2013年3月8日金曜日

多田彰文『Night Walker~真夜中の探偵 ORIGINAL SOUNDTRACK』(1998)

NIGHT WALKER-真夜中の探偵NIGHT WALKER-真夜中の探偵
(1998/10/14)
TVサントラ、BUCK-TICK 他

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 Tomboyより93年に発表された18禁PCゲームを原作として、98年にテレビ東京系列で放映されたアニメのサウンドトラック。主題歌はBuck-Tick「月世界」とLa'cryma Christi「未来航路」。…ここまでであればまあ、とり立てて言うことはないのですが(2曲ともTVサイズではなく、フル・ヴァージョンでサントラに収録されているというのは珍しいケースと言えるかもしれませんが)、注目すべきはアニメ本編の劇伴の内容。聴いてみると、そこかしこでKING CRIMSONのあの曲やこの曲のパロディが繰り広げられているのであります。アニメの企画者の発注でこうなったのか、それとも作曲者の多田さんの趣味なのかはわかりませんが、事情を知らないプログレ・ファンに聴かせたら、まず間違いなく「いいのかコレ!?」とビックリするくらいにパロディのオンパレード。例えば、「アバンタイトル」「ヒトクセ」は「RED」の、「紫藤の怒り」は「Moonchild」の、「紫藤のテーマ」「事件の予感」は「Starless」の、それぞれパロディをやっているといった具合です。また「ブリードのテーマ」「ブリードの誘い」は、楽曲のパロディをやっているわけではないですが、中期KING CRIMSONの影が色濃いヘヴィに軋んだ仕上がり。まあ、これは実際聴いてみた方が早いですね。





……いかがでしたでしょうか。パロディとはいえプログレッシヴ・ロックということで高いスキルが必要とされるものなだけに、演奏陣も田中徹(dr)、長岡道夫(b)、芳野藤丸(g)、千代正行(g)、平原智(fl.sax)、渕野繁雄(sax)、荒木敏男(trumpet)、松田真人(p.kbd)、村田陽一(trombone)といった一流スタジオ・ミュージシャン揃い。安定感やキレもさることながら、渋くて白熱したパフォーマンスを存分に展開しております。情感たっぷりなプレイでムードを演出するブラス・セクション、ハードなギターとオルガン/シンセのエキサイティングな絡みは大いに聴きモノです。「決戦~闇と闇の闘い~」は、小気味良く差し挟まれるブラスもイカす、疾走感溢れるオルガン・ハード・ロックで非常にスリリングな1曲(Emerson,Lake&Palmerの"バーバ・ヤーガの呪い"を意識したオルガン・フレーズがささやかながら入ってるのはご愛嬌)。パロディ部分にばかり耳が行きがちになってしまうのですが、「カインのテーマ」「永遠の闇」といった、アニメ本編のカラーに合わせた、暗く、哀愁漂うトーンのインスト曲も秀逸なものがあります。そして極め付けが、ラストに収録されている「月世界」のピアノ・インスト・ヴァージョン。切々とした旋律が琴線に触れる、ここでしか聴けない隠れた名アレンジなのであります。…とにもかくにも色んな意味で聴き応えのあるサントラですので、好事家の方々は是非とも入手してみて下さい。





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