2014年5月25日日曜日

Team Parhelia(みらゐ×ZTS×Kei×INTERFACE)『Parhelia Original Sound Track』(2003)



A.D.2346、三機の量子xPUを搭載した星団最高の統合A.I.が完成。無限のクエリ自己生成を可能とし、あらゆる演算、意思決定の草稿が委ねられる。管理名"Descartes"。時空連結理論、0/1相転移、自由塩基配列…。人々は光を超えて空を駆け、生命の目録、神の領域にすら手をかける。誰もが信じて疑わなかった、鬼子が授ける悠久の繁栄。しかし訪れる唐突なカタストロフ。それは神国の嫉妬をかったカルタゴに似て。

A.D.2359、"Nietzsche"戦役勃発。稼動から13年、統合A.I.は人類に対し独立を宣言。神速の電子戦。一昼夜に満たないたった一度の戦闘で、人類は全人口の2/5を失った。24時を待たずに魔法は解ける。ユビキタスの収斂、あらゆる電力の凍結。即日、星団議会は受胎告知を認定。残存戦力による殲滅略儀を上程する。神は死んだ。その無限、無償の同情ゆえに。人はしかし超克するために生を受け、かつ生き続けるべく命題を課す。

F.S.0001.01.01、統幕は試験航行のため本星を離れていた旗艦"Abraxas"を中心に、"Descartes"のレプリカを搭載する特殊戦闘機部隊、"Parhelia"を編成。同日12:08、成功率0コンマ以下の戦闘、コード"Engage"を着装。ガラスの靴を唯一の頼りに、人々は失った伴侶を求めて闇を見つめる。


 「サイドプロテア」のmirawi(みらゐ)氏、「CODE Z.T.S.LABEL」のZTS氏、「The Ivory Tower」のKei氏、「serialexperiments」のINTERFACE氏の4名によって制作され、'03年に発表された作品。アルバム1枚が丸ごと、架空のシューティング・ゲーム"Parhelia"(パフィリア)のイメージサウンドトラックという趣向になっています。ゲーム本編は存在しませんが、Kei氏による約4分のフルCGオープニングムービーがCD-EXTRAで収録されており、イメージを膨らませてくれます。また、様々な用語が散りばめられた本作のシナリオはINTERFACE氏によるもの。途中で人間側の視点からAI側の視点へと入れ替わって語られるという二部構成になっています。技術的特異点を迎え、A.I.と人類が全面戦争に突入。人類側は圧倒的不利、それでもなお、一縷の望みを託し戦いへ身を投ずる――という悲壮感溢れるプロットは、まさしくSTGの様式美とも言えるものでありましょう。

 楽曲はみらゐ氏とZTS氏が分け合う形での制作。オープニング・機体セレクト・ステージ曲・ボス曲・中間デモ・エンディング、果てはネームエントリー・ゲームオーバーに至るまで用意されており、ステージ曲は一部・二部で各3曲の計6曲、ボス曲は隠しボスも含めて計3曲用意されているという凝りよう。各曲にはストーリーライン的な副題もついており、このあたりは「レイクライシス」のサウンドトラックへのリスペクトを伺わせます。流線型の展開の中で飛び出すメロディが一際印象深く光る"The Mom"。ZTS氏のZUNTATA(というかTAMAYO嬢への)リスペクトが色濃く伺える"The Cinderella Syndrome"。うねりを伴いながらストイックな疾走感で駆け抜ける"The Two Cradles"。変則的構成のGABBAチューン"The Silent Instructor"。オープニングで提示されたメロディが悲壮感を帯びてリプライズされる終盤の"The Common Tragedy"など、先行STG作品へのリスペクトを感じさせる、これぞシューティングといった四つ打ちテクノサウンドがメインとなって展開されています。醒めたような曲調の急激な変化が夢オチのようにも取れる"The Restaurant With Many Orders"や、ストリングスサウンドをフィーチャーし、敢えて淡々とした印象を抱かせるような仕上がりになっているエンディング"The End Of Eden"など、聴き手の想像に任せる含みを持った部分が多く見受けられるのもイメージサントラならではの魅力だなと思います。細部までこだわりにこだわり抜いたゆえ、最終的には容量を削らざるを得なくなったそうですが、それでも、4人が練り上げたヴィジョンは十二分に伝わってきます。これを力作と呼ばずして何と呼びましょうか。

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- THE SYNTHETIC SHOOTING GAME FOR THE RISING GENERTION -
P A R H E L I A

01. The mom [ opening ] ―「思い出をあげる」と、母は言った。
02. The hesitation for death [ select ] ―死への躊躇
03. The cinderella syndrome [ stage 1 ] ―ずっと、あなたが、好きでした。
04. The optimal clause [ boss A ] ―脳内モルヒネ
05. The exclusion of obstacle[ stage clear ] ―障害の排除
06. The two cradles [ stage 2 ] ―こどもらしく
07. The adolescent conflict [ stage 3 ] ―ある日、老婆は少女の格好をして。
08. The blindness [ alternate ] ―ミネルヴァの梟は夜に飛ぶ
09. The calyxes of flowers [ stage I ] ―優等生の悩み
10. The broken chairs [ stage II ] ―やさしいキスの探し方
11. The silent instructor [ boss B ] ―けれど水は水のまま
12. The common tragedy [ stage III ] ―雪の降らない聖夜
13. The restaurant with many orders [ ult. boss ] ―ごきげんよう、さようなら。
14. The end of eden [ ending ] ―あなた誰?
15. The akasic record [ name entry ] ―花壇の踏み跡
16. The last supper [ game over ] ―最後の晩餐

PRESENTED BY :
MIRAWI (MEAL AND EXCRETION)
ZTS (CODE ZTS LABEL)
INTERFACE (SERIALEXPERIMENTS)
KEI (THE IVORY TOWER)

SCENARIO: INTERFACE
VISUALCONCEPT: INTERFACE、KEI
MOVIE:KEI

SOUNDCONCEPT:MIRAWI、ZTS
COMPOSE: MIRAWI(②④~⑥⑧⑨⑫⑭⑯)、ZTS(①~③⑦⑩⑪⑬⑮)

STORYDESIGN:MIRAWI、INTERFACE
DIRECTOR:TEAM PARHELIA


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▼「Parhelia - シナリオ/用語解説」(Internet Archiveのログ)
▼「Parhelia座談会」(Internet Archiveのログ)
▼「Parhelia Official HP」(Internet Archiveのログ)

●PHPH-001 | Parhelia Original Sound Track - VGMdb

■サイドプロテア
■zts website
■The Ivory Tower
■serialexperiments

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2014年2月16日に、みらゐ、こと石橋渡さんがこの世を去られました。
ご友人による訃報文が5月23日付で掲載されております。
http://luvkraft.tumblr.com/post/86659400334/2014-2-16

再生ハイパーべるーヴの『ぱんださんようちえん』を聴いた時の衝撃は、未だに忘れられません。その後、『未来のエネルギー』『Parhelia』『きりんさん女子大生』と追っかけて聴くようになり、近年では『夜明けのトロア滲む』『コルドルアの異系*ColdolR』といった作品で、変わらず自分を魅了してくれました。同人音楽の魅力を知ったのも、あなたの作品が大きなキッカケだったと思っています。本当に、本当にありがとうございました。

2014年5月11日日曜日

FLAMING LIPS、MAGMA、LOU REED、DOORSのアルバムが織り成す学園音楽ミステリ ― 高木敦史『演奏しない軽音部と4枚のCD』(2014)

演奏しない軽音部と4枚のCD (ハヤカワ文庫 JA タ 13-1)演奏しない軽音部と4枚のCD (ハヤカワ文庫 JA タ 13-1)
(2014/03/20)
高木 敦史

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 音楽アルバムを主軸にして展開される学園ミステリ連作短篇集。主人公は、高校一年生の少女 楡未來。中古CDレコードショップ「ライト・マイ・ファイア」を経営していた彼女の叔母が遺した4枚一組のCDに秘められたメッセージを解くため、軽音部 の部室に赴き、楽器は演奏しないがディープな「聴き専」部員で知られる塔山雪文と出会うところから物語は始まります。タイトルの『演奏しない軽音部と4枚 のCD』の「4枚のCD」とは、THE FLAMING LIPS『Zaireeka』、MAGMA『Köhntarkösz』、LOU REED『Metal Machine Music(無限大の幻覚)』、THE DOORS『Light My Fire(ハートに火をつけて)』の4枚。各アルバムのタイトルはそのまま各章のタイトルにもなっています。


ZaireekaZaireeka
(1997/10/28)
Flaming Lips

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 ちなみに、自分が本書を手に取ったキッカケは、MAGMAが出てくると小耳に挟んだからでありました。MAGMAを取り上げた第二話「コンタルコス」は、あ る日、未來が文芸部の友人から「読んで欲しい」と『コンタルコスの供物』という小説を差し出されたことが発端となる話。それは部の先輩が書いた小説『コン タルコスの墓』と酷似していることに気づき、てんやわんやのひと騒動が起こる…というもの。軽い小ネタ程度のものなのかなと思っていたわけですが、これが もうガッツリとした大ネタ。プログレッシヴ・ロックとは何ぞやというところから始まって、MAGMAというバンドとは一体何ぞやと、塔山くんがバンドの音 楽性やバイオグラフィまでアレコレと丁寧に解説しております(ちなみに途中で、ストーリーやコンセプトに基づいた音楽アルバムの例としてFLAMING LIPSの『Yoshimi Battles The Pink Robots』【※1】や、JETHRO TULLの『ジェラルドの汚れなき世界』【※2】を引き合いに出していたりもします)。


コンタルコス (紙ジャケット仕様)コンタルコス (紙ジャケット仕様)
(2009/04/10)
マグマ

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 キッカケは全くの興味本位からでしたが、塔山くんのキャラも相まってストーリーそのものにすっかりハマってしまった次第。そのほか、会話の中でチラリと出てく るアーティストやバンドの小ネタにもニヤリとするものが多々あります。塔山くんが「サイモン・フィンはシンガーソングライターのとこにあるけど、向こうに アシッド・フォークのジャンル棚があるからそこに置くべきだ【※3】」と言うシーンや、「ロック界でいちばん演奏が下手と言われている三人姉妹バンドのセカンドアルバム【※4】」について語るシーン。倉庫のCDをいくつか貸してくれると嬉しいということで「アメイジング・ブロンデルの初期のアルバム【※5】」「キャプテンレコードのCD【※6】」「メタルバンドによるABBAのトリビュート盤【※7】」「吐痙唾舐汰伽藍沙箱【※8】」「小沢健二のアルバム未収録シングル【※9】」といったものを挙げるくだりなど、塔山くんは相当ディープに音楽趣味をこじらせているなあとひしひしと感じてしまいました。


無限大の幻覚~メタル・マシーン・ミュージック(紙ジャケット仕様)無限大の幻覚~
メタル・マシーン・ミュージック
(紙ジャケット仕様)

(2006/08/23)
ルー・リード

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 本書はライトなミステリ短編として読めるのはもちろん、ディスクガイドといった趣にもなっているのがまた何とも心ニクいのであります。著者である高木氏の音 楽嗜好がかなり反映されているのは間違いないでしょう。こう言ってしまうのも何ですけど、ミステリパート以上に音楽ネタの方に力が入っているように思える ところもチラホラあって、そこがまた微笑ましくも楽しい。というわけで、アレやコレやの小ネタについては下の方に色々書きましたが、本書で登場する4枚の アルバムについてはここでは詳しく書きません。一番最後にはボーナス・ディスク的な章もありますので、実際に本を手にとって確かめてみてください。アナタ が塔山くんのようなコアな音楽趣味の持ち主であれば、是非とも一読をオススメいたします。あっ、国内一億数千万のコバイア星人の方々も、是非。


ハートに火をつけてハートに火をつけて
(2013/07/24)
ザ・ドアーズ

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【※1】"Yoshimi Battles The Pink Robots"。2002年に発表したアルバム。タイトルにもある通り、ヨシミという空手少女がピンク色のロボットと闘うというストーリーアルバム。全編 に渡って暖かみと浮遊感に包まれており、夢見心地に浸れる1枚です。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0072KWQ3K

【※2】"Thick As A Brick"。バンドが1972年に発表した、40分を越えるタイトル曲から成るアルバム。"ジェラルド・ボストックという8歳の少年が書いた風刺的な詩 を元にして制作された"という「架空の」コンセプトで作り上げられた作品。架空の新聞記事をあしらったジャケットと共に、人を喰ったアルバムです。バンド は同作で初の全米チャート1位を獲得。なお、2012年にはアルバムの続編が発表されています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00GZ3RPGI

【※3】Simon Finn。1970年にアルバム『Path The Distance』を発表して姿を消し、アルバムは英国アンダーグラウンド/アシッド・フォークの名盤として語り継がれ、伝説となったイギリスのフォー ク・シンガー。長らく音楽活動から離れていたものの、2005年に35年間の沈黙を破り2ndアルバム『Magic Moments』を発表して復活。その後はコンスタントにアルバムを発表しているだけでなく、2011年には奇跡の来日公演が行われ、局地的に話題にもな りました。
http://www.simonfinn.co.uk/

【※4】本 編では名前を出していませんが、THE SHAGGSのことです。ヘタウマともまた違う境地を見せたバンドであり、かのフランク・ザッパが「ビートルズよりも重要なバンド」と言ったとか言わな かったとか。塔山くんが触れている2ndアルバム『Shagg's Own Thing』は、1975年に発表された作品。ちなみに三姉妹の次女 Dorothy Wiggin Sempriniは、今ではすっかりおばあちゃんですが、近年自分のバンドDOT WIGGIN BANDを結成し、2013年に何とアルバムデビューしてたりします。
http://www.dotwigginband.com/

【※5】AMAZING BRONDEL。ハープシコードやリュート、クラムホルン、リコーダーなど様々な楽器をフィーチャーしたクラシカルな響きのフォーク・ロックを奏でるグループで、1977年に活動を停止したものの、1997年にバンドを再編。現在も活動中。

【※6】宝島社がかつて運営していたレーベル。町田町蔵や有頂天、ウィラード、メトロファルス、ZIN-SAYといった80年代ニューウェイヴ/パンク系のバンドのカタログを多数リリースしておりました。カタログ一覧はこちらのサイトを参照のこと。
http://www.geocities.co.jp/radiodaze76/captop.html

【※7】『A Tribute to ABBA』。2001年に大手ヘヴィメタルレーベルのNuclear Blastからリリースされた企画盤。THERION、AT VANCE、SINERGYをはじめ、渋いところではROUGH SILKやSARGANT FURY、MORGANA LEFAY、TAD MOROSEらも参加。『ABBA METAL』としてキングレコードから国内盤も出ていました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005L8KE

【※8】斎 藤哲夫、五つの赤い風船の西岡たかし、ジャックスの木田高介によって編成されたアシッド・フォーク・プロジェクト「溶け出したガラス箱」が1971年に URCレコードからリリースした唯一のアルバム『吐痙唾舐汰伽藍沙箱』。ゲストで細野晴臣、加藤和彦、竹田和夫といった面々も参加した1枚です。

【※9】こういうまとめがあります。
http://www.nicovideo.jp/mylist/9972199

2014年5月6日火曜日

70年代英国のカルト的オルガン・ロック・バンド、41年ぶりの復活作― BRAM STOKER『Cold Reading』(2014)

Cold ReadingCold Reading
(2014/01/19)
Bram Stoker

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https://itunes.apple.com/jp/album/cold-reading/id731027437

 かの怪奇小説の古典的名作「吸血鬼ドラキュラ」の著者であるエイブラハム “ブラム“ ストーカーからバンド名を取り、1972年にWindmill Recordsというマイナーレーベルからアルバム『Heavy Rock Spectacular』を発表したイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド ブラム・ストーカー。ATOMIC ROOSTER、アーサー・ブラウン、THE NICE/キース・エマーソンなどからの影響も伺わせる、オルガンをフィーチャーしたプログレッシヴ・ロックを聴かせる好バンドだったのですが、メンバーの詳細も殆どわからないまま同年にひっそりと姿を消してしまいます。唯一残された『Heavy Rock Spectacular』はカルトなアルバムとして幾度となく再発を重ねてきたのですが、近年になってバンドが復活。今年1月に実に41年ぶりとなる新作オリジナルアルバムをリリースしました。カルトなアシッド・フォークで異彩を放ったCOMUSや、Vertigoレーベルに二枚のアルバムを残したCRESSIDAなど、70年代の英国勢が数十年ぶりに復活を遂げている昨今ですが、このバンドは存在自体が非常にマイナーなこともあり、再結成は恐らく誰も予想だにしていなかったのではないでしょうか。世の中何があるかわかりませんね。

 再編されたブラム・ストーカーは、オリジナルメンバーでキーボードのTony Bronsdon、ギター、ベース、アレンジ、プロデュース担当のTony Lowe、ドラマー兼ヴォーカリストのWill Hackを迎えたトリオ編成。また、オリジナル・ベーシストのJon Bavinも、2曲の作曲に関わっているようです。Tony氏はジュリアン・レノンやロジャー・ダルトリーやトーヤ・ウィルコックス、VISAGEやPET SHOP BOYSなどのアルバムへの参加歴があるとのこと。近年では、The Artaud Beats(元HENRY COWのメンバーらによるバンド)のユミ・ハラ・コークウェル氏とアルバムを制作されてもおります。そういった氏のキャリアを知ると、今回のBRAM STOKERのアルバムがブランクを感じさせない内容なのもなるほど頷けるところです。また、氏は元KING CRIMSONのデヴィッド・クロスとは古くから付き合いがあり、現在、彼と共同でアルバムを制作されているとか。

 『Heavy Rock Spectacular』では当時の録音環境もあってか垢抜けなさがありましたが、本作では洗練されたシンフォニック・ロックを展開しており、PENDRAGONやIQのような英国ネオ・プログレッシヴ・ロックの流れも汲んだメロディアスなものにもなっています。1stアルバム収録曲"Fast Decay"のリメイクも含めて、見違えるほどにスッキリしていますが、それでもやっぱりどこか古めかしい感触を残しているのがミソです。抜けるように爽やかな感触のオルガン・ロック"Climbing The Gyroscope"や、CAMELを強く彷彿とさせるジェントリーなヴォーカルとギターが柔らかに包み込む"Cold Reading" "Like Autumn Now"、クラシカルな響きのハモンドオルガンと泣きのギターによる愛くるしいインスト"Joust" "Fingal's Cave"、ミドルテンポのヘヴィ・プログレ"Light At The End Of The Tunnel"と、いずれも叙情性に重きを置いた楽曲揃い。そこそこトンガっていた70年代の頃とは別物のようになってしまった感もありますが、シンフォニック・ロック好きの琴線をくすぐるコンパクトな良作に仕上がっていると断言できます。流通がごくごく限られていた数十年前と違い、現在はデジタル配信での流通もバッチリ整っているので、過去の作品とともに再評価されてほしいですね。

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