2013年11月20日水曜日

Tim Follin『Treasure Master』(NES/1991)

1991年の12月にAmerican SoftworksからリリースされたNES用ソフト「トレジャーマスター」(NES作品なので日本未発売)。色々と盛りすぎなパッケージイラストが物凄く怪しいニオイをプンプンさせていますが、ゲームの内容は地味めなアクションゲームです。ロックマンを意識して作ったようなところも見受けられます。こちらがプレイ動画ですが、なんともモッサリした印象が拭いきれません。



YouTube再生リスト:「Treasure Master」BGM(全7曲)

そんな本作のBGMの担当は、Tim Follin氏。「ソルスティス」や「シルバーサーファー」を経て、氏が最後に担当されたNES作品ということもあってか、眩い音の煌きと技巧の数々がたっぷりと盛り込まれており、まさにNES時代のティム・フォリン・サウンドの総決算とでも言うべき内容が繰り広げられております。ファンク、シャッフル、ワルツといった軽快な曲調に載せて、所狭しとスプラッシュする粒揃いかつ重厚な音・音・音……脳内物質がとめどもなく溢れ出てきます。ちなみに、タイトル画面のファンキーなBGMは、70年代のドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」のテーマを意識して作られたフシがあるようです(ちなみにこの十数年後、フォリン氏はゲーム版「STARSKY&HUTCH」のBGMの作編曲を手がけられるのですが、その話はまた別の機会に)。



本作を象徴する1曲がコチラ。フォリン氏の十八番といえる高速アルペジオや変拍子に加えて、クロスフェードまでキメるという前代未聞かつトリッキー極まりない展開を聴かせるステージ3&5のBGMのインパクトたるや、一度聴いたらイヤでも忘れられなくなります。


続くステージ4のBGMも相当なもので、あの「ソルスティス」メインテーマの再来・変奏とも言うべき、プログレッシヴな要素の詰め込まれた超絶的チップチューンに仕上がっています。


Tim Follin - Wikipedia
Treasure Master - Wikipedia
Timothy J.Follin - みんなで決めるゲーム音楽ベスト100まとめwiki