2007年2月9日金曜日

Clammbon『JP』(1999)

JPJP
(1999/10/06)
クラムボン

商品詳細を見る

 クラムボンの1stアルバム。アルバムタイトルのJPとは、3人が通っていた音楽専門学校のジャズ・ポピュラーミュージック・コースの略称なんだそうな。原田郁子さんによる、言葉遊びを織り交ぜた歌詞とヴォーカルは矢野顕子さんからの影響が伺え(声質も似てます)、中心人物であるミト氏はソフト・マシーンなどのプログレッシヴ・ロックやジャズ・ロック、CANなどのクラウト・ロック、YMOなどのテクノ・ポップから影響を受けているとあって、随所にそれっぽさがチラリ。基本はポップなジャズ・ロックのフォーマットを取っていますが、ニューウェーヴのフィルタを通ったような感触もあり、そして時にポスト・ロックにも、純粋なJ-POPにも聴こえます。プログレッシヴな匂いを漂わせつつ、愉快にふわふわと渡り歩いていく器用さとつかみどころのなさ、正直、クラムボンの音楽性は一言で例えられませんが、同時にそれはクラムボンの大きな魅力でもあります。この1stはまだ大胆な実験性は薄く、レゲエやフォークといった他ジャンルを軽く組み込みつつヒネリも入れたニューウェーヴ・ポップ・ロックという趣ですが、ブヨブヨしたシンセにヴォーカルが載る「ORENZI」「GLAMMBON」や、薄く引き伸ばされるようなバッキングが魅力的に響く「トレモロ」など、PSY'SやFAIRCHILDあたりの80'sテクノポップスを思わせる曲が多いので、その辺が好きな方にも訴えかけるものがありそうですね。グっとアクセントが効いたソフトなジャズ・ロック・ナンバー「はなれ ばなれ」「いたくない いたくない」、インディーズ時代の楽曲のリメイク「パンと蜜をめしあがれ」、波音やハンドクラップ等を組み込み、アコギの心地よいカッティングが響くフォーク「波は」は何度もリピートしたくなります。


クラムボン - 公式