2015年12月10日木曜日

北米版ドラゴンボールZスペシャルのBGMがDREAM THEATER『Metropolis Pt.2』である件

Dragon Ball Z: The History of Trunks [DVD] [Import]
Funimation Prod
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 1993年2月に放送された、ドラゴンボールZのテレビスペシャル第二作「ドラゴンボールZ 絶望への反抗!! 残された超戦士・悟飯とトランクス」。トランクスがもともといた「別次元の未来」のエピソードを描いた番外編であり、悟空が心臓病で死に、その他の主要キャラもほとんど死ぬという、かなりシビアなストーリーだったと記憶しています。2003年にDVD-BOXのVol.2への映像特典として収録されたのち、2011年に廉価盤『DRAGONBALLZ SPECIAL SELECTION DVD』にテレビスペシャル第一作「たったひとりの最終決戦」とのカップリングで収録されているものの、本エピソード単体でのリリースは日本ではされていません。一方、北米では2000年にエピソード単体収録のVHS/DVDがノーカット盤/編集盤でそれぞれリリースされているほか、2008年に「たったひとりの最終決戦」とのカップリングBlu-ray、2009年に単体収録のDVDがリリースされております。

Dragon Ball Z - Doragon bôru zetto: Zetsubô e no hankô!! Nokosareta chô senshi - Gohan to Torankusu (1993) - IMDb





 北米版はBGMが独自に編纂されており、日本版オープニング/エンディングテーマ"CHA-LA HEAD-CHA-LA" "青い瞳のHOPE"も使用されておらず、別のテーマに差し替えられております。そして、ここからが本題なのですが、実はこの米国版「絶望への反抗!!」には、DREAM THEATERのアルバム『Metropolis Pt.2: Scenes from a Memory』(1999)の収録曲が大々的に使用されており、しょっぱなから聴き覚えのあるフレーズが出てくるのです。ほかにはブーツィー・コリンズ with バケットヘッドの強力ベーシスト&ギタリストコンビ、ポップ・ロック・バンド TriprocketSLAUGHTER(カナダのデス/スラッシュ・メタル・バンドではなく、ネバダのハード・ロック・バンドの方)などの楽曲も使用されており、明らかにあちらのスタッフが趣味に走ったとしか思えないラインナップ。あちらのコンポーザーによる劇伴もあるにはあるのですが、いかんせん外部使用曲のインパクトが強烈すぎることもあり、あまり目立っていません。制作に携わったコンポーザーの一人であり、テキサスのパワーメタルバンド BELLICOSEの現ギタリストでもある Mark Akin氏の公式サイトの情報によれば、使用された楽曲は以下の通り。アニメのエンディングクレジットの方もそうなのですが、DREAM THEATERの曲名が一部微妙に間違ってます。

http://www.mark-akin.com/dragonball_z.htm

Metropolis Part 2: Scenes from a Memory
Dream Theater
Atlantic / Wea (1999-10-22)
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Andy Baylor "Dragon Ball Z Theme"
Andy Baylor "Gohan's Theme"
Andy Baylor "Low Grunge"
Bootsy Collins with Buckethead "Exterminate"
Bootsy Collins with Buckethead "Shakier"
Bootsy Collins with Buckethead "Hole in my Bucket"
Bootsy Collins with Buckethead "Animated Zombie
Dale Kelly "Garden of Grace"
DREAM THEATER "Home"
DREAM THEATER "Dance of Eternity"
DREAM THEATER "Beyond this Life"
DREAM THEATER "Strange Deja-Vu"
DREAM THEATER "Overtime"
(※これは"Overture 1928"の間違いでしょう)
DREAM THEATER "Regression"
DREAM THEATER "Fatal Tragedy"
DREAM THEATER "Through Her Eyes"
DREAM THEATER "Love Overture"
DREAM THEATER "Chant"
Mark Akin "Funky Robots"
Mark Akin "Last Ragga"
Mark Akin & MR.C-E-NO-G "Ascension"
SLAUGHTER "Prelude"
SLAUGHTER "Unknown Destination"


 ところで、リストに入っているDREAM THEATERの"Love Overture" "Chant"という二曲。これがいったいなんなのかがよくわかりません。バンドの公式サイトの2011年7月の記事でもこの二曲の名前は出ているのですが、さらっと流して終わっているので謎が深まるばかりです。 http://www.dreamtheater.net/news/dream-theater-dragon-ball-z-video-release-40011

【追記】
Twitterで教えていただいたのですが、DREAM THEATERの楽曲が使用されているのはソフト版だけであり、あちらのテレビ放送版(Cartoon Network/Nicktoons)では当該部分のBGMは全面的に差し替えられ、エンディングクレジットからもDREAM THEATERの名前は完全に削除されていたようです。