2014年1月28日火曜日

KEEF HARTLEY BANDやCARAVANに在籍したキーボーディスト Derek Austinについて



YouTubeで見つけたこのライブラリー音源が素晴らしくて、しばらく聴き入っておりました。コンポーザーのDerek Austin氏について気になって調べてみたところ、彼は1971年ごろにKEEF HARTLEY BANDに、1972~1973年ごろにCARAVANにキーボーディストとして在籍されていた人であることを知りました(それ以前には、1970年にGASSというバンドでフルートやキーボード、パーカッションを担当されていたとか)。CARAVAN脱退後、1977年にはリンダ・ルイスのアルバム『Woman Overboard』の一部楽曲のアレンジや、演奏に参加。その後はセッション・ミュージシャンとしての活動を行う一方、サウンドトラックやライブラリー音源の制作も行っております(冒頭の音源は82年に制作された『Power Plus』というライブラリー音源集の楽曲です)。ちなみに、1987年に公開されたポール・バーホーベン監督の「ロボコップ」のサウンドトラックでシンセサイザーを演奏されているのはデレク氏です。



また、1983年には「China Freefall」なる作品(詳細不明)の劇伴を制作しているのですが、このサントラは何と、キース・エマーソンが担当したアニメ「幻魔大戦」の劇伴とのカップリングでリリースされていたようです(未CD化)。まったくもって謎の抱き合わせであります。楽曲はYouTubeで全曲聴けます。少々東洋風味も匂わせるシンセサイザー・インストゥルメンタルで、なかなかの内容です。
http://www.discogs.com/Keith-Emerson-Derek-Austin-Harmagedon-Original-Soundtrack/release/3445349



1990年代に入ると、ジミー・ペイジとも縁の深いギタリスト ビック・ジム・サリヴァン、数多のブリティッシュ・ロック・バンドを渡り歩いたベーシスト ハービー・フラワーらとバンドを結成、途中 メンバーの脱退やバンド名の改名などもありつつ、98年ごろまで活動します。この頃、ハモンド社とのエンドース契約によって制作されたアルバム『Red Hot Hammond』をリリース。このアルバムにはジム、ハービーの他、GENTLE GIANTのドラマーであるマルコム・モルティモアもフィーチャリングで参加しております。

...Plays Red Hot Hammond...Plays Red Hot Hammond
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Derek Austin

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https://itunes.apple.com/jp/album/red-hot-hammond/id447790535


production music online | Derek Austin
DEREK AUSTIN info
Derek Austin | Credits | AllMusic
Derek Austin - Discogs

2014年1月27日月曜日

石渡太輔 (編曲:高梨康治)『ギルティ・ギア オリジナル・サウンド・コレクション』(1998)

「ギルティ・ギア」オリジナル・サウンド・コレクショ ン「ギルティ・ギア」オリジナル・サウンド・コレクショ ン
(1998/05/21)
ゲーム・ミュージック

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アークシステムワークスの人気タイトルである対戦格闘ゲーム「ギルティギア」シリーズ。本CDは98年にプレイステーション用ソフトとしてリリースされた初代ギルティギアのサウンドトラック。メインコンポーザーはシリーズの生みの親でもあるマルチクリエイター 石渡太輔氏で、CDのライナーノーツにはハード・ロック/ヘヴィ・メタル サウンドへのこだわりを伺わせる氏のコメントも掲載されております。「プレイステーションのCD-ROMを生かして生のギターサウンドをやりたかった。」ということで、ギターとベースは生音での収録。さらに、河口湖のスタジオでレコーディングを行うという気合の入りようです。「広くて緑が豊かな環境でスタッフもミュージシャンも、いい雰囲気でノリも良く、思い切りやれた。」とは石渡氏の弁。ハード・ロック、ブルーズ・ロック、ネオクラシカル、スラッシュ・メタルと、ひたすらにノリが良く高揚感のあるサウンドをとことんまで堪能出来ます。

このレコーディングに参加し、全楽曲の編曲を手がけたのが、HELLENやJ.D.K.BANDなどを経て、和風ハード・ロック・バンド六三四で活動していたキーボーディスト/コンポーザーの 高梨康治氏。レコーディング・メンバーにはバンドメイトであるベーシストの瀧田勇氏も参加しております。また、ギタリストの大畠翔太郎氏は、高梨・瀧田の両氏と共に、YMOのメタルアレンジ企画バンド「Metal Service」のアルバム『YELLOW METAL ORCHESTRA』に参加されていた人です。ちなみに同アルバムがリリースされたのは、このサントラの3ヶ月前。そしてこのサントラの3ヵ月後には、六三四の2ndアルバム『Far East Groove』がリリースされます。



いずれもギターがここぞとばかりに必殺のフレーズを奏でる様式美調の"Holy Orders(Be just or be dead)" "A Fixed Idea" "Writhe In Pain" "Meet Again"は初期の名曲。また、"Prologue (Shout & Burning)"と"Epilogue (The Missing Link)"の2曲はサウンドトラックのために書き下ろされた曲です。後者はシンセによる物悲しいインスト・バラードゆえに、高梨氏のアレンジの色が出ているように思います。明快なハード・ポップ"Unidentified Child"や、シャッフル・ビートとピアノ/オルガンのフレーズがフィーチャーされた"I'm Oldman"、ハモンド・オルガン風ソロが聴ける"Play It High"もGOODな1曲。


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01. Prologue (Shout & Burning)
02. Keep Yourself Alive (ソルのテーマ)
03. Holy Orders (Be just or be dead) (カイのテーマ)
04. Black Soul (ザトーのテーマ)
05. Unidentified Child (メイのテーマ)
06. Suck A Sage (チップのテーマ)
07. In Slave's Glory (ポチョムキンのテーマ)
08. The March Of The Wicked King (アクセルのテーマ)
09. Writhe In Pain (ミリアのテーマ)
10. Suspicious Cook (ボルドのテーマ)
11. Pride And Glory (クリフのテーマ)
12. A Fixed Idea (テスタメントのテーマ)
13. Meet Again (ジャスティスのテーマ)
14. Momentary Life (バイケンのテーマ)
15. Conclusion (ソルVSスカイのテーマ)
16. Prickle Man (オープニング)
17. Mince (キャラクターセレクト画面)
18. I'm Oldman (オプション画面)
19. Come On! (Vs曲)
20. METAL (コンティニュー)
21. Death And Republic (ボス・デモ)
22. Deadend (ゲームオーバー)
23. Way (メイ、ミリア&クリフのスタッフロール)
24. Play It High (ポチョムキン、ザトー&ボルドのスタッフロール)
25. Love Letter From... (ソル、カイ、チップ&アクセルのスタッフロール)
26. Epilogue (The Missing Link)
27. SE


[COCC-15090](1998.5.21)

Music Composed:石渡太輔、植松隆広、高見初秋、森藤卓弥
All Songs Arrangement&All Keyboards:高梨康治
All Guitars:大畠翔太郎
E.Bass:瀧田勇
Synthesizer Programming:山崎哲雄


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GUILTY GEAR - Wikipedia
高梨康治 - Wikipedia
日本ゲームスタッフリスト協会 - ギルティギア

Metal Service「YELLOW METAL ORCHESTRA」(1998)

2014年1月26日日曜日

LAMUSE、高梨康治 他『魔女っ子戦隊パステリオン』(1998)

CDドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン」CDドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン」
(1998/04/21)
イメージ・アルバム、LAMUSE 他

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月刊Gファンタジーで連載されていた松沢夏樹さんのギャグ漫画作品「魔女っ子戦隊パステリオン」のドラマCD。主題歌が1トラック、ドラマCDパートが6トラックの全7トラック。LAMUSEによる主題歌"魔女っ子戦隊パステリオン"の作編曲をキュアメタルゴッド高梨康治氏が手がけております。また、同曲はLAMUSEの2ndシングルのB面にもなっております。



LAMUSEはこのドラマCDにも参加されている中川亜紀子(ds)、小谷伸子(vo.kbd)、小泉理奈(b)、山口克子(g)の女性声優4人によるガールズバンド。97年に1stシングル『SPURT!』、98年に2ndシングル『ORIGINAL』、3rdシングル『FANTASY TOUR』をリリース。他にドラマCDや、「テツワン探偵ロボタック」の挿入歌などで活動を行っていたようですが、バンドの改名やメンバーチェンジ・脱退などを経て01年に解散。小泉理奈さん、山口克子さんは声優から引退、小谷伸子さんはNobukoと改名し、声優からシンガーとしての活動にシフトされ、現在はthe viridian cloverというユニットで活動されているようです。メンバーで現在も声優を続けているのは中川亜紀子さんのみ。彼女は数年前に「フレッシュプリキュア!」でキュアパインのCVを担当されたのはまだ記憶に新しいですね。

ハードロックな2ndシングル"ORIGINAL"。こちらも高梨氏が作編曲を手がけられております。


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01. 魔女っ子戦隊パステリオン (作詞:田神悠 - 作編曲:高梨康治 - 歌:LAMUSE)
02. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter1
03. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter2
04. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter3
05. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter4
06. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter5
07. ドラマ「魔女っ子戦隊パステリオン 華麗に見参!」Chapter6

[COCC-14997](1998.4.21)

天寺鈴希(パステルレッド):夏樹リオ
月夜美琴(パステルイエロー):中川亜紀子
裾野雪彦(パステルブルー):南央美
D-アーネ:久川綾
プラッティ:小谷伸子
ライアー:小泉理奈
レイン:山口克子
発明おじさん:若本規夫
てやんでいゴールド:丸山直人
べらぼうめシルバー・こんちくしょーホワイト:山岸功
いいではないかブラック・怪人:福田憲治
あーれえーピンク・子供A:石川静
子供B:武田亜希

観客:ハリー松沢(松沢夏樹)


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魔女っ子戦隊 パステリオン - Wikipedia
LAMUSE - ニコニコ大百科
中川亜紀子 - Wikipedia
Nobuko - Wikipedia
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2014年1月25日土曜日

上坂すみれ『革命的ブロードウェイ主義者同盟』(2014)

革命的ブロードウェイ主義者同盟【通常盤】革命的ブロードウェイ主義者同盟【通常盤】
(2014/01/08)
上坂すみれ

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ロシアとサブカルとミリタリーとロリータファッションを愛する声優、すみぺこと上坂すみれ嬢の1stアルバム。1st、2ndシングルからの楽曲も全て(6曲)収録した上、インストゥルメンタルを数曲挟んだ全14曲。アルバム前半の作編曲は、元OLDCODEXのメンバーであり、新谷良子さんなどの楽曲の作編曲を多数手がけられているR・O・N氏と、エレクトロ/トランス系を得意とする遠山明孝氏によるもの。アジテーションとダブステップによるイントロダクション"予感"、リードトラック"革命的ブロードウェイ主義者同盟"、そしてハッピーなアッパーチューン"サイケデリック純情"と、EDMの流れを汲んだ尖った勢いで幕開けします。テトリスを恋愛に例えた"テトリアシトリ"は、桃井はるこさんの作詞・作曲、"YMO 4人目の男"こと松武秀樹氏の編曲によるキュートなテクノ・ポップ。

中盤からの楽曲は佐野電磁氏、伊藤賢治氏、光田康典氏といったゲームミュージックコンポーザー陣が作編曲のクレジットにズラリ。佐野氏による"SUMIRE #propaganda"はドラムンベースによる疾走感のあるトラックに吸い込まれそうなすみぺ嬢のヴォーカルが載るという、なるほど洗脳されそうな中毒性のある1曲。 伊藤氏による"我旗の元へと集いたまえ" "真・革命伝説"は共に王道のイトケン節が炸裂しており、前者は完全にロマンシング・サガで流れてもおかしくないバトルミュージック、後者はスパニッシュ・ギターとストリングスの絡みが美しい1曲でもあります。劇的なイントロで鷲掴みにされる"FLYERS"も、光田氏らしい颯爽としたアレンジで仕上げられたシンフォニック・ロック・チューン。すみぺ嬢のヴォーカルも伸びやかです。

"我らと我らの道を"は、軍歌趣味を嗜む彼女にとってはまたとなく嬉しかったであろう行進曲。桃井さんの作詞・作曲に加え、桃井さんのアルバムの常連制作メンバーであるHaraddy/鈴木勝彦氏の両氏が編曲を手がけた"げんし、女子は、たいようだった。"は、前向きでエネルギッシュなギターロックチューン。そして"哀愁Fakeハネムーン"は80年代アイドル歌謡路線な1曲なのですが、それもそのはず、「セイントフォー(※)が歌いたい」というすみれ嬢のリクエストに応えて制作されたそうです。作編曲を担当されたMONACAの岡部啓一氏がまた相当なセイントフォーマニアだったようで、往年のテクノ歌謡ど真ん中な素晴らしいアレンジに仕上がっています。さらに、セイントフォーの楽曲の作詞を手がけた森雪之丞氏が詞を提供しているのもポイントです。ラストの"七つの海よりキミの海"は、すみぺ嬢によるコメンタリー入り。アルバムの一連の流れをストーリー仕立てで丁寧に語っております。ニューウェイヴとメタルとロシア民謡が顔を出すキメラじみた曲調で話題になりましたが、作編曲者の神前暁氏がこの曲には上野耕路氏をリスペクトしたコード進行を盛り込んだとTwitterでつぶやかれていたのを見たときには納得の気持ちと共に思わずニヤリとさせられました。

終盤へ向かうほどに彼女の嗜好に寄って行くような内容になっており、やはり今風のエレクトロ路線よりも往年のテクノ・ポップ/ニューウェイヴ路線の楽曲の方が相性が良いなと改めて感じた次第です。最初のアルバムということもあってか、思っていたよりもサブカルテイストは控えめでしたが、今後さらに強めていくのは明白でしょう。既に"げんし、女子は、たいようだった。"のPVでイカ天出身バンドとして知られるカブキロックスとのまさかの共演を果たしていますし、3月リリースのシングル『パララックス・ビュー』では、彼女が敬愛する人物の一人であるオーケンからの作詞提供(明らかに筋肉少女帯"小さな恋のメロディ"のアンサーソング的な1曲というのがまた感慨深い)を、さらにカップリングでアーバンギャルドからの楽曲提供を受けております。彼女の人脈が今後どこまで広がるかも見ものであります。

※80年代後期に活動し、かの岩男潤子さんも在籍していた女性アイドルグループ。橋幸夫プロデュース。昨年なんと復活しました。



ナタリー - [Power Push] 上坂すみれ「革命的ブロードウェイ主義者同盟」インタビュー
ナタリー - [Power Push] 上坂すみれ「げんし、女子は、たいようだった。」インタビュー
ナタリー - [Power Push] 上坂すみれ「七つの海よりキミの海」インタビュー
フリーペーパー アニカン Vol.130(P5)

StarChild - 上坂すみれ
上坂すみれ - Wikipedia
上坂すみれ - ニコニコ大百科

2014年1月24日金曜日

FENCE OF DEFENSE『digiTaglam 2 RING WORLD』(2014)

digitaglam 2  RING WORLDdigitaglam 2 RING WORLD
(2014/01/08)
FENCE OF DEFENSE

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西村麻聡北島健二山田わたるによるプログレッシヴ・ロック・バンド フェンス・オブ・ディフェンスの最新作。1991年に発表した6thアルバム『digitaglam FOD VI』(以下、前作と表記)から実に23年ぶりとなる続編的作品であります。タイトルの「リングワールド」は、やはりラリイ・ニーヴンによる同名SF小説からとられたものでしょう(2008年のミニアルバム『円游律』の"Karma:Code"でもこのワードが使われていたところを見ると、結構こだわりがあるようですね)。アルバムは前作の構成がガッツリと踏襲されており、「あっ」となる部分がチラホラとあります。

前作では"パラノイアの危険な入り口" "digitaglam"というイントロダクション的トラックが2曲続く形でアルバムが幕開けするのですが、今回は"フラクタル" "digiTaglam 2"の2曲がそれを担う形になっています(ちなみに、"digiTaglam 2"には"digitaglam"で流れた女性の息継ぎのSEがサンプリングされているのもミソ)。また、曲間に1~2分ほどの意味深なSE群によるザッピング&コラージュな幕間を度々挟み、ミステリアスな流れを演出しているところも同様です。前作ではKING CRIMSONの"21st Century Schizoid Man"の歌詞を分解してランダムに散りばめたトラックがありましたが、今回は"Deficiency E Syndrome"のAメロの一部が"21st Century Schizoid Man"の節回しで歌われております。Deficiency E Syndrome Love。貴方センチにSchizoid Man。

"CHAOSmix""monochrome feedback"で聴けるような、エレクトロミュージックやポストロックを彼ら流に取り込んだ部分にアップトゥデイトな感もあるとはいえ、サウンドの方向性もあの頃のデジロック路線へといくらか回帰したのでは、という印象。"Go! Go! 55"のようなファニーなポップ・インスト・チューンや、90年代中期F.O.Dを思わせるカラッとストレートな"明日に向かってShout!"、プログレッシヴ・ハード・ポップなテイストの応援ソング"World Love in Japan"もあり、総じて見るとどこかレトロフューチャーな味わいみたいなものを感じます。代表曲である"SARA" "時の河" "Midnight Flower"の2014年版セルフカヴァーはいずれも大胆なアレンジが施されており、テンポを落とし、ヘヴィなデジタルサウンドとブラスセクションが主張する"Midnight Flower 2014"、力強さが優しさへと転化したようにも思えるほどにハートウォーミングな"SARA 2014"、ムーディーなサックスもフィーチャーされ、浮遊感溢れるラウンジ調になった"時の河 2014"と、原曲の歌謡プログレハードな趣からはかなり遠ざかった印象。予想していたものとはかなり違いましたが、これはこれでアリではないかと思います。「流れ流れていつかまた生まれ変わる」と、時の河の詞にもありますしね。「あの頃」のエネルギーを呼び戻しつつ、円熟というフィルターを通して再度結実させた1枚。

FENCE OF DEFENSE『digitaglam FOD VI』(1991)

FENCE OF DEFENSE:Wikipedia
FENCE OF DEFENSE OFFICIAL WEB

2014年1月23日木曜日

FENCE OF DEFENSE『digitaglam FOD VI』(1991)

デジタグラム‐FOD VIデジタグラム‐FOD VI
(1991/06/21)
FENCE OF DEFENSE

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細野晴臣のプロジェクト F.O.E(Friends Of Earth)にも参加していたサウンドプロデューサーの西村麻聡。織田哲郎のバンドのギタリストだった北島健二。T.M.NETWORKのサポートドラマーだった山田わたる。という、ビーイングのセッション系ミュージシャンとして活動していた3人がビーイングを離れた後に結成した フェンス・オブ・ディフェンスの6thアルバム。T.M.NETWORKと比較されますが、こちらはデジタル色と共にハードロック色も強く、硬派で骨太な印象。本作はバンドのデジタル志向とグラム/ハードロック志向、そしてプログレ志向が三味一体となったアルバムであり、バンドの代表作としても挙げられる作品。シティハンターのオープニング・テーマにもなった「SARA」を含む88年発表の3rdアルバム『III 2235 ZERO GENERATION』でも壮大なストーリーに基づいたコンセプトアルバム的な趣向を強く押し出していましたが、本作はKING CRIMSON「21世紀の精神異常者」の歌詞を分解しランダムに散りばめたイントロダクションや、何度も差し挟まれる幕間などが象徴するように、これまで以上にプログレ面を追求した印象を感じさせます。「パラノイアの危険な入り口」「digitaglam」の二重のイントロダクションから繋がるダンサブルな「9.9.9」はまさにアルバムの幕開けを飾るにふさわしい流れ。デジロック/ポップスの手法も相当の強度でもって発揮されており、ユーモアも交えたストレートな楽曲でラストまでストイックさや難解さとは無縁なまま押し通しております。ピアノ乱弾きの幕間「知識のテロリズム」の混沌としたテンション。それを一気に引っくり返すハードロックナンバー「無条件完全降伏」。演説サンプリングやLED ZEPPELIN「移民の歌」をデジロックアレンジしたパロディに加え、ピッチシフターで終始ヴォーカルの音程が変わり続けるという「恋の独裁者」など、後半に行くほど顕著になるはっちゃけ具合が印象的です。貫禄だけでなく余裕すら感じるのはやはり各メンバーキャリアの長さ故でしょうか。

「digitaglam FOD VI」:Wikipedia
FENCE OF DEFENSE:Wikipedia
FENCE OF DEFENSE OFFICIAL WEB

2014年1月22日水曜日

かしぶち哲郎、鈴木慶一、鈴木博文、松尾清憲、大槻ケンヂ 他『西炯子 オリジナルアルバム 水が氷になるとき』(1991)

水が氷になるとき水が氷になるとき
(1991/11/27)
イメージ・アルバム、松尾清憲 他

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90年代初頭に「プチフラワー」や「JUNE」に掲載されていた西炯子さんの短編漫画作品をテーマにした楽曲を収めたイメージアルバム。サウンド・プロデュースのかしぶち哲郎氏を筆頭に、鈴木慶一氏、鈴木博文氏、武川雅寛氏らムーンライダーズの面々がそれぞれ作編曲や演奏に参加されているほか、松尾清憲氏がヴォーカルを担当。また、筋肉少女帯の大槻ケンヂ氏が1曲に作詞を提供しております。羽毛田丈史氏のピアノと武川氏のヴァイオリンのメリハリのある演奏がフィーチャーされた"鼓動"や、バグパイプの音色を織り交ぜて抜けの良い印象を感じさせる"犬とあなたと春風と"、PROCOL HARUMを意識したクラシカル・ポップス調の"凍る沼"など、インスト曲は冷ややかなようで繊細なイメージも垣間見せる仕上がり。4曲あるヴォーカル曲は、いずれも松尾氏のちょっと甘ったるい感じのヴォーカルが絶妙にマッチしております。オーケンが作詞を手がけた"堕ちてゆく船"は、少年の孤独感を飛行船に例えた詞がまた秀逸で、さすがのイメージ喚起力です。"ここにおいで II""水が氷になるとき"での、ひばり児童合唱団のコーラスとの絡みも実に華やか。「本作は楽しく制作できた。ライダーズ色も出せたかな。」というかしぶち氏のコメント(ライナーノーツより)も納得の、良質なコラボレーションから生み出された非常に丁寧なつくりのファンタジックなポップス・アルバム。実に「味なもの」を聴きました。





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1. 鼓動 - ここへおいでより
(作・編曲:かしぶち哲郎)

2. もうひとつの海
(作詞:西炯子 - 作曲:鈴木慶一 - 編曲:かしぶち哲郎 - 歌:松尾清憲)

3. 犬とあなたと春風と
(作曲:鈴木博文 - 編曲:かしぶち哲郎)

4. 凍る沼 - 氷が水になるとき
(作・編曲:かしぶち哲郎)

5. 堕ちてゆく船 - もうひとつの海より
(作詞:大槻ケンヂ - 作曲:鈴木慶一 - 編曲:かしぶち哲郎 - 歌:松尾清憲)

6. 組曲 ここへおいで I
(作・編曲:かしぶち哲郎)

7. 組曲 ここへおいで II
(作詞:西炯子 - 作・編曲:かしぶち哲郎 - 歌:松尾清憲)

8. 君去りてのち
(作曲:鈴木博文 - 編曲:かしぶち哲郎)

9. プロミス
(作・編曲:かしぶち哲郎)

10. 水が氷になるとき
(作詞・作・編曲:かしぶち哲郎 - 歌:松尾清憲)

Sound Producer:かしぶち哲郎
Keyboards & Synthesizers:羽毛田丈史
E.Guitar:鈴木智文
Violin:武川雅寛
Chorus:ひばり児童合唱団

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西炯子 - Wikipedia
ムーンライダーズ - Wikipedia
松尾清憲 - Wikipedia
大槻ケンヂ - Wikipedia

2014年1月20日月曜日

Dominique Breathes Rod Antoon THOMPSON TWINS 他『成田美名子 CIPHER オリジナル・イメージアルバム』(1990)

CIPHERCIPHER
(1990/07/21)
イメージ・アルバム

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白泉社の「LaLa」で1985年から1990年にかけて連載されていた成田美名子さんの漫画作品「CIPHER(サイファ)」のイメージアルバム。少女漫画作品のアニメ/イメージアルバムを中心にリリースしていた「ファンタスティック・ワールド」レーベル(ビクター音楽産業(現FlyingDog))の20番目のカタログでもあります。成田さん自らサウンド・プロデュースに参加されており、ライナーノーツには成田先生による各曲コメント、参加ミュージシャンの紹介も掲載。彼女の意向やこだわりが伺えるものとなっています。ロンドンでレコーディングされたという各楽曲のプロデュースは、ドミニク・ブレスロッド・アントゥーンのお二人。ドミニク氏はロンドンのWolf Studiosのオーナー兼エンジニアであり、この頃はDEPECHE MODEやTHE BELOVEDのアルバムのエンジニアも担当されておりました()。また、本作の制作メンバー集めも殆どが彼の人脈によるものであったとか。一方のロッド氏はCAMEOのツアーサポート キーボーディストであり、久保田利伸や高中正義、中山美穂などのプロデュースも手がけていた御仁です。

アルバムは、エレポップやユーロビート、UKヒットチャートなど、当時の流行もそこかしこに反映させつつ、全体的アーバンなムード漂うポップス・アルバムとして仕上がっております。PET SHOP BOYS風エレ・ポップ"KING OF PARADISE"や、"恋はあせらず"(の、フィル・コリンズのカヴァー・ヴァージョン)風な"I CAN'T GO ON"など、成田先生の嗜好がモロに出た楽曲。「人種のるつぼ」ニューヨークをイメージした多国籍なエッセンスがSEと共に散りばめられた"ALPHABET JUNGLE~DON'T STOP THE GROOVE"や、シンセとヴォイスから成る神秘的なムードの"REINCARNATION"と、インスト面も充実しておりますが、中でも成田先生の実弟でありジャズ・ピアニストの成田教氏が手がけられた"ROSE BUDS"は儚さを感じさせる秀逸な1曲(さらに付け加えると、演奏されている清水三恵子さんは、マライアなどの活動でも知られるサックス奏者清水靖晃氏の実妹であります)。また、本編のキャラクターであるアレクサンドラ・レヴァインをイメージしたアーバンなファンク・チューン"LOOKS ARE DECEIVING"ではSING LIKE TALKINGの西村智彦氏がギターを弾いています(ちなみにこの頃のSLTのアルバムのプロデュースは、前述のロッド氏)。"HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS"はジュディ・ガーランドのレパートリーのカヴァー。ラストは、なんとこのアルバムのためにTHOMPSON TWINSの二人が書き下ろしたという"LOVE LIKE AN ESKIMO"で〆。日英米のミュージシャン達の丁寧な仕事ぶりにも感じ入ることしきりな、贅沢な1枚であると言えます。



※これ以前には、HENRY COWのティム・ホジキンスンのアルバムにエンジニアとして関わられていた模様。90年代以降はCamberwell Now、チャールズ・ヘイワード、クリス・カトラー、ピーター・ブレグヴァド、ELEND、PORCUPINE TREE、ミック・カーン、THIS HEATなどのアルバムのミキシングやマスタリングも手がけられております。
http://www.allmusic.com/artist/dominique-brethes-mn0000798335

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『成田美名子 CIPHER オリジナル・イメージアルバム』(VICL-48 / 1990.7.21)

01. INTRODUCTION~LOVE LIKE AN ESKIMO

02. MIRROR FOR YOU (Mark O'Donoughue / Paul Plant)
Paul Plant(kbd.g.programming)
Nikki Racklin,Mark O'Donoughue(backing vo)
Sally O'D(vo)


03. I CAN'T GO ON (Nikki Racklin / Maurice Hazan)
Maurice Hazan(kbd.g.b.vo)
Peter Stroud(ds)
Nikki Racklin(backing vo)


04. ALPHABET JUNGLE~DON'T STOP THE GROOVE (Pete Thomas / Maciek Hrybowicz)
Maciek Hrybowicz(g.programming)
Pete Thomas(kbd.programming)
Powerful Pierre(sax)
Raoul D'Oliviera(trumpet)
Tony Aldridge(vln)


05. ROSE BUDS(成田教 / 清水三恵子)
清水三恵子(kbd.Akai Philharmonic)

06. KING OF PARADISE(Dominique Breathes / Simon Hook)
Dominique Breathes(kbd.g.programming)
清水三恵子(samplers.backing vo)
Mal Henry(backing vo)
Tonin(vo)


07. LOOKS ARE DECEIVING (Rod Antoon)
Rod Antoon(vo.ds & syn programming)
西村智彦(g. [SING LIKE TALKING])
J.Page Porrazzo(Man on the Street)


08. REINCARNATION (David Ferguson)
David Ferguson(kbd.programming)
Chrissie Antony,Laurie O'Neil(voice)


09. HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS (Hugh Martin / Ralph Blane)
清水三恵子(kbd)
Paul Plant(g)
Michael Christie(b)
Peter Stroud(ds)
Simone Lee(vo)


10. LOVE LIKE AN ESKIMO (Tom Bailey / Alannah Currie [THOMPSON TWINS])
Chris Owens(vo.backing vo)
Nancy Scott(backing vo)
Rod Antoon(ds & syn programming)


Sound Produced By 成田美名子
①~⑥,⑧⑨ Produced By Dominique Brethes
⑦⑩ Produced&Arranged Rod Antoon


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成田美名子 - Wikipedia
CIPHER - Wikipedia

2014年1月19日日曜日

Phil Collins Deniece Williams THOMPSON TWINS メスカリン・ドライヴ 他『CIPHER THE MUSIC』(1989)




白泉社の「LaLa」で1985年から1990年にかけて連載されていた成田美名子さんの漫画作品「CIPHER(サイファ)」。コミックスのヒットを受け、1989年の3月には『CIPHER THE VIDEO』という約30分のOVA作品がリリースされました。ミュージックビデオ風の演出(MTV仕立て)もさることながら、登場人物の会話は全て英語というこだわりが伺える内容。ちなみにサイファ/シヴァ役のCVはスポーツキャスター/俳優の川平慈英氏が担当されておりました(収録風景の映像では、若かりし頃の慈英氏の姿もちょっとだけ見られます)。また、本編で使用されたヴォーカル曲を収録したコンピレーション・アルバム『CIPHER THE MUSIC』がOVAに先んじてリリースされています。洋楽ではフィル・コリンズ、デニース・ウィリアムス、ケニー・ロギンス、THOMPSON TWINS、邦楽ではメスカリン・ドライヴ、ARMY CALL UP TESTの楽曲を収録。


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CIPHER THE MUSICCIPHER THE MUSIC
(1989/01/21)
成田美奈子

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『CIPHER THE MUSIC』(VDR-20002 / 1989.1.21)

01. AGAINST ALL ODDS(見つめて欲しい) / Phil Collins
02. LET'S HEAR IT FOR THE BOY / Deniece Williams
03. FOOTLOOSE / Kenny Loggins
04. KAMIKAZE / THOMPSON TWINS
05. I DON'T LIKE / MESCALINE DRIVE
06. LIVING IN THE DARK / ARMY CALL UP TEST


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成田美名子 - Wikipedia
CIPHER - Wikipedia

2014年1月18日土曜日

Stöj Snak『Chronology Original Soundtrack 』(2014)

デンマークのOsao Gamesによるパズルアドベンチャーゲーム「Chronology」のサウンドトラック。作曲は同国のフォーク・パンク・ロックバンドStöj Snak。北欧的な情緒のあるどこかドリーミーなサウンド。





2014年1月17日金曜日

POLICEのスチュワート・コープランドによるゲーム音楽仕事 『Spyro the Dragon: Remastered Soundtrack』

98年に第一作目が発表され、海外では現在も人気シリーズとして新作タイトルが続々と発表されている「スパイロ・ザ・ドラゴン」。その初期三部作(プレイステーション1時代)の楽曲をまとめて収録したサウンドトラックが、昨年の5月に突如としてbandcampに上がりました(なお、同音源のCDでのリリースはない模様)。この頃のスパイロシリーズの楽曲は、CURVED AIRやPOLICE、ANIMAL LOGICなどのバンドや、映画やTVドラマなどの劇伴音楽の活動でも知られるスチュアート・コープランドが手かげたことで密かに(?)知られる逸品。スチュワート氏は前述の三部作(いずれも制作はInsomniac Games)である「Spyro the Dragon(スパイロ・ザ・ドラゴン)」(1998)、「Spyro 2: Ripto's Rage!(スパイロ×スパークス トンでもツアーズ)」(1999)、「Spyro: Year of the Dragon(日本未発売)」(2000)と、プレイステーション2/ゲームキューブで発表された「Spyro: Enter the Dragonfly」(2002)にコンポーザーとして関わられております。自身がドラマーということもあってか、独特のユルさを持ったリズムの中にレゲエやオリエンタル、ミニマル・ミュージックのエッセンスも散りばめられたトリッキーなプログレッシヴ・ポップスといった趣のインストゥルメンタルが揃っております。これはオススメ。

「Spyro the Dragon: Remastered」
 (※ダウンロード購入は出来ません、リスニングオンリー)
http://spyrothedragonremastered.bandcamp.com/album/spyro-the-dragon-remastered









Stewart Copeland - Wikipedia
Spyro (Series) - Wikipedia

2014年1月16日木曜日

谷山浩子 石井AQ 安藤芳彦 上野洋子 他『シークエンス オリジナルアルバム』(1990)

「シークエンス」オリジナル・アルバム「シークエンス」オリジナル・アルバム
(1990/01/26)


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かつて新書館の月刊ウィングスで連載されていた みずき健さんのジュヴナイルファンタジーコミックス「シークエンス」のイメージアルバム。CDは<IN MY SIDE>と<IN OUR SIDE>の二部構成となっており、<IN MY SIDE>の楽曲の作詞・作曲・編曲は、谷山浩子さんと石井AQ氏のコンビが担当されております。さらに、"MORNING TIME" "恋人" "COTTON COLOR"の3曲のヴォーカルでとるのは、ZABADAK(当時)の上野洋子さんであり、両者のコラボレーションが生み出すやわらかで幻想的な世界観が存分に広がりを見せています。なお、"COTTON COLOR"は後に谷山さんのアルバム『ボクハ・キミガ・スキ』にも収録されることとなります(一見可愛らしいイメージの曲ですが、その詞の裏には恐ろしいエピソードが秘められております)。一方の"空色飛行" "モザイク回廊"の2曲は石井氏による打ち込み曲なのですが、前者は時に激しく可変を見せるチェンバー・ロック調で、後者はベースがストレンジにのたうつ、実験的な趣向を感じさせる仕上がり。共にミステリアスな雰囲気に特化しており、石井氏の嗜好が色濃く出ているところもまた聴きものです。対する<IN OUR SIDE>はイメージドラマパートと、キャストの中村大樹氏・勝生真沙子さん・佐々木望氏がそれぞれヴォーカルをとるポップ歌謡なキャラクターソングが交互に展開される構成です。編曲を大御所 石田勝範氏、作詞をPARACHUTEの安藤芳彦氏、作曲をダイナマイト・シゲこと茂村泰彦氏がそれぞれ担当されております。





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<IN MY SIDE>
1: MORNING TIME (作詞・作曲:谷山浩子 - 編曲:石井AQ - 歌:上野洋子)
2: 空色飛行[instrumental] (作編曲:石井AQ)
3: 恋人 (作詞・作曲:谷山浩子 - 編曲:石井AQ - 歌:上野洋子)
4: モザイク回廊[instrumental] (作編曲:石井AQ)
5: COTTON COLOR (作詞・作曲:谷山浩子 - 編曲:石井AQ - 歌:上野洋子)

<IN OUR SIDE>
●イメージ・ドラマ「シークエンス」
6: 「シークエンス」オープニング・テーマ (作曲:石田勝彦(※) - 編曲:石田勝範)
7: イメージ・ドラマ<パート1>
8: 漂流時代 (作詞:安藤芳彦 - 作曲:茂村泰彦 - 編曲:石田勝範 - 歌:中村大樹)
9: イメージ・ドラマ<パート2>
10: 風になりたい (作詞:安藤芳彦 - 作曲:茂村泰彦 - 編曲:石田勝範 - 歌:勝生真沙子)
11: イメージ・ドラマ<パート3>
12: 永遠の旅人 (作詞:安藤芳彦 - 作曲:茂村泰彦 - 編曲:石田勝範 - 佐々木望)
13: イメージ・ドラマ<パート4>

※ブックレットにはこう表記されているのですが、もしかしたら誤植なのかもしれません。
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Austin Wintory 『The Banner Saga Soundtrack』(2014)

海外のシミュレーションRPG「The Banner Saga」のサウンドトラックが先日よりbandcampで配信中($8~)。物悲しくも美しいストリングスやブッケホルンが響き渡る、重厚なスコア。コンポーザーは「風ノ旅ビト」を手がけたAustin Wintory氏。





2014年1月14日火曜日

辛島美登里 かしぶち哲郎 Night Circus 他『高河ゆん - マインドサイズ イメージアルバム』(1989)

マインドサイズマインドサイズ

various artists

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光文社のコミックVALなどに掲載されていた、高河ゆん先生の初期の作品「マインドサイズ」(短篇集)、「ありす IN WONDERLAND」のイメージアルバム。隠れた良作なのであります。本作の作曲陣には、同じく高河先生の「アーシアン」の音楽も担当されている濱田金吾氏をはじめ、原一博氏、中村裕介氏、辛島美登里さん、ムーンライダーズのかしぶち哲郎氏といったミュージシャン/コンポーザーが参加。また、演奏陣には、岩倉健二、中原信雄(FILMS、ヤプーズ)、美尾洋乃(ミオフー、REAL FISH)、丸尾めぐみ、佐藤秀也の5名から成るバンド「Night Circus」が参加しております。彼らが参加した"MIND SIZE" "溺愛-ありす IN WONDERLAND" "魔法の国 夢の城"の3曲はいずれもかしぶち哲郎氏による楽曲で、気品を感じさせるファンタジックなポップ・インストゥルメンタルにさらなる彩りを添えております。"かわきの瞳" "君の国をはなれても" "誘惑 -CINDERELLA GAME-"のような、今となっては時代を感じさせるアーパンなムードたっぷりのAORナンバーも耳を惹きます。中でも"君の国をはなれても"は、TM NETWORKばりのクールなイメージで貫かれた非常にキャッチーな1曲。後に奥井雅美さんや水樹奈々さんのプロデュースを手がける矢吹俊郎氏のギターソロが実にカッコよく決まっているのもミソ。中村裕介氏が秀逸なコーラス・ハーモニーを聴かせるラストの"Moon Light Essence"も、アルバムの〆の1曲としてこれ以上ないハマり具合です。共に辛島さんの作詞・作曲である"プリズム・アイ" "浜辺のダイアリー"の2曲は、92年発表の林原めぐみさんの2ndアルバム『WHATEVER』にも収録されることとなります(前者はカヴァー、後者は再録)。




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1: かわきの瞳 (作詞:松葉美保 - 作曲:濱田金吾 - 編曲:原一博 - ヴォーカル:KENJI)
2: MIND SIZE (作編曲:かしぶち哲郎)
3: 君の国をはなれても (作詞:松葉美保 - 作曲:原一博 - ヴォーカル:KENJI)
4: 誘惑 -CINDERELLA GAME- (作詞:松葉美保 - 作曲・原一博 - ヴォーカル:A-mi)
5: 溺愛-ありす IN WONDERLAND (作編曲:かしぶち哲郎)
6: プリズム・アイ (作詞・作曲:辛島美登里 - 編曲:矢萩秀明 - ヴォーカル:木村真紀)
7: 浜辺のダイアリー (作詞・作曲:辛島美登里 - 編曲:矢萩秀明 - ヴォーカル:林原めぐみ)
8: 魔法の国 夢の城 (作編曲:かしぶち哲郎)
9: Moon Light Essence (作詞:松葉美保 - 作曲:中村裕介 - 編曲:丸尾めぐみ - ヴォーカル:中村裕介)

Track①③④
原一博(key & synth operator)
矢吹俊郎(g)
春名正治(A-sax)
田中志摩子、A-mi、KENJI(chorus)

Track⑥⑦
嶋村隆(key)
多田彰文(synth operator)
矢萩秀明(g)

Track②⑤⑧
辻伸夫(synth operator)
岩倉健二(g)
中原信雄(b)
美尾洋乃(vln)
丸尾めぐみ(p)
佐藤秀也(T-sax)

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高河ゆん - Wikipedia
マインドサイズ - Wikipedia

2014年1月13日月曜日

高円寺百景『ANGHERR SHISSPA』(2005)

Angherr ShisspaAngherr Shisspa
(2005/10/04)
Koenjihyakkei

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ドラマー 吉田達也氏が中心となって結成された、MAGMAのコピーバンドを母体とするバンド・プロジェクト 高円寺百景の4thアルバム。タイトルは「アンゲルシスパ」と読む。オマージュならではの遊び心もさることながら、そこかしこに底抜けた「ハレ」の気も覗かせているせいか、MAGMAよりも明るめな印象を感じさせるのが高円寺百景。ドンチャンお祭り騒ぎ的な雰囲気もこのバンドの魅力であり、コバイア語ばりのオノマトペめいた独自言語とともに、醒めてるのか高揚しているのかよくわからないコミカルなテンションでうねり突っ走ります。本作では渋さ知らズより小森慶子さん(Sax)、る*しろうより金澤美也子さん(Key)、そしてソプラノ・ヴォーカルを務める山本響子さん(Vo)が参加。存在感のある伸びやかなソプラノ・ヴォーカルがフィーチャーされたことによってよりオペラティックになり、演奏とコーラスが一層せめぎ合うようになったのは今回大きなプラスになっていると思います。男女混声総員コーラスのハーモニーがコミカルに凄みを聴かせる"TZIIDAL RASZHISST"や、賑やかしいハンドクラップとヤケクソ気味の発声をかましつつジャズ・ロックな演奏へと出入りを繰り返す"MIBINGVAHRE"。細かく乱れるピアノやシンセのフレーズが切れ込み、目まぐるしく可変する展開のアンバランスと妙味を楽しめる"WAMMILICA IFFIROM"など、バンドが一体となって生み出されるこの幾何学な流れに身を任せ、涅槃の境地を目指し踊り狂ってみてはいかがでしょうか。



magaibutsu limited
高円寺百景 - Wikipedia

2014年1月11日土曜日

海外放送版「美少女戦士セーラームーン」サントラ『Songs From The Hit TV Series』『Lunarock』

7月より、美少女戦士セーラームーンの完全新作アニメが放送開始されるそうですね。
http://corp.toei-anim.co.jp/press/2014/01/post_74.php

この機会に、北米でリリースされたセーラームーンのサウンドトラックをご紹介したいと思います(無理矢理)。北米でアニメ版の放送が始まったのは、95年の8月~9月(ちなみに、USA Network(アメリカの放送局)より、YTV(カナダの放送局)での放送の方が二週間ほど早かったとか)。途中でUSA NetworkからCARTOON NETWORKに放送局が移りつつも、4作目にあたる「SuperS」までアメリカでは放送されたそうです。


Songs From Hit TV SeriesSongs From Hit TV Series
(1996/02/27)
Sailor Moon

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全11曲収録のアルバム『Sailor Moon - Songs From The Hit TV Series』がRHINOのキッズ専門レーベルである「KID RHINO」からリリースされたのは、96年の2月。Nicole&Brynne Priceというユニットが歌う"ムーンライト伝説"の英語カヴァー・ヴァージョンは正直あんまり出来が良くないのですが、Stan Bushによる挿入歌"She Got The Power"は素晴らしいメロディック・ハード・ロック・チューン。アニメ本編のイメージに合うかと言われると返答に困りますが、『ザ・トランスフォーマーズ:ザ・ムービー』の挿入歌を手がけたことで知られ、ハード・ロック/AOR界隈でも多少なりとも名の知られるスタン氏だけに、この仕上がりは流石と言ったところ。





残りは各セーラームーンのイメージソングを収録しております。吹き替え版のキャスト本人が歌っているわけではなく、数人の女性シンガーソングライターが担当しております。全体的にAOR寄りなロック/ポップスという印象で、これがまた良いのです。ちなみに、Serena(=月野うさぎ)のイメージソングの歌唱を担当されているJennifer Cihiさんは、「シティハンター2」の挿入歌"Without You"を歌っていた人でもあります。




また、Amy(=水野アミ)のイメージソングを担当されているShandi Sinnamonさんは、80年代にソニーのカセットテープ「HF-X」のCMに使われ、ヒットした"Making It"を歌っていた人です。トッド・ラングレンやバーナデット・ピーターズのツアーやアルバムにバックコーラスとして参加されていたこともあり。




Sailor Moon And The Scouts: Lunarock (Anime Series)Sailor Moon And The Scouts: Lunarock (Anime Series)
(1999/06/15)
Takanori Arisawa

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99年にリリースされた『Sailor Moon & The Scouts - Lunarock』は、全8曲収録の2枚目のキャラクターソングアルバム。DALIの"ムーンライト伝説"、石田燿子さんの"愛の戦士"がそれぞれ原曲で収録されています。本作のキモはアルバム冒頭に収録されている"The Power Of Love"。本編の山場で使用された挿入歌であり、海外ファンの人気も非常に高い1曲。ヴォーカルはもちろんJennifer Cihiさん。Sandy Howellさんの歌うラストの"Nothing At All"も、ウェットなスロウバラードの良曲です。また、何故かビートルズの"I Want To Hold Your Hand"のカヴァーが収録されてます。このアルバムはEMI MUSIC CANADA盤とKID RHINO盤で若干内容が異なり、後者は"I Want To Hold Your Hand" "I Want Someone To Love"がリミックス・ヴァージョンで収録されているそうです。






Full Moon CollectionFull Moon Collection

Sailor Moon

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この後、2002年にはリミックス・ヴァージョンや劇伴トラックも併せて収録した『Sailor Moon - The Full Moon Collection』というベストアルバムが出ております。劇伴トラックは有澤孝紀氏によるものではなく、あちらのコンポーザーによって制作されたものが収録されています。

List of Sailor Moon soundtracks - Wikipedia
マメな人もいるもんだ。

Jennifer Cihi - Wikipedia
Shandi Sinnamon - Wikipedia
Stan Bush - Wikipedia

2014年1月10日金曜日

桐生千弘 (ex.VELVET PAW) アニソンWORKS

★VELVET PAW WORKS (1989~1992)
「VELVET PΛW」「SIGN」「Desire」「目覚めるまで」

http://camelletgo.blogspot.com/2011/02/velvetpaw-discography.html


80年代から90年代初頭にかけて活動されていたガールズ・プログレッシヴ・ロック・バンド VELVET PAWのリーダー兼ドラマーであった桐生千弘さんは、バンド解散後にコンポーザーとしての活動にシフトされており、90年代後半のアニメ作品で彼女の楽曲を聴くことが出来ます。

●矢島晶子「ずっとひみつ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9964069
1996年ごろ。「新機動戦記ガンダムW」のリリーナ・ドーリアンのキャラソン。作詞・作曲・編曲を担当されており。後期VELVET PAWのポップ路線みたいなところもあって、なかなか興味深い1曲です。

●関俊彦「きっとOK!」

同じくガンダムWより、こちらはデュオ・マックスウェルのキャラソン。VELVET PAWの路線も感じるんだけど、それ以上に往年のIT BITESっぽいハード・ポップ・チューンだなと。


●森岡純「終わらない物語」/「少年の丘」




1996年ごろ。「世界名作劇場 名犬ラッシー」のオープニングテーマ&エンディングテーマ。作曲を担当されております。ちなみに編曲はVELVET PAWのアルバムプロデュースも担当された笹路正徳氏。

●宮村優子「The Song For Girl」


1996年ごろ。宮村さんの記念すべき1stアルバム『ケンカ番長』の1曲目。桐生さんは作編曲のほか、キーボード、コーラスを担当されています。また、笹路正徳氏の盟友 土方隆行氏がギターを弾いております。

●久川綾「あしたさよなら」


1996年ごろ。OVA「ダーティペアFLASH」のドラマCDのために書き下ろされた楽曲。

●浜崎直子「Angel」/「Round11」




1996年~1997年ごろ。「エルフを狩るモノたち」の、それぞれ第一期、第二期オープニングテーマ。共に作編曲を担当されております。また、同作品のキャラクターソングアルバムに「Hold My Hand」(作詞・作曲・編曲)、「NOと言えばいいのに」(作曲・編曲)、「ポニーテール・ソルジャー」(作詞・作曲・編曲)の3曲を提供されているそうです。

●chihiro「honey」


1999年ごろ。「カードキャプターさくら」の第二期エンディングテーマであるボッサテイストのポップスナンバー。Chihiro名義で、作詞・作曲・編曲・ヴォーカルの全てを担当されております。この他、キャラクターイメージソングとして「ずっとずっとずっと」(作詞・作曲)、「西風の帰り道」(作曲)、「蒼い記憶」(作詞・作曲)、「こっちを向いて」(作詞・作曲)の4曲があります。


その他、「新きまぐれオレンジ・ロード」のイメージアルバム(1996年)にも参加されていたとのこと。恐らく、まだ他にもあるはずです。

◆恐怖の追跡 ~あの人たちは今?~ ベルベット・パウ
http://tsuiseki.sakuraweb.com/musician/he/bm-he0022.html
カルメン・マキ、横山智佐、石井ゆき、安達裕美、奥菜恵への楽曲提供もされていたとのこと。

2014年1月9日木曜日

Tim Follinプロデュースのゲーム・プロジェクト「Contradiction」、3000£の投資目標額を達成。制作・リリースの運びに。

目標額の規模を下げ、仕切り直しの形で1/4よりkickstarterにて投資受付中の、Tim Follin氏によるゲームプロジェクト「Contradiction」ですが、去る1/8に、目標額である3000£を達成いたしました。これで、ゲームの制作・リリースは確定となりました。目標額は達成しましたが、プロジェクトへの投資受付は期限日の1/18まで行われております。これ以降の投資は実質的に「予約」になります。もちろん、投資者にはゲーム本編に加えて、投資額に応じた報酬を得ることが出来ます。20£投資でサントラCDが付き、50£投資でゲーム本編のクレジットにアナタの名前が載ります(※ちなみに、このプランだとサントラCDは付かないのでご注意ください)。100£以上の投資ではサントラCD + ゲーム本編へのクレジット記載 + オフィシャルDVDのセットとなります。前回から重ねての言になりますが、「Contradiction」プロジェクトはまだまだ周知されているとは言い難い状況です。フォリン氏の新たなる挑戦に興味があるという向きや、フォリン氏のサウンドに惚れ込んでいるという向きは、是非ともサポートの手を差し伸べていただければ幸いです。


- 「Contradiction」 by Tim Follin -
http://www.kickstarter.com/projects/139513174/contradiction

SID Media Lab - Support Tim Follin’s Project – “Contradiction”!
http://akaobi.wordpress.com/2013/12/07/support-tim-follins-project-contradiction/

https://twitter.com/TimFollin

2014年1月4日土曜日

【1/4追記】Tim Follin氏、自らがプロデュースする新作ゲーム・プロジェクトを発表。クラウドファンディングサイトで現在出資を呼びかけ中

職人的なこだわりと卓越したメロディセンス、そして他の追随を許さない圧倒的なサウンドメイキングで、ファミコン以前のハードの時代から聴き手を驚嘆させ続け、今もなお国内外の多くのコンポーザーからのリスペクトを集めている英国のコンポーザーにして生けるレジェンド、Tim Follin(ティム・フォリン)氏。当ブログでも氏が手がけてきたゲーム作品の楽曲を幾度となくご紹介してきましたが、先ごろ、驚きのニュースが飛び込んできました。何と、フォリン氏自らがBGMのコンポーズみならず、ゲームデザイン、脚本なども手がけたインタラクティヴ・ゲーム・プロジェクトを引っさげて、クラウドファンディングサイト"kickstarter"に告知を掲載したのです。

【2014.01.04 追記】
当初設定していた目標額である10000£には期日である2014年の1月6日まで届きそうにないものの、3000£ほどの投資が集まったため、仕切り直しとして新たに目標額を3000£に設定したプロジェクトが先ごろ立ち上がりました。投資期日は2014年1月17日ということで、約2週間の投資受付期間となっております。先のプロジェクトでの投資額はkickstarterの設定上移行できないそうなので、前回投資された方は改めて投資額を再入力していただきますよう、よろしくお願いいたします。また、各投資で得られる特典の内容は、前とほぼ変更ありません。20£以上の投資でゲームに加えてサントラCDを入手することが出来ます。


【NEW】- Contradiction by Tim Follin -
http://www.kickstarter.com/projects/139513174/contradiction

Contradiction - an interactive murder mystery movie!
http://www.kickstarter.com/projects/139513174/contradiction-an-interactive-murder-mystery-movie/


こちらは、そのプロジェクト"Contradiction"についてのティーザー映像です。




"Contradiction"とはどういった方向性のゲームなのか、また、kickstarterでの当該プロジェクトへの投資の方法、いくら出資すると何を得られるのかということについては、赤帯さんのサイトに 公式ページからの翻訳も含め、非常に詳しい概要が掲載されております。一例を挙げますと、20£(ポンド)投資すると、ゲーム本編がデジタル・ダウンロードで供給される他、ゲームのBGM+αを収録したサウンドトラックが報酬となります。フォリン氏のこの新たなる挑戦に興味があるという向きや、フォリン氏のサウンドに惚れ込んでいる向きは、是非とも下記の赤帯さんのサイトをご覧ください。また、少しでも良いので、プロジェクトにサポートの手を差し伸べていただければ幸いです。

SID Media Lab - Support Tim Follin’s Project – “Contradiction”!
http://akaobi.wordpress.com/2013/12/07/support-tim-follins-project-contradiction/

ちなみにフォリン氏は先ごろTwitterも始められております。こちらも要チェックですよ。
https://twitter.com/TimFollin

FROST*『The Rockfield Files』(2013)

ザ・ロックフィールド・ファイルズザ・ロックフィールド・ファイルズ
(2014/02/25)
フロスト*

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イギリスのネオ・プログレッシヴ・ロック・バンド FROST*の、公式リリースでは初となるDVD作品(+CD)。今年上旬に「今年中に1本DVDをリリースする」というアナウンスがされておりましたが、予定通り2013年内でのリリースとなりました。本作は、2013年1月にウェールズのロックフィールド・スタジオで行われたスタジオ・セッションと、ジェム・ゴドフリー氏の自宅スタジオでのアコースティック・セッションの映像を収録したDVDと、同音源を収録したCDとの2枚組であります。DVDには各曲の前にジェム氏によるコメントが挿入されている他、何故か車中で行われた、ジェム氏とジョン・ミッチェル氏のインタビュー映像(約20分)も収録。撮影プロデュース全般は、MAGENTAのフロントマンでもあるロブ・リードが担当しております。スタジオ・セッションでは、1stアルバムから"Hyperventilate" "Black Light Machine" "Milliontown"、2ndアルバムから"Pocket Sun" "Dear Dead Days"、そして"Heartstrings"の計6曲を演奏。ジェム・ゴドフリー(kbd.vo)、ジョン・ミッチェル(g.vo)、ネイザン・キング(b.vo)、クレイグ・ブランデル(dr)の現行ラインナップでの演奏を、丁寧かつ万遍ない撮影で収めております。ジェム氏とジョン氏の二人によるアコースティック・セッションの収録曲は"Black Light Machine" "Lantern"の2曲。ちなみに、"Heartstrings" "Lantern"の2曲は、これまでリリースしたアルバムには未収録の楽曲です。一通り観て(聴いて)思ったのは、2009年のライヴアルバム『The Philadelphia Experiment』の時以上に曲のアレンジと演奏がシャープに仕上がってきてるなあというところ。キレとダイナミズムもバッチリと味わえるパフォーマンスであり、今年発表予定という新作3rdアルバムへの期待感も十二分に高めさせてくれる内容です。本作と共に心待ちにいたしましょう。





FROST* - Official Site
FROST* - Official Youtube Channel
FROST* - bandcamp
FROST* - Wikipedia