2011年10月16日日曜日

2011 10/8 「fiction Vol.4」 HANGARAGIMO (camelletgo) DJセットリスト

10月8日(土)に早稲田の茶箱で行われた、クロスジャンル・クラブイベント「fiction」Vol.4にて、自分が回した楽曲の一覧を、簡単なコメントも添えて。



≪セットリスト≫
 1.POPOL VUH「Shepherds Of The Future」
今は亡きフローリアン・フリッケ氏が率いたメディテーション系ジャーマン・プログレ・ユニット、ポポル・ヴーが晩年(1997年)に発表したアルバム『Shepherds Of The Future(羊飼いの交響曲)』のオープニング・トラック。全盛期にはアコースティック・フォーク調の作風を展開しておりましたが、本作ではチルアウトなフロア向けのテクノ路線を展開しており、ポポル・ヴーのディスコグラフィーの中でもわりあい異色な部類に入るのではないかと思う1枚です。とはいえ、このユニットの特徴であるエスニック/オリエンタルなテイストは十分に盛り込まれており、他の作品に引けを取らない魅力に満ちております。個人的には3曲目の"Wild Vine"もオススメしたい1曲。


 2.せんせいしょん「郷の踊り子」
今回の選曲にあたって絶対に入れたかった曲のひとつ。姫神せんせいしょんの元メンバーが、バンド名を「せんせいしょん」に改めて再始動し、2008年に発表したアルバム『桃源郷』より、アルバムを象徴する1曲。姫神せんせいしょん時代のテクノ・ポップ/フュージョン路線を継ぎつつ、ジャズやロック・テイストを増した力強い楽曲がバンドの新たな魅力となっています。


 3.Geoff Follin & Tim Follin「Beach」
93年に発売されたスーパーファミコンの(激ムズ)洋ゲーソフト「PLOK!」の楽曲より。作曲は、「ソルスティス 三次元迷宮の狂獣」などで知られるTim Follin氏と、兄であるGeoff Follin氏との共作。ファミコン以前のハードの時代から驚異的な音作りと楽曲コンポーズで職人的な仕事ぶりを見せていた氏ですが、SFCというハードでそれらが頂点に達した感があります。この PLOK!の楽曲は、SFCとは思えないほど音が良いこともさることながら、曲調も多彩で捨て曲がありません。ティム氏が楽曲を手がけたSFC作品の中でも、本作が最高傑作ではないかと私は思っています。「Beach」は、爽快感溢れる曲調もさることながら、途中で聴ける泣きに泣きまくるギターが非常に印象的な1曲です。


4.井内竜次(編曲:吉野裕司)「Castle And Dragon」
2001年にキングレコードから、『Melody Of Legend 愛の章』『Melody Of Legend 夢の章』というタイトルで、2枚のゲーム・ミュージック・アレンジ・アルバムがリリースされておりました。崎元仁氏や光田康典氏といったアレンジャー陣と、ケルティック・ミュージック・バンドCLANのパイプ奏者であるローナン・ブラウン氏とのコラボレーション企画で、テクノ寄りのアレンジにバグパイプの演奏が絡むという趣向が展開されております。『愛の章』に収録されている「Castle And Dragon」は、「スペクトラルフォースII」のアレンジ曲なんですが、原曲の面影はほとんどないんじゃないかと思うくらいに大胆なアレンジになっています。アプローチとしてはHevia(スペインのMIDIバグパイプ奏者)の作風に近いかも。アレンジャーは、「狼と香辛料」の劇伴作曲やVITA NOVAなどでの活動で知られる吉野裕司氏。また、コーラスで上野洋子さんが参加しています。


5.Claudio Simonetti(原曲:Mike Oldfield)/Tubular Bells
これはいわゆる珍品。マイク・オールドフィールドのチューブラー・ベルズといえば、かの映画「エクソシスト」で本人の意向とは異なる形で一躍有名になっちゃった1曲ですが、それをイタリアン・ロック兼ホラー・ミュージック・バンドGOBLINの中心人物であるクラウディオ・シモネッティ先生がアレンジしたという興味深いシロモノ。賛否が分かれそうなアレンジですが、個人的にはかなり気に入っています(差し挟まれる「ハッ」の合いの手がいかにもゴブリン)。


 6.上海アリス幻樂団/素敵な墓場で暮しましょ【霊界トランス】 東方Projectシリーズ最新作である「東方神霊廟」より、3面テーマの別ヴァージョン。ほんのり姫神せんせいしょんチックな1曲。ZUN氏の音楽的影響には往年のゲーム・ミュージックからの流れもありますが、自身のフェイバリット・アーティストに姫神やADIEMUS、SECRET GARDENが挙げられているということで、ニューエイジ・ミュージックからの影響も強いです。そのあたりに注目して氏の楽曲を聴いてみるのもまた面白いのではないかなあと思います。


 7.東祥高/The Wanderer フォーク・グループ「五つの赤い風船」のメンバーであり、シンセサイザー奏者である東祥高(よしたか)氏の88年のソロ・アルバム『The Wanderer』より。ゲーム・ミュージック・リスナーにとっては、初代「パンツァードラグーン」の楽曲を手がけたコンポーザーと言えば、ピンとくる方も多いんじゃないでしょうか。この『The Wanderer』は、TANGERINE DREAMの元メンバーであるペーター・バウマンが80年代に立ち上げたニューエイジ・ミュージック系レーベル「Private Music」より世界発売された作品で、和の情緒を織り交ぜたシンセサイザー・ミュージックが楽しめる1枚です。


 8.伊藤詳/未戸郎(みしらん)伝説
 山岸涼子の漫画作品「日出処の天子」のイメージ・アルバム(1991年発表)より。このアルバムは「イメージ・トリップ・シリーズ」という、シンセイサイザー/キーボード奏者が漫画/小説作品のイメージに沿った楽曲を提供するといういわゆる企画モノ。他に、「超人ロック」や「グイン・サーガ」といった作品のイメージ・アルバムなんかもこのシリーズで沢山出ておりました。この「日出処の天子」の作曲を担当されているのが、元ファー・イースト・ファミリー・バンドのメンバーである伊藤詳(あきら)氏。また、スペースサーカスの豊田貴志氏がヴァイオリンで参加しています。PINK FLOYDやTANGERINE DREAMや喜多郎、姫神にも通じるメディテーショナルな内容で、面白いです。


 9.Tangerine Dream/Logos 2011
 これも今回の選曲に絶対入れたかった1曲。ジャーマン・エレクトロ・ミュージックの大家タンジェリン・ドリームが、2011年5月28日に行ったマンチェスター公演のライヴ音源を収録したオフィシャル・ブートレッグより。「Logos」という曲は元は40分以上ある曲なんですが、この2011年ヴァージョンは6分半のコンパクトサイズで、なおかつよりメロディアスなアレンジが成されているのがミソ。力強さと頼もしさも感じさせます。


10.P-MODEL/LAYER-GREEN (ver. 1.05 Gold)
TANGERINE DREAMとくれば、ラストはこれしかないなあと思い選曲。平沢進師匠によるP-MODELの、97年作品『電子悲劇/~ENOLA』より。先ごろリマスターされて再発リリースもされましたね。『P-MODEL』や『big body』が"解凍"後P-MODELの代表作ならば、『電子悲劇/~ENOLA』は90年代P-MODELの最高傑作だと自分は思っております。平沢氏のソロでの作風の魅力のひとつである広大なスケール感を、P-MODELというフィルターを通して見事に昇華したと言える楽曲でありましょう。

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