2013年6月22日土曜日

PROGENESI『Ulisse l'Alfiere Nero』(2013)

ユリシーズ 黒き先駆者ユリシーズ 黒き先駆者
(2013/06/25)
プロジェネシ

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 大御所バンドが息の長い活動を続けているだけでなく、半ば伝説的存在と化していたバンドが相次いで復活を遂げるなど、今なおイタリアのプログレッシヴ・ロック・シーンはメジャー/インディーズを問わず盛況でありますが、今回ご紹介するバンドは、温故知新系プログレッシヴ・ロック・バンド プロジェネジーのデビューアルバム。EL&P/キース・エマーソンからの影響大なキーボード・サウンドを主軸に、PFMやBANCO、Le Ormeなどの往年のイタリアン・ロック・バンドからのエッセンスや、ジャズ/クラシックの影響も取り込んだキーボード・プログレ・バンドです。いわゆる往年のプログレ・シーンをリスペクトしたフォロワー・タイプのバンドですが、彼らのサウンドはそのフォローの度合いが非常に高く、その上で攻めのキーボード・プログレを展開しているところが大きなポイントです。PFMの名曲「Celebration」を彷彿とさせる高揚感とノリの良さで聴かせるオープニングの「La Gioia della Pace」は、プログレ・ファンならば間違いなく心躍る1曲でありましょう。ギターはハードですが、適度にハードであってメタル寄りではないあたりにも、バンドのクラシカル・ロック志向がよく伺えます。続く「La Strategia」は、バンドのジャズ志向が強く打ち出しつつも、最終的にはやはりキーボード・プログレに落ち着くというもの。11分という本作で最長の楽曲である「Il Blue della Notte」は、めまぐるしくテンポを変えつつも、どっしりと構えたプレイで聴かせます。ゲストで参加しているヴァイオリン奏者、チェロ奏者(Issei Watanabeとクレジットされているところを見るに、日本人のようです)のプレイも絶妙なアクセントと彩りを添えています。「Il Rosso della Notte」は本作のハイライトといえる二部構成の長曲。キーボードとギターがせめぎ合っての疾走感は、EL&Pというよりはむしろオランダのクラシカル・ロック・バンド TRACEに近い印象を感じます。「Un Grande Eroe」は、オープニングの「La Gioia della Pace」のフレーズのリプライズをふんだんに交えつつ、素晴らしき大団円を迎えるシンフォニック・ロック。骨の髄までプログレ・ファン冥利に尽きるこってりとしたサウンドには思わず頬がほころびます。このバンドは間違いなく"当たり"でした。



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