2015年2月7日土曜日

フランス、モンゴル、ブルガリアの混成メンバーからなる異色の多国籍トラッド・トリオ ― Violons Barbares『Saulem ai』(2014)

Saulem AiSaulem Ai
(2014/01/14)
Violons Barbares

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https://itunes.apple.com/jp/album/saulem-ai/id793170988

ハルモニア・ムンディ傘下のワールド・ミュージック系レーベル World Villageよりリリースされた、フランスを拠点に活動する Violons Barbaresの2ndアルバム。ブルガリアの民族楽器ガドゥルカ(メロディを奏でるための三~四本の弦と、十本の共鳴弦からなる弦楽器)を操るブルガリア出身のDimitar Gougov。モンゴルの民族楽器モリンホール(「馬頭琴」 四角の共鳴箱と二本の弦、そして馬型のヘッドを特徴とする弦楽器)を操るモンゴル出身のDandarvaanchig Enkhjargal。そして各種パーカッションを担当するフランス出身のFabien Guyot。以上、国籍の異なる三人からなる異色のトリオが、「蛮族のヴァイオリン」をバンド名に冠したこのヴィオロンズ・バルバレス。全員が朗々たる響きのヴォイス/コーラスをとりながら、東欧と東アジアの東西の弦楽器が激しいスクラッチングで火花を散らし、パーカッションが加速度的に乱打されるという、即興と倍音多めの痛快なちゃんぽんサウンド。トラディショナルのアレンジを中心に、トリオのオリジナルを交えた全9曲。Dandarvaanchigの朗々たるヴォーカル(ホーミー含む)をフィーチャーした"Saulem ai" "Rockin camel"や、シャレの効いたタイトルの疾走チューン"Saturday yurt fever"(“yurt”はモンゴル遊牧民の移動式住居〈ゲル〉のテュルク語での呼称です)。低音をきかせた滋味あふれるスロウチューン"Wind in the steppe"や、三者のヴォイスが楽器パート以上に息をつかせぬ掛け合いを展開するさまがユーモラスな"Djore dos"。そのタイトル通りキャラバンの長い道のりを描写するかのようなオリエンタルな空気を孕んだ長尺トラディショナル"Karawane"(ライヴ録音)。トリオの即興的側面をクローズアップした"Satybaldynyn kuii"など、アコースティック編成ながらインパクト十分。ヘタなロックよりロックしています。ワールド・ミュージックはもとより、GARMARNAやHEDNINGARNAのような北欧ラジカル・トラッドを好む向きにも薦めたいサウンドです。ともあれ、あれこれ言うよりは、実際に彼らのサウンドやパフォーマンスを目にした方が早いですね。





http://www.violonsbarbares.com/
Dimitar Gougov - YouTube Channel

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