヴを行うことでメキメキと実力を蓄えた彼らは、今年9月に初来日も果たし、東京JAZZ 2016やJAZZ ARTせんがわへ参加したほか、単独来日公演も行っています。




 今年、イギリスのRare Noise Recordsからリリースされたアルバムが本作『For King and Country』。同レーベルは辣腕プレイヤーのボビー・プレヴァイトやデヴィッド・フュージンスキー、メルツバウ/灰野敬二/バラズ・パンディのセッショントリオや、イタリアのアヴァン・ドゥーム・メタル・バンド OBAKE、プログレッシヴ・ジャズ・バンド MUMPBEAKなどのカタログも抱えるユニークなカラーのレーベルであり、ここにWSPが名を連ねるのもさもありなんといったところ。威勢のいいヴォーカル/コーラスで大胆に乗り込んでくる"Flick The Beanstalk"、ヘヴィなグルーヴの一体感、叙情的なブラスセクション、軽やかなリズム隊が巧みにスイッチングされる"Fuming Dusk"を筆頭に、ホーンがたゆたい、徐々にダイナミックな表情をみせていく人力ドラムンベース・ジャズ"Murano Faro"、バルカン・トラッド+メシュガーといった感のある"Son Of Haugesund"、激しいストップ&ゴーを伴いながら疾駆する"Go Down Ho'Ses"など、度重なるライヴで鍛え上げてきたものがそのまま濃厚に反映されたような楽曲づくし。狂気と歓喜が一体になった「どうかしている」サウンドがまことに楽しいです。こりゃライヴでより一層ブチ上がることは必定でしょう。フィンランドのALAMAAILMAN VASARATやアルメニアのティグラン・ハマシアンと共鳴する部分も多く、それらを好む向きにはなおオススメです。




WorldService Project Interview
(from bluenotes|2016.04.27)

WorldService Project Interview
(from what son live|2016.04.28)

http://www.worldserviceproject.co.uk/
https://www.youtube.com/user/worldserviceproject
https://soundcloud.com/worldserviceproject

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