2007年9月7日金曜日

PSY・S『SIGNAL』(1990)

SIGNAL
SIGNAL
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PSY・S
ソニー・ミュージックレコーズ (1990-07-01)
売り上げランキング: 33,927


松浦雅也氏とCHAKA嬢によるポップス・ユニット サイズの6thアルバム。再びわかりやすいポップ路線に戻りましたが、以前までのアルバムとどこか毛色が異なっているなという印象があります、見えない線引きがされているというか。良くも悪くもまとまりが出てきたということなんでしょうが、それでもプロフェッショナルな仕事ぶりであることには変わりなく、ブレのない楽曲構築のセンスは依然としてしっかり発揮されています。ヴァラエティに富んだ前作とは対照的に、本作は「コンパクトなエネルギーの躍動感」に重点を置いた楽曲が散りばめられた仕上がり。サウンドは打ち込み色がさらに薄れバンド体制でのレコーディングになっており、新居昭乃(Chorus)、保刈久明(Gr)、小泉信彦(Key)、いまみちともたか(Gr / BARBEE BOYS)といった【LIVE PSY・S】の面々を起用。松浦氏もこれまで多用していたフェアライトに変わってモーグ等のアナログシンセ類にシフト、ストリングス系の音色を中心に押し出すようになりました。軽快なアップテンポナンバーが多い本作ですが、中でも「GIMMICK」は一度聴いたら忘れられないほど強烈な異彩を放ったまさにキラーチューンと言えましょう。松浦氏の奥底に秘められたプログレ志向が垣間見えるような楽曲で、ハモンド/モーグが勢いよく交錯するバッキングに加え、ストリングスサウンドが、そしてギターソロが隙間を埋め尽くすように躍るハイスピードなプログレ・ハード・チューン。ドワーっと一気に押し流すかのようなこの派手なサウンドメイキングは今聴いても十分通用すると思います。




PSY・S:Wikipedia
松浦雅也:Wikipedia