2007年12月3日月曜日

掘骨砕三『おにくやさん』(2001)  『下水街』(2002)  『夜に虚就く』『はえてる女の子』(2006)

読み手は選ぶが、読めば読むほどに愛おしい。
それが、掘骨砕三作品。


下水街   SANWA COMICS
下水街 SANWA COMICS
(2002/05)
ほりほね さいぞう

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夜に虚就く (SANWA COMICS No.)夜に虚就く (SANWA COMICS No.)
(2006/02/10)
ほりほね さいぞう、掘骨 砕三 他

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 三部作となる予定である「下水街汚物譚」の一・二作目。下水街を舞台にした異形奇形のキャラクター達によるスカムでハートフルなエログロアブノーマルストーリー。一作目『下水街』は初期に描かれたもの。絵柄に垢抜けない印象こそすれ、この頃からキャラは一生懸命のほほんと愉快に動いており、また、ストーリーを展開する上で重要な役割を担うキャラや設定(薬屋の"鐚屋"など)が作品世界の下地をしっかり固めております。キャラの造形は蝙蝠、百足、ヤスデ、回虫、ナメクジ、芋虫、蛾と、いずれも一筋縄ではいかないものばかり。また、ラストの「疣」においてヴジュルヴジュルと汁を垂れ流す吹き出物(掘骨氏曰く「いわばチンコ」)の描写には衝撃を受けました。長いインターバルを経て刊行された二作目『夜に虚就く(よるにうろつく)』では絵柄が洗練されてきたことも手伝ってより下水街の生活感が描かれるようになっていて、さらに惹き込まれます。上の世界のキャラが下の生活に巻き込まれ次第に馴染んでいくという切り口の「泥魚」「夜に虚就く」。徐々に彼女が糞蟲になってゆく展開とラストの子沢山オチ(生むのは男の方)が素晴らしい「便所虫」。一クセある複乳、複根ボディを持つ5人の売り子が世話係に日ごろの恩返しにとエロエロな奉仕をする「陰間の春」など、どのエピソードも魅力的で、掘骨作品を読むならばまずこれからオススメしたい。一作目から読んでいる人には、"鐚屋"が世代交代していたり、キャラが成長していたりといったあたりにしみじみとさせられるのではないかと。



おにくやさん (SANWA COMICS No.)おにくやさん (SANWA COMICS No.)
(2001/08)
掘骨 砕三

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 掘骨砕三名義での初単行本。表紙イラストが強烈で、思わずスプラッタなグロを想像してしまいそうですが、グロはないです。お隣さん同士で糞やらザーメンに塗れまくる「ぎんだま」のようなまっとうな人間キャラによる変態エロ作品も割かし多いですが、ひとたびアブノーマル作品に踏み込めばそこはもう「突っ込んだら負け」な世界。二人の女学生が駅前の石に願い事をしたらそれぞれシャレにならんほどの巨チン巨乳になってずんずん拡大していく中でレズセックスに及ぶ「願い石」(後に姉妹作品も登場する)。チンコが生えてくる女性が捨てたチンコが擬人化してわらわらと身体に絡み付き増殖する「ちんこむし」。そして本作の極めつけと言える作品なのが、フラミンゴ漫画大賞を受賞した「むしさん」。『下水街』にも通ずる蟲モノ作品で、蟲の巣穴に落ちた少女が快楽に堕ちた挙句に自らも蟲と化す様がグロテスクながらも淫靡でキュートで堪らない。今よりさらにファンシーな絵柄であった2000年以前の作品も数編収められており、それらの内容はいずれも異種姦、ボーイズラブ。擬人化率10%のキャラが互いにちちくりあったり家畜と交配したりする「ユッケちゃんの種付け日!!」が良かったのであります。



はえてる女の子 (SANWA COMICS No. 84)はえてる女の子 (SANWA COMICS No. 84)
(2006/07/18)
堀骨 砕三

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 下水街のネタ作りに難航していたために息抜きとして描いた、または急ごしらえで描いた作品が本作の中心。カレーに下剤としびれ薬仕込んで糞まみれふたなりレズプレイへとシャレ込むスカム・スカマー・スカメストな冒頭の「ダイスキナニオイ」は、"ほりほねさいぞう"名義の作品の作風に慣れていればこれはジャブ程度にしか感じないことでしょう(ホントか?)が、妹の欲望によりチンポのカタチをしたザーメンが街中を埋め尽くす「ぞろぞろどろどろ」はある種SFだし、両方の器官を備えた姉弟が性欲の赴くままにグズグズととろけ絡み合う「ぼくのおねえちゃん」は淡々としながらも印象深い。トイレに住まう妖怪"シキさん"にうんこ喰わせてチンコつけてもらってその上穴にハメさせてもらう「シキさん」や、チンコ売りから安値で買った稚魚のような大きさのチンコを自らの身体に付けてオナニーの繰り返しでビッグに育てる「卸値」(育ったデカマラを風呂場でしごかれるシーンが実にエロい、エロ過ぎる!)のほのぼのとした雰囲気も捨てがたいものがある。コタツの中で姉弟同士セクロスする「コタツ」。酒を飲むと性格反転するふたなり姐さんにショタが逆レイプされる「いとしのヨッパライ」といった、掘骨作品としてはストレートでパンチの弱いものも収録されていますが、これはこれでショタ好きにアピールできる内容になっていて、ショタ好きには堪らんのものではないかと思いますの。膣付大型陰茎やら生体バイブ&オナホなど、作品に登場する「商品としての陰茎」設定について記した巻末の「ちんちんをめぐる経済」もとても面白いです。ちなみに陰茎本体45万円(税別)、手術費80万円(保険無し、入院費別)だそうな。


★「OHP」 - 掘骨砕三 / ほりほねさいぞう / 小瀬秋葉 / 鉈川鉱
http://picnic.to/~ohp/review/horihone/index.html
★えろまんがかんそうぶん -「夜に虚就く」 掘骨砕三
http://stack-style.org/2006-02-21-08.html

掘骨砕三:Wikipedia

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