2013年2月13日水曜日

ストロベリーソングオーケストラ『血の濫觴』(2009)

血の濫觴血の濫觴
(2013/02/13)
ストロベリーソングオーケストラ

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 祝・アルバム再犯(再販)! サポートメンバーやゲストを合わせると十名以上の奏者・役者・団員で構成される大阪のアンダーグラウンド見世物パンク一座 ストロベリーソングオーケストラの、『鏡町にて』から6年の歳月を経て2009年に発表された2ndフルアルバム。寺山修司、江戸川乱歩、夢野久作からの影響を土台に、J・A・シーザー、人間椅子、犬神サーカス団、グルグル映畫館、初期筋肉少女帯などのアンダーグラウンドなロックバンドが持ち合わせている猟奇暗黒アヴァンギャルド要素を全て兼ね備えた恐るべきサウンド。ハードコア、ジャズ、プログレメタル、フォークなどの多彩な曲調に寸劇・語り・アジテーションを交えてのめくるめく楽曲構成は、一座がテーマとしている架空の町「鏡町」コンセプトと共にさらにグレードアップし、バツグンの殺傷力で迫ります。

 少年探偵団モノドラマ仕立ての「電波大放送~怪人 赤マントの犯罪~」や、語り&合唱をふんだんに交えて重々しくシアトリカルに展開してゆく「最後の審判」「胞衣の劇場」は楽団+劇団の大所帯編成を存分に生かしたこの一座ならではの楽曲ですし、サックスも交えビッグバンド的に洒落たスウィングをキメ駆け抜ける「木偶の縫子」では確かなテクニックとアレンジ・センスも感じさせます。筋肉少女帯における三柴理氏の如く奔放に躍動する高橋ヒデヲ氏のピアノ、ドスの効いた宮悪戦車氏のラフなアジりがヘヴィなリフを伴って押しに押してゆく「狂れた埋葬虫、電波、赤マント!」のつんのめったテンションや、ゴリゴリと硬質なイントロ、バッキングの高速ヴァイオリンと共に印象的な疾走曲「ジクムント」で爆発する扇情的なまでの強烈なインパクトも依然健在。もちろん薄暗く退廃的な趣のあるバラードナンバーの充実度も高く、「大空を失った男」「新月に君想う」での切なげなピアノやヴァイオリンの旋律、ノスタルジーを喚起させる月影美歌嬢の透き通った伸びやかな歌唱はただただしっとりと響く。また、先行シングルカットされたキラーチューン「血の軌跡が故の慟哭」で全てを吐き出すようにしてドラマティックに幕を閉じるというのも心憎い。全曲見所があり、6年の歳月を要したのも納得の、ガッツリ詰まったコンセプトミュージカルアルバムと言えましょう。



ストロベリーソングオーケストラ:公式

ストロベリーソングオーケストラ『鏡町にて』(2003)

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