2016年11月18日金曜日

鎮魂、補完、そして再出発 ― RIVERSIDE『Eye of the Soundscape』(2016)

Eye of the Soundscape
Eye of the Soundscape
posted with amazlet at 16.11.18
Riverside
Inside Out U.S. (2016-10-21)
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 現代ポーランドを代表するプログレッシヴ・メタル・バンド リヴァーサイド。今年二月にギタリストのピオトル・グルジンスキが急逝し、大きなターニングポイントに立たされましたが、バンドはその歩みを止めることなく、アルバムのリリースを表明。そして九月には、後任ギタリストを立てず、残る三人でRIVERSIDEの活動を継続していくことを表明しました。新曲"Where the River Flows" " Shine" "Sleepwalkers" "Eye Of The Soundscape"と、過去作のボーナスディスクの楽曲をCD二枚組にコンパイルした通算七作目となる本作『Eye Of The Soundscape』は、亡きグルジンスキへの鎮魂の意を込めたアルバムであり、過去作を補完するアルバムであり、新たな旅路を歩むバンドの決意表明であるという、多くの意味合いをふくんだ一枚です。10分を越える"Where the River Flows"は、まさに本作を象徴する力強いシンセサイザー&ギター・インストゥルメンタル。翳りと憂いを帯びたエレクトロ/アンビエントサウンドは、ヴォーカルのマリウス・デューダの別働ソロプロジェクトであるLUNATIC SOULでも内包していますが、それをRIVERSIDEとしてさらにもう一歩推し進めています。このバンド感を伴ったメディテーショナルなサウンドは、近年のTANGERINE DREAMにも通じるものがあります(タンジェリンドリームも中心人物のエドガー・フローゼを亡くしていますが、バンドの継続を表明しています)。ギター、シンセが徐々にアンサンブルから退いていき、マリウスのハミングが響き渡る終盤の美しさは筆舌に尽くしがたい。また、グルジンスキの滋味の滲み出るかのようなギターワークは、ウィスパーボイスと無機質な反復が特徴の"Sleepwalkers"、透き通った情景を喚起させる"Eye of the Soundscape"にも含まれています。マリウスとミハウのデュオでレコーディングされた"Shine"は、スペイシーなシンセと肉感のあるバンドサウンドの対比が静かなドラマを生む秀逸な一曲です。

http://www.riversideband.pl/en/






ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
よどみに浮かぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくとどまりたるためしなし
世の中にある人とすみかと またかくのごとし


方丈記「ゆく川の流れ」

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