2007年8月17日金曜日

UNIVERS ZERO『Ceux Du Dehors』(1981)

Ceux De DehorsCeux De Dehors
(1998/08/17)
Univers Zero

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 フランスのART ZOYDと共にチェンバー・ロックを代表するバンドとして筆頭に挙げられる、ベルギーのユニヴェル・ゼロの3rdアルバム。邦題「祝祭の時」。妖艶優美なる室内楽と力強く躍動的なロックの暗黒の異種姦が生み出すもの、それがチェンバー・ロックであり、中でも重量感と共にただならぬ雰囲気を醸しだす彼らのサウンドは、スタイリッシュにしてストイック。邪悪なイマジネーションをこの上なく掻き立てられ、お先真っ暗な洞窟の奥底で触手達によるエロティックな狂宴というような爛れたイメージも目に見えて浮かんできそうです。室内楽寄りかつダーク・ゴシックな大曲志向であった前作『Heresie』とは打って変わって、本作は大曲・小曲がバランスよく配された構成で、ロック度も増しております。粘液をしたたらせながらのたうつかのような変拍子のめまぐるしい展開と、腹の中で蠢くエイリアンが今にも腹を喰い破って出てきそうな緊張感を漲らせた冷淡な展開が表裏一体となった「Dense(濃厚)」。ヘヴィな唸りを上げるベースとオーボエ、鋭くも張りと艶のあるヴァイオリン、加速度と重量感を増してゆくアンサンブルが聴き手にゆるやかに興奮を促しつつも一抹の不安を抱かせる、美しくも危険な「Combat(戦闘)」。この2つの長曲は名状し難いほどに不気味なたたずまいで、本作のハイライトといえる楽曲の役割を担っています。もちろんその他の楽曲も容赦なく黒い瘴気を撒き散らしており、木管楽器が生み出すゴシックなムードがズルズルと楽曲を引き摺る「La Corne du Bois des Pendus(コルヌ・ドゥ・ボア・デ・ペンドゥス村)」。躁状態なアンサンブルがひっちゃかめっちゃかにかき回し、短いながらも強いインパクトを与える「Bonjour Chez Vous(こんにちは、諸君)」。H.P.ラヴクラフトの同名作品をテーマにし、最初は生理的嫌悪感を催すだけだった軋む様なヴィオラの音が、次第に巨大な戦慄へと変貌を遂げて文字通り聴き手に襲い掛かってくる、冒涜的にして狂気の極み「La Musique D'enrich Zann(エーリッヒ・ツァンの音楽)」……などの楽曲が、徹底的に得体の知れない闇の恐怖を味わわせてくれます。気を抜けば即喰われかねない、禍々しさたっぷりの作品。異形を孕む音楽。


UNIVERS ZERO:公式

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