2016年1月5日火曜日

「ディアトロフ峠事件」に想を得た、ロシアのポストロックバンドの六作目 ― KAUAN『Sorni Nai』(2015)



 2005年に結成された、ロシア・シェリャビンスクのポストロックユニット KAUAN。出身はロシアながら、ユニット名はフィンランド語で「長い・長く」を意味し、楽曲の多くがフィンランド語で歌われています。もともとはコンポーズ/ヴォーカリストのAnton Belovのソロプロジェクトという側面が強く、レコーディングではヴァイオリンやチェロ、サックス奏者をセッションメンバーに迎えるという制作形態を長らくとっていました。活動初期にはフォーク・メタルやブラック・メタル サウンドを標榜していたそうですが、次第にアンビエント/ポスト・ロック寄りのアトモスフェリックなサウンドに変化し。2013年にフィンランドの Blood Musicレーベルに移ってリリースした五作目『Pirut』より、ヴィオラ奏者を含む四人のメンバーを迎えたバンドスタイルとなり、現在に至っています。

 そして、六作目となる新作アルバムが再びBlood Musicレーベルより登場。同作もまた、投げ銭でダウンロード可能です。1959年にソ連のウラル山脈で9人が謎の怪死を遂げた「ディアトロフ峠事件」からインスピレーションを得て制作されたアルバムが本作。シンセサイザー/ピアノの上を、泣きのギターとヴィオラのフレーズがスロウなテンポで紡ぎ出され、ヴォーカルが慟哭する。ただでさえメランコリックな情感に富む作風なのですが、近作ではドゥームメタルの要素も加味したことでサウンドの業の深さがいや増しした感があります。そこでこのコンセプトとくれば、より一層の噛み合いをみせるのも無理からぬというもの。寒々しくもダイナミックな印象をもたらす一枚となっています。


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