2010年7月9日金曜日

NOVELA『Brain Of Balance』(1985) / 『WORDS』(1986)

NOVELAのアルバムの中でもこの後期二作品はあんまり語られてないような気がするのですが、個人的にはこの2枚はどちらもたまに無性に聴きたくなります。


ブレイン・オブ・バランス(均衡の脳)
ノヴェラ
キングレコード (2002-02-06)
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 五十嵐"Angie"久勝氏も永川敏郎氏も抜け、メンバーラインナップは宮本敦(Vo)、平山照継(Gr)、笹井りゅうじ(Ba)、西田竜一(Dr)、岡本優史(Key)となり、オリジナルメンバーは平山氏ひとりのみとなった第三期ノヴェラの85年作品。時代の波もあってか、サウンドの機軸も大幅転換されたのが本作。シンセとベース・サウンドを際立たせ、ニューロマンティック/ニューウェーヴに傾倒したポップなサウンドにプログレ要素も少し覗く、というコンパクトな作風で、全体的に洗練されております。ぼんやりとけぶるバッキングのシンセ/ピアノ&ロングトーンのギターに幻想的な宮本氏の中性的なファルセット・ヴォーカルが絡んでいく、耽美とドラマティックな雰囲気に満ちた「追想」や、ベースラインが印象的な「アルファ・シティ(白夜の都市)」「グラフィティ・ライト」、サウンドも詞もシニカルなテクノ・ポップ「ペーパー・ミュージック」など、耳を引く楽曲はあるのですが、演奏とヴォーカルが相乗的に盛り上がる部分が少ないので、あっさりし過ぎな感があります。本作ではまだ方向性を模索しているという印象。この方向性は次作で形になります。



ワーズ
ワーズ
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ノヴェラ
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 ノヴェラ最後のオリジナル・アルバムとなった86年作品。メンバーラインナップは前作から引き続き、宮本敦(Vo)、平山照継 (Gr)、笹井りゅうじ(Ba)、西田竜一(Dr)、岡本優史(Key)の5人。前作の方向性をさらに発展させ、よりシンフォニックなニューウェイヴ・サウンドに変化、もはや完全にプログレからは脱却した作品になっています。NOVELAのカタログの中では前作の『Brain Of Balance』以上に問題作扱いされている向きもあるようですが、プログレにもニューウェーヴにも煮え切らなかった前作に比べれば、本作の方がはるかに潔いと思います。ニューウェーヴ要素をバンドに持ち込んだのはキーボードの岡本氏らしいのですが、本作ではバンマスである平山氏とガッチリタッグを組んで重要な役割を果たしており、それを象徴するかのように1曲目「LOVE IN YOU」はシーケンサーを駆使した反復の多い楽曲であることもさることながら、宮本氏の伸びやかな歌唱が映える佳曲。作曲は平山氏ですが、サウンドの感触から見るに岡本氏からの影響が結構色濃く表れているのではないかと。また、「グルーミィ・ペイン」はゴリっとしたベースラインとシンフォなキーボードサウンドの派手さが実に小気味良いテンションをキープ。戯曲風のシンフォバラード「傾く日差しに」や、仄暗いアレンジが漂うタイトル曲「Words」では耳に残るバッキングやシンセソロで魅せてくれます。そして、笹井氏は本作でも2曲を提供しています。「Reverie」「Going To The Kingdom」は、どちらもポップに躍動する粒の立った小品として仕上がっていて、後に氏が在籍するマイクロキャビンやスクウェアで手がけるゲーム・ミュージック・サウンドへと持ち込む要素も少々伺えます。アルバム全体で評価すると「有終の美」とまでは行かないのですが、しっかりとケジメのついた作品だと自分は思います。



NOVELA:Wikipedia
笹井隆司:Wikipedia

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