2010年6月17日木曜日

Cecile Corbel『Songbook Vol.1』『Songbook Vol.2』(2006/2008)

SongBooK 1(国内盤限定ボーナストラック収録)
セシル・コルベル
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今年夏に公開されるスタジオ・ジブリ制作の映画「借りぐらしのアリエッティ」の主題歌に抜擢され注目を浴びている、フランスはブルターニュ出身の女性ハーピストにしてシンガー  セシル・コルベルの06年発表の2ndアルバム。ハープ弾き語りシンガーというと、近年ではアメリカのジョアンナ・ニューサムの名前が挙がりますが、インディー・ポップス寄りの存在であるあちらに対し、こちらはより土着のトラッドに根ざした存在。ややあどけなさの残るコケティッシュな歌声は、セシルの公式サイトではケイト・ブッシュやシネイド・オコナー、エンヤといったところが引き合いに出されていますが、むしろ印象としてはロリーナ・マッケニット、マギー・ライリー、カーラ・ディロンあたりがより近いという感じもします。06年に発表された『Songbook Vol.1』は、12曲中8曲がトラディショナル・ナンバーのアレンジで、残りがセシル自身の作曲による楽曲で構成。ケルティック・ハープを前面に押し出しつつ、ヴィオラやチェロ、コラ(リュート型楽器)を絡めたアコースティック主体のアンサンブルで躍動感溢れる現代的なアレンジがなされており、全体的に古臭さを感じさせないフレッシュな仕上がりになっています。軽快に歌い上げられる「Suil A Ruin」、ささやかながらも効果的なストリングスアレンジが引き立てる「Auchindoun」「Blackbird」も印象的ですが、つまびかれる素朴なハープの音色を味わえる「Valse Des Ondines (2006 Version)」でラストを迎えるのもいいです。素朴な味わいのアコースティックなトラッド・ポップスを求めるならこの『Vol.1』でしょう。





SongBooK vol.2(国内盤限定ボーナストラック収録)
セシル・コルベル
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08年発表の3rd『Songbook Vol.2』では、トラディショナルなナンバー以上にセシル自身による楽曲が増え(12曲中8曲)、エレキギターやハープシコード、サックス、バグパイプ、ホイッスルなど、楽器隊の使用楽器類が増えたことによりアレンジに幅が出てきてより色彩豊かになっています。アコースティックにこだわっていた前作と比べるとどうしてもハープの存在感は薄れてきている感はありますが、それを差し置いてもこの変化は素晴らしい。何より、狂おしいまでに哀愁を漂わせるドラマティックな曲調の楽曲が多いのがポイントでありましょう。「En La May」や「Lover's Farewell」はロック的なダイナミズムを感じさせる楽曲で、特に後者はジミー・オニールなる男性ヴォーカリストとのデュエット曲となっており、ストリングスを存分にフィーチャーした壮大なアレンジのバラードは、シンフォニックなフォーク・ロックといっても差し支えないほど。バグパイプが高らかに鳴り響き広大なイメージを喚起させる「The Great Selkie」や、アンサンブルの充実ぶりが伺えるインスト曲「Innocence」もまた聴きものです。もちろん、彼女の甘いヴォーカルを存分に生かした楽曲も充実しており、「Painted Veil」や「I See The Great Mountains」などはストレートに魅力が伝わる佳曲。アンサンブルが一転してヴォーカルの引き立てに徹しているのがまた素晴らしい。壮大でドラマティックな方向性と盛りだくさんなヴォリュームを求めるならこの『Vol.2』がオススメです。ちなみに、先ごろ4枚目のソロアルバム兼アリエッティのイメージ歌集として『借りぐらし』がリリースされております。そちらも気になるところ。また、ソングブックVol.1、Vol.2共に、ボーナス・トラック入りの国内盤が7月7日にリリース予定とのことです。



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