2010年4月2日金曜日

Pantokraator『Tormidesoojad』(2009)

Tormides (the Storm Eaters)
Tormides (the Storm Eaters)
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Pantokraator
CD Baby (2009-06-24)
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 エストニアのプログレッシヴ・ハード・ポップス・バンド パントクレーターの2ndアルバム。バンドの結成は83年、1stアルバムのリリースが90年、そして92年にエストニアの経済状況悪化のため一度バンドは解散しており、本作は約20年ぶりとなる復活作。再編ラインナップは、結成時からのオリジナルメンバーであり、キーボード、ギター、フルートなどをこなすマルチミュージシャンのエリク・サコフ氏をフロントマンに、解散時のメンバー+若手メンバーという構成。まず耳を引くのが男性ヴォーカリストであるLauri Saatpalu氏の巻き舌込みのクセのある母国語ヴォーカル(ちょっとRammsteinのティル・リンデマンっぽくも感じる)と、二人の女性ヴォーカルによるクリアーなコーラスワーク。耳にこびりつくというか、一度聴いたらなかなか忘れようにも忘れられません。

 ミドルテンポでタメの効いた曲調でハードかつダイナミックに歌い上げられる1曲目の「Metsavaht」や、捻りの効いた民族調コーラスワークをフィーチャーしたカラフルなプログレ・ポップス・ナンバーの2曲目「Linnamang」は抜群のインパクトで、この冒頭2曲でいきなりガシっと惹き込まれます。音楽的には5大プログレバンドやジャン・ミッシェル・ジャール、MARILLIONなどから影響を受けているそうで、トロピカルな曲調や素朴なアコースティック・テイストはYES、GENESISからの影響を特に強く感じさせます。また、「Kasmu」でのヘヴンリーなコーラスワークや、「Tormidesoojad」「Paus On Hea」での浮遊感溢れるムードの中でのドライヴ感溢れるテクニカルな展開などを聴くにつけ、Anderson Bruford Wakeman&Howeからの影響も多分に伺わせられます。80年代の空気をたっぷりと感じさせるのもそのあたりに因るのではないかなと。結構なクセとアクの強さですが、壮大でパワフルなプログレッシヴ・ハード・ロック/AORサウンドで1曲1曲をコンパクトに纏め上げているのは実に見事。長年の雌伏で蓄えたエネルギーだけでなく、英米のバンドとは明らかに一線を画している強烈な個性の迸りっぷりをビシビシと感じます。久々に辺境ロックの醍醐味を味わいました。



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