2014年12月12日金曜日

ZABADAK『COLORS』(2001)


COLORSCOLORS
(2001/11/01)
ザバダック

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ZABADAKの'01年作品。今作では沖縄民謡やレゲエなどにも歩み寄り、暖色の味わいにスポットを当てたものとなっています。躍動的な曲調もさることながら、夢と現実が交錯し、どこか怖さも感じさせるファンタジー/メルヘン調の詞も素晴らしい「僕のビー玉」。ぶ厚いアンサンブルとコーラスで、サイケデリック・ポップのような浮遊感も演出した「八月(まなつ)のパーティ」。真夜中の海辺のような寒々とした静寂の中、ピアノやギターが道を示していくかのように聴き手を導いていくプログレッシヴなインストゥルメンタル「Bird's Island」。さざ波とカモメのSEを引き継ぎながら一転して太陽が燦々と照るかのような、小峰公子さんの朗々としたヴォーカルと三線が印象的な沖縄民謡調ポップス「星ぬ浜」。沖縄民謡&レゲエタッチで可愛らしげに進むかと思いきや、爆音とサイレンが鳴り響き、一転して激しさを増す血生臭い変拍子展開へ突入、かと思えば再び何事もなかったかのように元に戻るという意味深な構成で子供たちへのかけがえのない愛を歌った9分半の大曲「天使の匂い」。沖縄民謡調ながらも、"いつものザバダック"といった安心感もおぼえる「夏至南風(カーチバイ)」。アコースティック・ギターとヴォーカル/コーラスのみで見事に荒涼とした光景を聴き手に喚起させる「夜明けまで」。ストレートに愛する人へのメッセージを届ける、まさにウェディングな趣の「COLORS」。ラストは聴き手を心地よいまどろみを誘う「おやすみ」でハートウォーミングに締めくくります。大人も子供も、そしてポップス好きにもプログレ好きにも琴線を触れさせる間口の広いアルバムです。この万華鏡のような音楽性は、相変わらず聴く者の心をガッチリとつかまえて離してくれません。



http://www.zabadak.net/