2010年2月13日土曜日

KINETIC ELEMENT『Powered by Light』(2009)

Powered By Light
Powered By Light
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Kinetic Element
CD Baby (2009-09-05)
売り上げランキング: 820,141


 アメリカはリッチモンドの新鋭シンフォニック・バンド キネティック・エレメントの1stアルバム。結成が06年、本作がアルバムデビューの新鋭バンドでありますが若手には非ず、メンバーは全員ミドルエイジのオッサン達で構成されております。特にバンドの中心人物であるキーボーディストのマイク・ヴィサージオは70年代からセッション系ミュージシャンとして活動しているヴェテラン中のヴェテランで、このバンドの結成はまさに満を持して、といったところでしょうか。ジャケットに反して(?)サウンドは非常に70年代志向が強いものになっており、楽曲はもちろん、ギターのトーンもキーボードの鳴りも中期GENESISを髣髴とさせられるところが多いです。ハードで尖がった要素は少なく、フォーキーなパートもフィーチャーしつつ、基本的にゆったりとしたシンフォニックなムードに満ち満ちており、短くて5分、長くて16分の楽曲を展開。そのソフトな性質のためかパンチに欠けるきらいがあるとはいえ、バランスのとれたアンサンブルと徐々に熱を帯びていく展開作りは実にシンフォプログレ好きのツボを押さえており、素朴なヴォーカルがクラシカルで煌びやかなキーボード類のアレンジ(ややリック・ウェイクマン風?)を伴ってじっくりと展開していく「The Ascent」「Now And Forever」あたりのミドルレンジ曲の鮮やかなまとまり具合は身を任せるに十分な魅力。プログレ経験豊かなオッサン達の、プログレ愛ぶりが凄く良く伝わってくる丁寧かつ手堅い良作的1枚。なお、本作はイタリアで行われたProgawardsにおいて、2009年の"Best Debut Record(ベスト・デビュー・アルバム賞)"にノミネートされたとのこと。


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