2016年7月7日木曜日

元MAHAVISHNU ORCHESTRAのヴァイオリニスト、約28年ぶりのソロ名義作品 ― Jerry Goodman『Violin Fantasy』(2016)



 60年代末にジャズロックバンド The Flockに在籍し、その後、ジョン・マクラフリンのソロアルバムへの参加を経てMAHAVISHNU ORCHESTRAへ加入。キレ味バツグンのエレクトリック・ヴァイオリンプレイで初期のバンドサウンドを支えたジェリー・グッドマン。1975年には、バンドメイトであったヤン・ハマーとの連名アルバム『Like Children』をリリースし、ソロキャリアを開始。80年代には元TANGERINE DREAMのペーター・バウマン主宰の環境音楽レーベル「Private Music」より、『On the Future of Aviation 』『Ariel』の二枚のアルバムと、ライヴアルバム『It's Alive』をリリース。その後はあちこちのバンドにゲスト参加し、引き締まったプレイで華を添えています。著名なところではDIXIE DREGSの『Full Circle』(1994)、 STYXの『Brave New World』(1999)、DREAM THEATERの『Black Clouds & Silver Linings』(2009)など。近年では、著名なミュージシャンを呼び込んで企画アルバムを数多く制作しているアメリカのレーベル「Cleopatra」のカタログへの参加が多く、ビリー・シャーウッドを中心としたジャズ・ロック/フュージョン コンピレーション『The Fusion Syndicate』(2012)などで名を連ねていました。




 そんな彼が1988年の『It's Alive』以来、約28年ぶりにリリースしたソロ名義でのアルバムが本作『Violin Fantasy』。仕掛け人となったのはやはりCleopatraで、収録曲は新録曲とカヴァー曲が半々という構成ゆえ企画盤の色合いが強いのですが、彼のプレイは依然として健在。また、ゲストでドイツを拠点とするプログレッシヴ・ロック・バンドのNEKTARや、トニー・レヴィン、ビリー・シャーウッド、リック・ウェイクマンが参加。ソロの応酬を繰り広げる"The Laws of Nature" "Random Acts of Science"はさすがに耳をひく仕上がりです。"Violin Fantasy" "Rock On"で聴かせる壮大なロック・シンフォニーも素晴らしい。カヴァー曲は、収録順に "Enter Sandman"(METALLICA)、"Dream Weaver"(ゲイリー・ライト)、"Baba O’Riley"(The Who)、"In the Air Tonight"(フィル・コリンズ)、"Don't Stop Believin'"(JOURNEY)、"Eye of the Tiger"(SURVIVOR)、"The Final Countdown"(EUROPE)となっています。


Interview: Jerry Goodman
(from Prog Sphere|2010.07.23)

https://cleorecs.com/store/shop/jerry-goodman-violin-fantasy-cd/
http://www.progarchives.com/artist.asp?id=2444