2013年11月7日木曜日

『ベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパー』(2013)

ベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパーベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパー
(2013/10/16)
VARIOUS ARTISTS

商品詳細を見る


キルミーベイベーは復活した。
歴史が呼吸する瞬間が遂に訪れた…。

 みんな大好き「キルミーベイベー」の歌もの楽曲をまとめたベスト盤。買いましたよハラショー(しかしまだ付属DVDのアニメを観ていないのでわさわさ)。ハイパー・インストゥルメンタル・ロック・バンド ウンベルティポの今堀恒雄氏(g)、佐野康夫氏(dr)のお二人がプレイしていることでも一部で話題になった、キャッチーに込み入ったオープニングテーマ"キルミーのベイベー"、一転してシンプルながら非常に中毒性のあるエンディングテーマ"ふたりのきもちのほんとのひみつ"に始まり、やすな、ソーニャ、あぎりさんの各キャラソンが続きます。少し懐かしいテイストも香るテクノポップチューン"HOW TO ENJOY"(歌:赤﨑千夏) "Wanted! OBAKA dead or alive"(歌:田村睦心)。ほのぼのとしたポップスナンバー"今日も二人で"(歌:赤﨑千夏) "焼きそばパン"(歌:田村睦心)。すっとぼけつつも洒落たアレンジが最高に良い塩梅な"ティーンエイジ・ハイスクール・ニンジャ・ガール" "空き地と野良猫"(歌:高部あい)。と、三者三様の魅力を堪能出来ます。



 後半にまとまっている"キルミーのベイベー" "ふたりのきもちのほんとのひみつ"の各アレンジ・ヴァージョンでは、松前公高氏と山口優氏のお二人がやりたい放題やっていらっしゃいます。"キルミーのベイベー!のさらにウザいやつ"は文字通りの仕上がりで、この手のつけられないヒッチャカメッチャカ感はある意味必聴モノ。50年の時を経てもなお壮健(?)な二人の歌いっぷりが強烈な"キルミーのベイベー!2062"は、聴いていてナチュラルに脳みそが沸きそうになりました。もはや誰が歌っているのかわからない上に、途中で素の笑い声が入ってるのがなおのことツボです。また、トイ・ミュージックな趣のあるアレンジ"キルミーのベイベー!のウザくないやつ"でパーカッションをプレイされているのは、トクマルシューゴや栗コーダーポップスオーケストラ、やくしまるえつこなどの作品への参加でも知られる玩具系ドラマーのitokenさん。クレジットを見てなるほど納得いたしました。

 そして本アルバムの目玉と言えるのが、ボーナストラックとして収録された"キルミーのベイベー"の未発表ライヴ・ヴァージョン。ライヴ・ヴァージョンとありますが、曲中のMCで赤﨑さんが「みんなー8時間ありがとー!」と言ったりしているので、架空のライヴ音源と思われます。つまり、スタジオ録音で作り上げた、擬似ライヴ・ヴァージョン。しかしながら現実と虚構の境界が曖昧になるくらいにライヴ感のある仕上がりで、流石の一言です。スタジオ版とはちょっと違うアレンジもさることながら、赤﨑さんと田村さんのお二人のエキサイティングな歌いっぷりが実に痛快で、聴いているともはや細かいことはどうでもよくなります。ところで、中盤で田村さんに「この人がギターでーす!東京都在住!趣味は園芸!」と紹介されているギタリストは、今堀さんのことなのかちょっと気になりました。

キルミーベイベー - Wikipedia
キルミーベイベー 限りなく公式HPに近いサイト